うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

この人はなぜ自分の話ばかりするのか 応用編 ― 印象を決める四つの法則 ジョーエレン・ディミトリアス 著 / 冨田香里 翻訳

タイトルと内容がほとんど一致していなかったのだけど、第一弾が「この人はなぜ自分の話ばかりするのか―こっそり他人の正体を読む法則」という本らしく、これは続編。 わたしは他人の文章を読みながら「なぜこの人はモノのスペックや入手方法などを書かず、…

「自分の手でつかみたい」という気持ちを大切に

先日、3年ぶりの包括的哲学講座をやってきました。田舎でしっぽりやるつもりが、わりとワイワイしました。新潟までおいでいただいたみなさん、どうもありがとうございました。 この日は冒頭で、かねてから思っていることを話しました。「あまり目立つお知ら…

佐野洋子対談集 人生のきほん 西原理恵子、リリー・フランキー

「100万回生きたねこ」「おじさんのかさ」の佐野洋子さんって、こんな考えをお持ちの人だったの?! びっくりおもしろ発言が飛び出す飛び出す。以下すべて佐野さんコメント部分より。 発情して恋愛してるときは、「愛してる、愛してる」って思ってるけど、あれ…

王妃の帰還 柚木麻子 著

出だしからいきなり、「ピースなら断然、又吉派」の女の子たちの会話が楽しい。(理由は、本をいっぱい読んでいて、何気にお洒落だから、とのこと) 女子中学校のヒエラルキー闘争が、ベルばらオタクみたいな女の子の目線で語られ、進行していく。とにかくう…

「effectなケガ」「affectなケガ」と、いきなり「result」結果論

自然の多い場所では紅葉の美しい、ジョギングやウォーキングの楽しい季節になってきましたね。 わたしはヨガではケガをするほどのことをしませんが、ほかのスポーツを含めると些細な「イテテ」から突然の「ガッツーン」まで、さまざまなケガをしてきました。…

空腹リアライゼーションをインド哲学ベースで掘り下げてみた

わたしは書きものや作りもので夢中になると、あまり食べません。 朝起きてそのまま作業を始めて、2時間くらいして「ああ、おなかすいたなぁ」と思いながら3時間ほど作業を続ける、ということがあります。ちょっと違うことを脳みその3割くらいでチラチラ考え…

脱力のまち・長岡あれこれ(新潟県長岡市)

写真の案山子は泉ヴィレッジの案山子なので厳密には長岡ではないのですが、長岡って地味なうえにユルい。 これといったプッシュポイントがない。大きな川と橋しかない。城はハリボテみたいだしなぁ。商店街の破壊力は十日町にかなわないんだよなぁ。 今日は…

「ケーベル先生」「ケーベル先生の告別」 夏目漱石 著

この人物のカルマヨギっぷりが、漱石グルジの回想録で語られています。 私がもし日本を離れる事があるとすれば、永久に離れる。けっして二度とは帰って来ないと云われた。 先生はこういう風にそれほど故郷を慕う様子もなく、あながち日本を嫌う気色もなく、…

ドラママチ 角田光代 著

「マチ」は街ではなく、「待ち」。 だいたい、暗い。でもだいたい、人間と一定量以上付き合うと、そんなことになっていくのだと思う。 景色は特に暗くない。思考が暗い。喫茶店がよく似合う。どの話にも喫茶店が出てくる。喫茶店に行きたくなる。 「それは苦…

人性論 ヒューム(David Hume)原著 / 土岐 邦夫・小西 嘉四郎 (翻訳)

西洋の哲学には疎いのですが、「哲学のおさらい おとなの楽習27」という本のなかにあった「ヒューム」というイギリス人哲学者の説明を読んだときに「なんか、ニヤーヤ学派みたいな主張だなぁ」とたいへん気になり、読んでみました。 読んでみると、ニヤーヤ…

趣味の遺伝 夏目漱石 著

この小説の中で、主人公は低俗な感情で行動する自身を「好奇獣」といっています。 超短編であまり有名ではないけれど、この小説は夏目漱石小説の中で「探偵」という表現で出てくる感情を掘り下げていておもしろいです。わざわざ探偵して攻撃の糸口を見つけて…

駅で買える新潟グルメ「フレンドのイタリアン」「大和屋の栗甘味」「浪花屋の柿の種・カフェオレ味」

新潟県内のみなさまにおかれましては、タイトルを見ただけで「おっとそのチョイスで来たか」という話かと思いますが、今日は駅で買える新潟グルメを特選してご紹介します。 ■フレンドのイタリアン 写真の、得体の知れない風情の「焼きそばのようなもの」です…

DELFONICSの手帳(A6)とuniのペン「STYLE FIT」のブルーブラック

今年から手帳を小さくしてA6にしたら快適だったので、2016年用もDELFONICSの手帳(A6)を買いました。 先日一緒に行動した友人がチラと手帳の字を見て「字がきれい」と言ってくれたのですが、これは事前にカッコ書きで「意外と」が入る。「字も書けるんじゃな…

女の決闘 太宰治 著

ヘルベルト・オイレンベルク(ドイツの小説家)の「女の決闘」という作品を森鴎外が訳したものを、太宰治(自称:DAZAI)がおもしろく解説しつつ、「ちょっと足りないから書き足しますけど」とパロディ化しているかのような作品。 小説を読んでいて「そんな…

仮説のある人が上達する、という仮説

ここ数年いろいろな人を見ていて思うのですが、ヨガは経験年数や回数よりも「毎回仮説を立てるような感覚を持っているか」が上達に太くかかわっているみたい。 やっぱり! という感覚が、なにかを確かなものにつないでいく。 わたしの好きなフレーズに、松坂…

「アルタ・サングラハ」(バラモンの精神界 インド六派哲学の教典 より)

中村元先生の選集「ミーマンサーと文法学の思想 インド六派哲学」を立ち読みしてみたら壮大すぎて、こりゃ根本経典のほうで語彙のトーンをつかんでおいたほうがいいかなと思って探したのですが、「ミーマーンサー・スートラ」のズバッとした日本語訳が見つか…

SHUNGA 春画展(永青文庫 / 東京・文京区)

絶対行くぞ! と決めていた春画展へ行ってきました。 ひとりで行くつもリだったところへ、以前の仕事仲間の山さんが連絡をくれたので、一緒に行ってきました。 先に感想を述べますが、これ絶対行ったほうがいいです。ものすごく、笑えるのです。 おもしろポ…

ベトナム旅行の予算と持ち物、まとめINDEX

ハノイから入りホーチミンから出る、南下ルートの縦断旅行(14日間)をしてきました。これは全記事のまとめです。 ベトナムは1975年まで戦争をしていて、当時の報道は静止画写真で主に行なわれていたというのを先日ラジオで聞きました。物心のつく頃には戦争…

知ることより考えること 池田晶子 著

週刊新潮の連載コラム「人間自身」をまとめた本。「村上ファンド」の話題などが出てくるので最近のものに感じますが、もう10年前かぁ。週刊雑誌に似合う毒っ気があり、これも読者のモードにあわせた文体のバリエーションのひとつかな。 おもしろくてイッキ読…

こころ(映画・1955年版)監督:市川崑 脚本:猪俣勝人

結論から書きますが、これは完璧じゃないでしょうか。原作にかぎりなく忠実なうえに、それ以上と思える解釈の補足があります。 先日感想を書いた「吾輩は猫である」と同時上映で、三鷹で開催された文学イベントで観ました。当日現地で合流したTさん(わたし…

その手をにぎりたい 柚木麻子 著

バブル全盛期の不動産業者と高級鮨店が舞台。 途中、食の話と性愛の描写が重なって不快な感覚を持つ場面があったけど、エンタメ小説として読後感がものすごく安定している。この作家さんはわたしよりも若いのに、よくここまでリアルな雰囲気で書くもんだなと…

「みんなに白い目で見られる」って、実際そうなら愉快と思っていた

わたしは子供のころ、大人が自然に口にする「白い目で見られる」というフレーズを耳にするたびに、ほんとうに白い目で見る人がいっぱいいる様子を思い浮かべていました。 なんとなくそれは楽しそうなので、白い目で見られることをする=怒られるに値すること…

「不機嫌」と「甘え」の心理 なぜ人は素直になれないのか 加藤諦三 著

はしがきに「この本では、好きな人に敵意を持つというような両立しない感情を考えてみた。」とあります。 この本は基本的には親の育て方にブーメランする内容が多いのだけど、終盤のこの結論付けは、わたしも同じように思います。 <193ページ 寂しさは隠さ…

リッツ・カールトン20の秘密 一枚のカード(クレド)に込められた成功法則

リッツ・カールトンの理念に魅せられて世界中のリッツ・カールトンを旅した女性の滞在記に、東京総支配人のアフターコメントが入る、というちょっと変わった形式の本。 なぜわたしがリッツ・カールトンの理念のようなものに興味がわいたか、読みながらじわじ…

14歳の君へ どう考えどう生きるか 池田晶子 著

これは「知のジュエリー12ヶ月」のように中学生向けに書かれた本ですが、親の世代がまず読んだほうがよい内容といえるかも。 14歳向けに書く語調やトーンに強調の効果が生まれていて、引き込まれます。夏目漱石の「三四郎」に出てくる広田先生のような言葉が…

宝蔵院(静岡県伊豆市下船原)

伊豆の修善寺からバスで「宝蔵院」へ行ってきました。曹洞宗のお寺ですが、空海さんに少しだけゆかりがあるみたい。 伊豆へ行ったのは二度目で、今回は夏目漱石ゆかりの地が主目的でしたが、8年前に空海さんゆかりの地らしい「修禅寺」(字が違う)へ行った…

いいことをしていると思うことのこわさ

「いいことをしている」という高揚感の中でバランスを欠いてくとき、人のこころの中では、なにが起こっているのだろう。 友人のように付き合えていたヨガインストラクターが、ドボン、ドボンとそこへ飛び込んでいく。これはどういう現象であろうか。すぐ横を…

ガンディー 獄中からの手紙 ガンディー 著 / 森本達雄 翻訳

すばらしい一冊。訳者さんの力量とその配慮の微細さに感動しました。この本は二つの意味で良書です。 ひとつは、文明化社会の中で培われていったガンディーの思想を理解するための書として。ユーモアや表現力も伝わってきます。もうひとつは、ガンディーによ…