うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

「effectなケガ」「affectなケガ」と、いきなり「result」結果論


自然の多い場所では紅葉の美しい、ジョギングやウォーキングの楽しい季節になってきましたね。
わたしはヨガではケガをするほどのことをしませんが、ほかのスポーツを含めると些細な「イテテ」から突然の「ガッツーン」まで、さまざまなケガをしてきました。今日はそんな話です。


ヨガは「イテテ」の観察が楽しい。足の指の中指と薬指のあたりがよくつるのは子供のころからの傾向だし、特定のところに強く身体のパーツが当たると痛むのは「ツボ押し状態」。なにか違和感や痛みがあっても、「おお! この体位にこんな現象が」という感じでやっています。ヨガ以外では、登山や長距離マラソンで「痛めたかな」と思ったことが何度かあります。学生時代は、ソフトボールやスキーでたまにケガをしていました。



わたしはケガを「effectなケガ」と「affectなケガ」に大別しています。


「effectなケガ」は、因果関係の時間差が短いもの。
こういうの。

  • 盗塁のスライディングで足首がベースにヘンな角度で入って、立つときにくじいた。しばらく痛む(ソフト ボール)
  • デッドボールが肘にあたって骨に響いてバイィィィ〜ン、ってなった。しばらく痛む(ソフトボール
  • 雨でぬるぬるした土の上で滑って尻もちをついた。しばらく痛む(登山)
  • 川を渡るのに石をつかみ損ねて、手の指の靭帯を損傷して指が曲がった(登山)


「affectなケガ」は因果関係の時間差が長い、じわじわくるもの。
こういうの。

  • 35キロ地点を過ぎたあたりから感じる、右足の甲の中のムズムズする違和感。ふとしたときに出てくる(フルマラソン
  • 久しぶりに走ると感じる、片側の股関節の骨が「当たる感じ」。不定期にあらわれる(フルマラソン


上記は、意思をもって動いているときのケガ。
このほか、意思をもって動いていない時のケガというのがあって、こちらのほうがクセモノ。

  • 駅の階段がもう一段あると思っていたけどなくて、足首をひねった
  • ドアを引いたら思いのほかスムースに動いて、バランスを失って足首をひねった


スピード競技では、意識がついていかないという場合も、まれにある。

  • スキーのコブ斜面でスピードに身体がついていけず、意識が外れてクラッシュ

(スピードの出る運動は、たいへんな量の集中力を使います)




これはもうケガではないですが

  • 視覚的に他のことに気を取られ、転んだ

見てない、というやつ。意識を目的のために繋ぎ止めておくのって、むずかしい。
よく山に「落石注意」なんて看板があるけれど、あれは「落石の気配をフォースで感じ取れ!」のほうがたぶん正しい。そのくらいじゃないと、実際の速度感として間に合わないんじゃないかと思う。
ケガにもいろいろあるから解剖学的に無理な角度で云々…、というのももちろん大切だけど、ケガの瞬間にとれる「受け身」は無意識レベルのもの。意識とケガを切り離して語ることはできないので、五感と脳と神経のはたらきの影響を、わたしはいつも重視しています。


これは安全安心をお金で買えるという幻想が好きな人の多い「日本的傾向」かと思いますが、ケガを「result」の感覚で語る文脈をたまに見ます。具体的なものが顕現してきたときに、視界に入る範囲のなにかのせいにして、考えることを早く終わらせようとしてしまう。「affect」と「effect」をすっ飛ばして、いきなり「result」を語るというのは、ものすごく腰高な感じがします。そういうマインド設定の状態の人に対して「influence」の経験の話はできないので、わたしはスピリチュアルなことは(感じていることはあっても)語りません
漢字の「怪我」は、「怪」がどのように「我」にかかるのか、もしくは倒置なのかわかりませんが、どちらにしても「怪」を使うのはおもしろいですね。「自分」が「あやしい」って言われてるような気がする。



ヨガは「できない」がデフォルトだったのが、「できる」がデフォルトになる過程(influence)を微細に刻みながら楽しむのが醍醐味。
まえに「日本語は心の動詞が少ない」ということを書きましたが、同じように「物質の変化の過程を示す動詞(物質の動詞)」も少ないと感じます。できあがりのアーサナがどんな状態でも、その途中にある肉体の動詞を微細に読み取っていくことを楽しめると、「今日、いま、この瞬間、これができないわたしの身体」が、乗り慣れた乗り物のように感じられるようになります。
慣れてきた人も、贅肉が増えるとマリーチ・アーサナがきまりにくくなる。これも、effect なうちに感知していきましょう(笑)。


(ぷちお知らせ)
▼脂肪を蓄える前に、一緒に練習しましょ♪