うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

観た映画・映像

大人の見る繪本 生れてはみたけれど(映画)

チャップリン以外の無声映画を初めてみました。小津安二郎監督の作品です。カラー映画「お早よう」の元ネタとも思えるような少年二人が主人公の物語なのですが、音がないぶん動きの表現が充実していて、ものすごくおもしろい!しかもラスト20分くらいがとに…

お早よう(Good Morning / 映画)

大人の世界と子供の世界を描いたおもしろい映画でした。定年退職する人が就職活動をしています。その人が「30年勤めて放り出される」と言っていて、どうも計算が合わないなと思ったら、この時代は(映画は1959年)定年の年齢が55歳だったんですね。ちなみに…

風の中の牝雞(映画)

タイトルは雌鶏、めんどりです。戦争から帰ってきた夫とその妻のトラブルを描いたもので、夫が妻を階段から突き落としたあと階下に降りるでもなく棒立ちで階上から「大丈夫か」といちおう言って眺めています。こういう、”不器用さからのDVも愛情表現のねじれ…

宗方姉妹(むねかたきょうだい / 映画)

テーマのわかりやすいドラマで、重たいところは高峰秀子が軽快に崩し、笠智衆がほぐしにくる。ものすごい布陣。悪い男はわかりやすく暴君で、いい男はわかりやすくいい人。 この物語には、妻に自分以外の初恋の人がいることで病む、まるで島崎藤村の「家」の…

桐島、部活やめるってよ(小説と映画) 朝井リョウ 著 / 吉田大八(監督)

映画を観たらひとり強烈な人がいて嫌な気持ちが起こり、確認したくて原作も読みました。その人物は沙奈という名前で、松岡茉優という女優さんが演じていました。この女優さんは精神性の再現職人ね。ああいる、こういう人……と、数々の嫌な印象が思い出されま…

彼岸花(Equinox Flower / 映画)

この映画はいろんなことに置き換えてみることができて、じわっと考えることが多いのがよいです。説得というのは外圧でできるものではなくて、相手の中に諦めがついて、やっと納得に変わっていく。そういう心の普遍的な題材をコメディで観せてくれる。 それに…

小早川家の秋(映画)

こばやかわではなく、こはやがわと読みます。変換しても出てこないわ! そう、この家はややこしいのです。いろいろ確認したいことがたくさんあって3回観ました。2時間弱の映画にいつもの嫁入り要素のほか、代々続く家の継承、大旦那の女遊び、若い娘の外国人…

早春(Early Spring / 映画)

1956年の映画で白黒です。二つのよくある問題が綱のように太く編んであり、どうにもうまいことひとつの物語にするもんですね。みんなふつうの人なのに、名言がいくつもありました。 恋愛沙汰にフォーカスすれば下世話だし、倦怠期の夫婦の状態に視点を移せば…

秋刀魚の味(An Autumn Afternoon / 映画)

今年に入ってから小津映画を観始めましたが、これは1962年の映画。字幕なしでも会話の意味が全部わかったのはこれが初めて。それまでは当時の言い方や固有名詞にわからないものがいくつかあって、いろんな昭和の言葉を知りました。この映画はおじさん同士の…

お茶漬けの味(映画)

こういう人ってどうして滅びないんだろ。まだまだ偉そうに上のポジションにのさばるんだろうな……とげんなりするほど嫌いだった人をこの上なく大好きになってしまった。そんな奇跡のような経験をしました。 小津安二郎監督の映画は同じ俳優さんがよく出てくる…

秋日和(Late Autumn / 映画)

初めて観るカラーの小津映画。色つきだとこんなにオシャレなのかと、とにかく全部画面キャプチャーしたい!と思うほどのインテリアと衣装の連続。なかでもわたしは「会社」「学校」「アパート」のシーンに毎回目が釘付けで、母親が勤める桑田服装学院のシー…

東京暮色(Tokyo Twilight / 映画)

ノリちゃん三部作を観終わってしまったので、「東京暮色」を観ました。この映画では原節子さんが孝子という名前の姉役でタカちゃんと呼ばれています。主人公は妹の明子(アキちゃん)で、有馬稲子さんという恐ろしくキュートな女優さん! このアキちゃんのフ…

東京物語(映画)

有名な映画を観ました。「晩春」「麦秋」「東京物語」は紀子三部作といわれているそうです。この映画では過去のシリーズでじわじわと頭角をあらわしていた女優・杉村春子がサッカーでいうリベロっていうのかな、ああいう感じの働きをされていて、登場人物が…

晩春(ばんしゅん・映画)

これは父親役の笠智衆による結婚説法を聴けるだけで、もうそれだけでありがたい映画。「なるんだよ、幸せに」の倒置が沁みる。娘役の原節子はさながら三蔵法師。ありがたいお経を求めて天竺ならぬ "他人の家" へ旅立つ僧侶の複雑な心の旅支度。── なのだけど…

放浪記(映画・成瀬巳喜男監督 1962年)

大晦日の夜に映画版の「放浪記」を観ました。レジリエンスをアップさせる特効薬の注入です。お金がないのに本を買っては売り、職場の新入りでありながら隙を見つけては文章を書き、夫にビンタされても蹴られても立ち上がる。原作の松田さん(前半に登場)と…

麦秋(ばくしゅう・映画)

はじめて小津映画なるものを観ました。想像以上のおもしろさで驚きました。かわいい娘を結婚させて片付けなければいけないという話なので、とにかく「片付ける」という語がよく出てくる。でも家族全員が、その人がいなくなったらめちゃくちゃ淋しいと思ってい…

あゝ野麦峠(映画)

出稼ぎの往来ルートの過酷さと季節ごとの景色の違いなど、さまざまな対比を巧みに組み合わせながら当時の多くの情報を伝えてくれる、すばらしい映画でした。ひとことでいえば当時多くあったブラック企業の現場の話なのだけど、社会背景もていねいに説明され…

危険なメソッド(映画)

ここしばらくザビーナ・シュピールラインに関する本を読んでいました。映画を観たくて、予習のために読みました。映画の原題は「A Dangerous Method」(そのまんまね)で、日本では2012年に公開されています。当時は知りませんでした。精神分析の黎明期の歴…

タゴール・ソングス(映画)

いまポレポレ東中野で上映されている、ラビンドラナート・タゴールの詩の世界を追うドキュメンタリー映画を観てきました。ベンガル語が話されているインド・コルカタとバングラデシュ・ダッカの街やローカル・エリアの景色がいっぱい。現地ではタゴールを「…

釈迦(1961年の映画 三隅研次監督)

60年代の大映映画「釈迦」を観ました。この映画の感想はどんな角度で書いたらいいやら…というくらい、盛りだくさんです。わたしは70年代生まれなので、出演している俳優さんで知っているのは3割ほど。特捜最前線のダンディなおじさまと釈迦を一致させること…

人間失格 太宰治と3人の女たち(映画)

求められると、つい。 「断れない」という感情はどこでどう種火に油が注がれて煽られて取り返しがつかなくなるのか。太宰治はこのメカニズムをとことん掘り下げるから毒だ。やっぱり毒だ。 この映画は友人が興奮気味に感想を語っていて、その話に乗っかりた…

映画「ジョーカー」の余韻を引きずったまま「コンビニ人間」を再読した

映画「ジョーカー」を観た感想を以前書きました。そのときはテレビで道化を演じることについて書きました。 映画を観終わってから数日後に、ふとこんなことを思いました。社会心理ドラマとして観るなら「コンビニ人間」のアメリカ版として解釈したらいろんな…

Govinda の空耳情報がインドから届きました

早いものでもう来年の予定の話がチラホラ聞こえはじめました。今年はなにをしたっけ。今年もいろいろあったな。くだらないことが!(←これ重要) そんな「くだらないけれども大切にしたい思い出」のひとつに、今年はなぜか意外な方面で、しかも複数の方面で…

ジョーカー(映画)

話題の映画を観てきました。物語の本筋や結末には触れないように書きますが、さまざまな場目・状況の連鎖に思うところの多い映画です。これから観る予定の人は「この場面でそんなことを感じたのか」というふうに読むほうがおもしろいと思うので、今日のとこ…

万引き家族(映画)

インド旅行の行きと帰りの飛行機の中で映画「万引き家族」を観た。行きと帰りで土台の感覚が変わった状態で観ると、心が痛むポイントが違う。行きで観たときは、嗚咽の筋肉痛が首から上にものすごくあって、頭が痛くなった。理不尽さや不条理へのやり場のな…

パッドマン 5億人の女性を救った男(PADMAN / 映画)

見そびれていた映画をインド往路の飛行機の中で見ることができました。女性の月経がインドでどんなふうに禁忌として見られているかがよくわかる、それでいて重い気分にさせないビジネス物語。生理用ナプキン(パッド)を開発する男性の物語です。構成が本当…

逃亡の物語に惹かれる気持ちの、あれとこれ「紙の月」「八日目の蝉」

先日、映画版「紙の月」を観た人と逃亡の物語に惹かれる理由についてうだうだ話しました。楽しかったなぁ。そしてあの映画の中での大島優子のハマり役っぷり!うますぎる! MVP!という部分でも大いに盛り上がりました。ああいうOLちゃん、いるーーー!!! と…

ひとりでFワードを連発する女性たちが愛おしかった2018年

今年読んだ本、観た映画でとても印象に残っている作品が二つあります。その二作品の共通点は、心の中でFワードを連発する女性が登場すること。最初にその様子を見たとき、若き日の自分を思い出しました。絶対に押さえ込まなければいけないあの激質。絶対に…

モンキーマインドを日本語で言うなら「手当たりしだい」

先日、美容室にあったHuluで「モンキー・マジック 孫悟空誕生」という映画を半分くらい観たのですが、孫悟空が桃を食べるシーンで「そうそう、これこれ」と思う挙動がありました。わたしが子どもの頃にテレビで観ていた西遊記では、猪八戒も同じような食べ方…

アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル(映画)

あの頃のスケートは、演歌っぽくなくて楽しそう。トリプルアクセルを飛んで見せるぞ!というパワフルなトーニャの演技は、圧倒的に魅力的。 フィギュア・スケートはいつから「みなさんの応援が力になりました」と言わなければインタビューが終わらないかのよ…