うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

エンリケ・バリオスの魔法の学校 ホワイトマジック特別集中講座 エンリケ・バリオス著 さいとうひろみ(翻訳)

同作家の「アミ小さな宇宙人」からの三部作を読み終えたので、この本を読んでみました。アミのシリーズはキリスト教の聖典にある教えを執着と愛の混同解釈で曲げないように説いていくような物語でしたが、この「魔法の学校」はそれを練習メソッド化し、精神…

アミ 3度めの約束 ― 愛はすべてをこえて エンリケ・バリオス著 石原彰二(翻訳)

シリーズの三冊目をやっと読みました。登場人物が少しずつ増え、それぞれの事情とこだわりのなかにエゴがちらつく。アミ(オフィル星の宇宙人)が主人公の少年ペドゥリートに向かって話す内容も苦悩の中毒性や死の解釈にまで及び、内省力もパワーアップして…

堕落論 続堕落論  坂口安吾 著

昨年の後半は坂口安吾の小説をよく読みました。長い作品は一つもなく、どれも中編で一日で読み終えてしまうものもあるのですが、ままならぬ人の気持ちをよくコンパクトに書くもんだと毎回驚きます。なんとなく「〇〇論」というのはむずかしそうな印象。つい…

泣虫小僧  林芙美子 著

母親と一緒に居たいのに、自分が邪魔者であることが明らかに示された子どもの話。とにかくつらい。そら泣くわ!男を追いかけて育児放棄をしたくなったシングルマザーとその子ども、母の姉妹とその夫。この育児放棄はただのネグレクトを超えたメス(雌)の都…

戦争と一人の女  坂口安吾 著

ざっくりとした行動自粛とか、オリンピックって海外から人がそもそも移動できないから無理じゃないとほとんどの人が思っていても確定しないまま日が迫っていく感じとか、2020年のいま~2021年の夏までの時間の流れって、きっと50年後の人々から見て「あの時…

夜中の薔薇  向田邦子 著

今年から読み始めてすっかり夢中になっている向田邦子エッセイ。この本にも名作「手袋をさがす」が収録されています。 「手袋をさがす」はやっと少し冷静に読めるようになってきたというか、三度目にしてやっと、人生の転機となった20代終わり頃の著者の転職…

偉くない「私」が一番自由 米原万里(著) 佐藤優(編集)

著者の残したさまざまな文章を、友人がセレクトしてフルコースのメニューに見立てて構成した本なのですが、なんと大学の卒業論文が収録されています。これがすごくおもしろくて、ニコライ・アレクセーエヴィッチ・ネクラーソフの作品を読みたくなりました。 …

彼女たちの部屋 レティシア・コロンバニ著 齋藤可津子(翻訳)

先月渋谷区の路上でホームレスの女性が殺された事件があって、もうすぐクリスマス。この小説の舞台はパリなのだけど、タイミングが合ってしまったせいで身近に感じないわけにはいかない流れ。パリにある女性のための施設「女性会館」の成り立ち(約100年前)…

お茶をどうぞ 向田邦子対談集

テレビ関係者や作詞家、作曲家、ファッションスタイリスト。なんとも魅力的な人々との対談集。「徹子の部屋」からの書き起こしもあって、いまから40年前の売れっ子女性脚本家・エッセイスト・小説では直木賞作家かつライフスタイル・アイコンのようであった…

十二月八日/家庭の幸福  太宰治 著

なんでこんなことが起きたのだろう、なんでこんなことをみんなでしたの? という人生経験をまさにしている。世界大戦以来の世界混沌イベントが自分の生きている間に起こるなんて、それを経験することになるなんて、去年の今頃はまだ気づいていなかった。今年…

サキの忘れ物 津村記久子 著

日常の延長にある妄想や冒険が楽しくて、修行のために近所でちょっと変わったバイトを始めてみたくなるような短編集でした。なんか冒険したくなる。漠然と頻繁に感じる居場所のなさとか、役割をこなしていても別に自分でなくてもいいのよねと思う投げやりな…

(再読)立ち上がれ目覚めよ ― スワーミー・ヴィヴェーカーナンダのメッセージ

今年から英語圏の国で暮らす予定だったヨガ仲間に貸した本が返ってきました。わたしは日本語と英語が収録されているのがいいと思って貸したのだけど、読んだ人がどうもぴんとこなかったようなので、再読しました。 前回の感想はこちら よくよく読んでみたら…

本を読む人というだけではつながりたいと思わなかった理由

よくSNSで見かけるハッシュタグに #〇〇好きの人とつながりたい というのがありますね。ほんと?と思うけれど、あれはそういうことをいちいち考えないで使うもの。わかってる。牧歌的にいきたいのですよね。わかります。 なかでも「本が好き」「読書が好き」につ…

自転しながら公転する 山本文緒 著

わたしは20代の頃、あまり本が読めませんでした。物語を文字で追うことができませんでした。自分のこれからがどうなるのかばかり気にしていたから。文字を読んでも、なにも掴めない。そこからなにかを思ったり自分の考えと結びつくこともありませんでした。…

持続可能な魂の利用 松田青子 著

この小説には欅坂46が出てきます。わたしはアイドルグループをよく知りません。ダンスのフォーメーションを見ているだけで魅了される9人編成の少女時代(SNSD)とTWICEの動画は観るけれど、地名と数字のつくグループには同じ感情を抱いたことがなく、自分の…

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集 岸本佐知子(翻訳)

ひとつひとつの話のインパクトと感覚的な表現へのおどろき、そして半分くらい読んだあたりから見えてくる著者ルシア・ベルリンの人物像。序盤・中盤・終盤でまったく違う気分。短編集なのだけど、これは構成の妙というか順番の効果もある気がします。だんだ…

白痴 / 精神病覚え書  坂口安吾 著

同じ作家の小説とエッセイで、魅力的な共通点があると感じた本の感想を書きます。 白痴 人情はただの好都合では動かない。礼儀やタテマエでも動かない。人情を行使するとはどういうことかを考えるのによい小説でした。わざとそれらしい言葉を使うなら、この…

向田邦子ベスト・エッセイ 向田邦子 著

いやぁ、笑った。どうにもこうにもおもしろい。友人の本棚の写真を見たのをきっかけに読み始めた向田邦子エッセイの二冊目。何度か「いまコーヒーを口に含んでいなくてよかった!」と思うくらい吹き出してしまい、危うく惨事になるところでした。ふと差し込…

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 著

そうなのよ、多様性ってめんどくさいのよ! と思いながら読みました。この気持ちを整理するのにこれ以上の教材はないんじゃないかというくらい、すばらしくおもしろい本でした。年長者が若者の存在を意識して「これからはそれじゃいけないと思うのよ」と言う…

ビッグ4 アガサ・クリスティー著 中村妙子(翻訳)

名探偵ポアロが主人公の小説を初めて読みました。これは以前の職場の同僚が6年前にくれた本なのですが、ずっと家の本箱のなかで眠っていました。もしかしたらその人は、わたしがその頃「これまで江戸川乱歩しか読めなかったけれどやっとほかの作家の小説を少…

行動学入門 三島由紀夫 著

当時雑誌に連載されていたエッセイ、コラムをまとめた文庫本です。『Pocket パンチ Oh!』連載を集めた「行動学入門」シリーズと『女性自身』の連載を集めた「おわりの美学」シリーズ、そして『諸君!』に掲載された「革命哲学としての陽明学」を読むことがで…

LIFE DESIGN(ライフデザイン)スタンフォード式 最高の人生設計 ビル・バーネット/デイヴ・エヴァンス著 千葉敏生(翻訳)

書店へ行くと「デザイン思考」という本をよく見るのでひとつ読んでみました。最高の人生設計とはずいぶん盛ったものだと思う日本語が添えてあるけれど、英語の世界の話だと思えば納得というか、そういう雰囲気に満ちた内容でした。序盤を読みながら、なんだ…

デカダン文学論 坂口安吾 著

今年は夏に3か月くらいかけて島崎藤村の「新生」を読んで、その後もしばらく考えをまとめられず、「新生」について他の作家が触れている3つの本を読みました。ひとつめは「太鼓たたいて笛ふいて」(井上ひさし著)、ふたつめは「或阿呆の一生」(芥川龍之介…

浜菊 伊藤左千夫 著

日本語は「純粋」や「素朴」という言葉が都会よりも田舎と結びつけられやすい。なぜだろう。純粋に華やかさに惹かれて都会へ出てチャラチャラすることもあるだろうし、素朴にムラムラして田舎の野道ですれ違った女性を襲うこともあるだろう。この小説は、わ…

或阿呆の一生 芥川龍之介 著

今年は夏に3か月くらいかけて島崎藤村の「新生」を読んで、その後もしばらく考えをまとめられず、「新生」について言及されている芥川龍之介のこの本を読みました。これが遺作なのだそうです。日付のない日記のような感じで、数行で終わるトピックの連なりが…

新生 島崎藤村 著

島崎藤村の「破戒」を読んで以後、とても考えることが多くなりました。それだけ価値のある読書をしたと感じる小説でした。そしてあまり深く考えずに、これも有名な本ぽいぞと思って「新生」を読みました。これは別の意味で強烈でした。二冊読んでみて、まだ…

三島由紀夫の「革命哲学としての陽明学」を読んだら、ヨガを学びながら感じてきた違和感の背景が見えた

先日、昭和45年に『諸君!』に掲載された「革命哲学としての陽明学」という三島由紀夫作の、講座の書き起こしのような文章を読みました。 三島由紀夫はものすごく昔の人に感じるけれど、それは自分が生まれた時にはこの世にいなかったからで、ご長寿ならまだ…

太鼓たたいて笛ふいて 井上ひさし 著

この物語は、当時としては非国民扱い待ったなしの発言をした女性作家・林芙美子が主人公の戯曲。 国防婦人会の集まりでこんなことを発言したと話題になるセリフから、その心がどっしり伝わってくる。 「一昨昨年から一昨年にかけての八ヶ月間、わたしは内閣…

ユング <FOR BEGINNERSシリーズ> (日本語) 大住誠 著 田島董美(イラスト)

同じ現代書館の「フロイト」がおもしろかったので「ユング」も読んでみましたが、フロイトが1980年に第一号として出版されたのに対し、こちらは65番目のタイトルで出版は1993年。外国語のものを翻訳したのではなく、はじめから日本人の著者によって書かれた…

三つ編み レティシア・コロンバニ著 齋藤可津子(翻訳)

物語にからくりがあって、先が気になってどんどん読まされる。独独のテンポでぐいぐい連れて行かれて、ゆっくり読みたいのにそうもいかない。あとで著者がもともと映画監督の人でこれが初めての小説だと知り納得しました。場面の移り変わりが、文字だけなの…