うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

鍵のかかった部屋 ポール・オースター著/柴田元幸(翻訳)

小さい頃から人目を惹き、純粋なバカでも無粋でもなく、少年の頃からベストバランスの佇まいでいつも物事の中心にいた陽キャの友人が失踪した。そういう話でした。 回想の序盤はヘッセの『デミアン』のような少年同士の憬れの記録ではじまるのだけど、主人公…

読書する脳  毛内拡(著)

12月にたまたま書店で見つけて読んだ『健康脳活』がとてもおもしろかったので、同じ著者の別の本を読みました。 ▼前回読んだ本はこれです わたしはヨガをはじめてからいろんな本を読めるようになったので、脳のキャパシティを増やすのにヨガは良い効果をもた…

幽霊たち ポール・オースター著/柴田元幸(翻訳)

人の言葉にしても文章にしても、被害妄想の書き付けでしかないものを目にしてしまうことって、ある。知らない人の思い込みによるコメントって、なんであんなに気持ち悪いのだろう。 この小説はとても不思議で、部品はそういう気持ち悪いものでできているのに…

有吉佐和子ベスト・エッセイ

ここ数年、有吉佐和子作品をこつこつ読んでいます。視点も構成も文章も取材力も、やっぱり群を抜けてる。幼少期をインドネシアで過ごし、戦前戦後の日本をちょっと離れた視点で見ている感覚も独特です。 12歳で日本に帰ってきて日本の家が木でできていること…

急に具合が悪くなる 宮野真生子・磯野真穂(著)

女性二人の往復書簡(メールでの文通)の本でした。理解できる相手だから話せることがあるのと同じように、理解できる相手だからこそ書けることって、ある。大切なのは、思っていることを言葉にできるまでの文脈と、そこへ至るまで正直さを絞り出す胆力の積…

ガラスの街 ポール・オースター著/柴田元幸(翻訳)

なんとなくいつか読んでみようと思っていて、ふと初めて読んでみたポール・オースター作品。最初の1ページ目からおもしろくてどんどん引き込まれ、久しぶりに寸暇を惜しんでページを開いてしまう、お昼休みをうっかりオーバーしそうになってしまう、そんな…

リッチウーマン ——人からああしろこうしろと言われるのは大嫌い!という女性のための投資入門 キム・キヨサキ著/白根美保子 訳

数年前に何かのメルマガでこの本の女性たちの会話がおもしろいと書かれていて、その頃古本屋で見つけて買っておいたのを最近になって読み終えました。 この物語は中年女性6名が20年ぶりに同窓会のようにランチをすべく集まろうとして、2人は介護やボスから…

糖質疲労 山田悟 著

コレステロールは身体に良くない、卵は一日に2つも3つも食べてはいけないと刷り込まれた世代です。 これは1984年に英文週刊ニュース誌「TIME」が卵とバターを控えましょうという特集記事を組み、当時は飽和脂肪酸(バター)に加えて、コレステロール(卵)…

変なおじさん【完全版】 志村けん 著

なんかエッセイが読みたいな、と思っていたところで、たまたま書店で見つけて迷わず購入。 志村さんが48歳か49歳ごろに出版された自伝的エッセイに、その反響への後日談を数年後に加えて出された【完全版】で、毎週「8時だよ!全員集合」を楽しみに見ていた…

健康脳活 脳疲労が回復する習慣 毛内拡 著

今年は最後の最後に、ものすごくいい本に出会いました。 時間潰しに入った書店で、読み出したら身に覚えのあることばかり。しかも紙の本ならではの工夫がいっぱいの、今月出版されたばかりの本です。 この本がおもしろいのは、わたしがヨガを通して多くの人…

娘について キム・ヘジン著 古川綾子(訳)

韓国の小説『菜食主義者』を読んで驚いて、また韓国作品を読みました。この物語は家族観への自己内省がかなり進んだものに見えて、言葉が直球なのに意外な変化球もあって、グイグイきました。これも数日で読んでしまいました。 とても正直な主人公 描かれて…

更紗夫人 有吉佐和子 著

旅をしながら旅先の地名が出てくる本を読むのが好きです。 この小説の舞台は東京と和歌山。夫を亡くした主人公の女性が、夫の実家のある和歌山と、現在住んでいる(夫の親から与えられた)東京の邸宅を行き来して暮らしています。 和歌山の場面に町や海や川…

地下室の手記 ドストエフスキー著/江川卓(訳)

20年公務員として働いてきて、気づけば中年。これまで職場で周囲の人に意地悪をしてきた嫌なヤツであることは、正直に自認してる。苦し紛れにこれは肝臓が悪いことを理由にしようとしてみたけれど、やはり人格的に自分が病んだ人間であると認めざるをえない…

集団浅慮 「優秀だった男たち」はなぜ道を誤るのか? 古賀史健 著

売上を作ることができる人は優秀です。 優秀な人には華と勢いがあるけれど、これからは有能な人が優秀な人に押しつぶされず、そのまま有能な人材として仕事ができるといいですよね。 その理想のために、会社組織の改善のために出版された本として希望がある…

人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー ジャッキー・ヒギンズ著/夏目大 (翻訳)

ちょっと読みにくい。でも、おもしろい! なんとか最後まで読めました。 途中から少し退屈な紅白歌合戦を見ているような気持ちになっていたのですが、大トリがなんとも身近な、スーパーの鮮魚コーナーでも目にするマダコなんですよね・・・。 ずっと名前を聞…

故郷/阿Q正伝 ほか 魯迅 著/藤井省三(翻訳)

なんとなく魯迅のことを気にしながら過ごしていたら、新潟の新発田市にある蕗谷虹児記念館で、魯迅が蕗谷虹児推しであったことを知りました。 これをきっかけに短編集を読み、『小さな出来事』というエッセイに感動し、ノートに書き写しました。 最初は図書…

ハイドロフラスクの200ml水筒と、山と渓谷12月号「全国駅からハイキング特集」

先日大きな駅ビルに入り、めちゃくちゃ実用的な二品を手に入れました。 ここ数日、毎日ニマニマしております。 取っ手付きのミニボトル Hydro Flask 200ml ソニプラで実物を見て、これ欲しい! と久しぶりに衝動買い意欲が湧きました。 ミニボトル自体はずっ…

ダロウェイ夫人 ヴァージニア・ウルフ著/土屋政雄 (翻訳)

美しく粋な文章にするという技巧を使って、生活の上では無視したほうが健康的な感情をわざわざ拾い上げ、文字化して構成する。その成果物が名作として研究され続けていく。 それが小説や文学なのだとしたら、こりゃなかなか業の深い専門職です。 読み終えた…

家にいるのに家に帰りたい クォン・ラビン著/チョンオ (イラスト)/桑畑優香 (翻訳)

書店でまず背表紙のタイトルが気になって、 手に取ったら表紙のイラストと妙にマッチしていて、 序盤の数ページを開いたら宇多田ヒカルの詩の世界と似た印象を受けて、 全部読みたくなったので買って帰りました。 家に帰って読みはじめたら後半は西野カナっ…

死んだら永遠に休めます 遠坂八重 著

近頃書店で目にするものに、こういう労働への不満をフックにしたものが多い気がします。みなさん何に、どのように消耗しているのでしょう。 読んでみたら心理ミステリーでした。 読後にまず想起したのは、アガサ・クリスティーの『春にして君と別れ』。 何か…

乙女の教室  美輪明宏 著

頭の中で「美輪さんの本を読むのは何冊目だろう」と書き出そうと思っていたら、なんと本を読むのが初めてでした。ほんと? そんなことってある? 本屋で手に取ったときに「これ、読んでないやつだ」って思って買ったのに。なんで? どうしてすでに何冊も読ん…

確実にお金を増やして、自由な私を生きる! 元外資系金融エリートが語る価値あるお金の増やし方  肉乃小路ニクヨ 著

わたしの周囲で人気のかたです。肉乃小路ニクヨさんて知ってます? と教えてもらったのが数年前。 最初に見た Youtube動画で、有吉佐和子さんの小説に出てくる人物が名前の由来だとお話されていました。(わたしはそこから有吉さんの小説にハマりました) 本…

女二人のニューギニア 有吉佐和子 著

わたしは本を買うときに、帯の絶賛がうるさいな〜と感じてシラケることがあって、新しい本は電子で買って読むことが多いです。ここ数年復刊されている有吉佐和子さんの小説も、読んでみると「そこまでじゃないだろ」というものがあったりするのですが*1、こ…

菜食主義者 ハン・ガン著/きむ ふな(訳)

強烈でした。この読みやすさで、この短かさで、ものすごい。 文章が静かであおってこないのに、倍速で再生するように、走るように読んでしまいました。 地名と食べ物の名前が韓国なだけで、完全に気持ちは日本と変わらない。 家庭内娼婦業の苦しみの場面で従…

新しい恋愛  高瀬隼子 著

ものすごくおもしろかった。 タイトルがいい。「あたらしい恋愛」ではなく「新しい恋愛」。 ひらがなにするのはもう新しくない。 恋愛はホラーだから、歳をとるとわざわざ作られたホラーを見る気がなくなる。飽きてくる。ホラーを乗り越えるのはホルモンの力…

め生える 高瀬隼子 著

少し前に読んだ山内マリコさんの『逃亡するガール』が、深夜ドラマを見るように読めておもしろかったので、同じレーベル*1の本を読みました。 この物語は『世にも奇妙な物語』の特番にありそうな話で、居心地の悪い感情が身近な経験の組み合わせで想像できる…

夜長姫と耳男 坂口安吾 著

すぐに読み終わるのに、濃い物語です。 彫り師たちによる仏像製作コンペの話です。 たったひとつのメッセージのために書かれたかのようであり、 たったひとつの感情を得るために書かれたかのようでもある。 この本は複数名で一緒に読みました。 物語について…

罪と罰 ドストエフスキー著/亀山郁夫(訳)

ものすごい格差社会の話でした。 最下層の人は信仰に救われればいいよね、と、そこに不条理を丸投げする話にも見える。 これから「法」の意義が問われていく、そんな激動の時代の話でした。 そもそも、信仰でギリギリ持ちこたえる人々の状況が過酷です。 冷…

現代スピリチュアリティ文化論 ヨーガ、マインドフルネスからポジティブ心理学まで  伊藤雅之 著

少し前に『現代ヨーガ論』を読みました。 そのあとで同じ著者の2021年の本『現代スピリチュアリティ文化論』を読んでみたら、自分の中でしっくりきていた部分とそうでない部分が見えてきました。 この本ではアメリカやドイツに加えて、イギリスでのスピリチ…

女の子たち風船爆弾をつくる 小林エリカ 著

戦時中にアメリカへ向けて1万発放球されたという秘密兵器「風船爆弾」について知りたくて読みました。 きっかけはお盆に出かけた茨城県大津港への旅行でした。 大津港駅から五浦美術館まで歩く途中に唐突に広場が出現して、近づいてみたらその爆弾の放球基…