うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

地獄変 芥川龍之介 著

これはすごいな…。わたしはニュースを見るとき、いまは基本的に情報を信用しずらくなっているから「これは誰の視点か」「これは誰が得をする伝え方か」「どんな感情を煽る演出になっているか」というのを類推しながら見るのだけど、この小説はものすごくよい…

おとなのきほん 自分の殻を破る方法 松浦弥太郎 著

わたしはこの人のことが好きなんだな、ということに気づく瞬間は、その人の「ぶれ」を見たとき。自分の中でその「ぶれ」をすぐさま肯定的にねじ曲げようとするとき、わたしのなかで発動している火はあきらかに「好き」が火種。この本を読んでそんなことに気…

カルカッタの殺人 アビール・ムカジー著 / 田村義進(翻訳)

歴史ミステリーってこんなにおもしろいの…。というくらい、まるでドラマの「相棒」を見るかのように楽しめる。舞台がコルカタ(旧:カルカッタ)で、出てくる人がイギリス人とアイルランド人とインド人とそのハーフと…。しかも事件の起こる時代はローラット…

世にも奇妙なマラソン大会 高野秀行 著

旅先で起こる理不尽でのっぴきならない事態を、ただの理不尽では終わらせない。旅をおもしろく語る人の魅力って、そこにあるんだよなぁということをありありと感じさせてくれる本でした。メインの中篇「世にも奇妙なマラソン大会」もおもしろかったけれど、…

魔術 芥川龍之介 著

離欲について考えています。この本を読んでしまったからです。インドの教えに触れると毎回この角度から自我のありようを見つめるべく追い込まれますが、それにしてもたいそう楽しい読書時間でした。 この小説のような、こういうのは今では二次創作というのか…

ハッサン・カンの妖術 谷崎潤一郎 著

どこまで事実でどこまで創作なのかわからないのだけど、いずれにしても抱く感想は「あなたもインド人に出会ってちゃぶ台をひっくり返すどころか畳ごと剥がされたような、頭をぐっちゃぐちゃにされる目に遭ったのね! 同士☆ハグ♡」という思い。谷崎潤一郎本人…

人間ガンディー ― 世界を変えた自己変革 エクナット・イーシュワラン著/スタイナー紀美子(翻訳)

おもに後年のガンディーを伝える内容の本です。末尾に年表もついています。写真がたくさん載っていて妻のカストゥルバイ・ガンディーさんも多く掲載されているのですが、想像以上にかわいらしい人で驚きました。これまでは小さな写真でしか見たことがありま…

玄奘三蔵 谷崎潤一郎 著

生きているとこういうことがあるのだから困る。読んでびっくり。内容はなんと玄奘三蔵のガンガー・サイド旅行記。現ウッタル・プラデーシュ州、ウッタラーカンド州で三蔵法師が見たものとは! じゃじゃーん。ヨーギーのクリヤ行法!!! えー。なにその展開。 …

インド・東南アジア紀行 ― エロスの神々を訪ねて 宗谷真爾 著

今年はかねてより気になっていたシャクティ信仰について知りたくて、このジャンルの本を読んでいます。1986年の本(わたしの手元にあるのは文庫版)です。この時代に書かれた日本人によるインド旅行記はおもしろいですね。解説を松村剛さんというかたが書か…

愛と復讐の大地 青山圭秀 著

あまりに壮絶な話で、読んで驚きました。よく生きて帰ってこれたな…と思うほどのインド旅行記で、しかも新婚3ケ月の夫婦の旅行。末尾にこのあとインドへの入国ビザが降りなくなったとあり、わたしの知っているさまざまな「インドでのひどい経験談」の最上級…

近代インド思想の源流 ― ラムモホン・ライの宗教・社会改革 竹内啓二 著

今年の前半に読んだ「インドの顔」でラーム・モーハン・ローイの存在を知り、「ヒンドゥー教 ― インドの聖と俗」という本でその呼び名がベンガル語の発音でラムモホン・ライと綴られることがあると知り、この本にたどり着くことができました。 ラムモホン・…

理性のゆらぎ 青山圭秀 著

20年以上前のベストセラー本です。超エリートなのにチャーミングでハートフルな著者のキャラクターがすばらしく、エリートのほうに寄せてしまえば「知性のゆらぎ」「認識のゆらぎ」になりそうなところが、チャーミングでハートフルゆえに「理性のゆらぎ」と…

拝啓、本が売れません 額賀澪 著

1990年生まれの小説家の人って、こんなふうに自分の立場と出版業界を見ているのかと思いながら読みました。厳密には「拝啓、紙の小説が売れません」という内容で電子書籍や図書館の話が出てこず、紙の本が読み手に届くまでのことに焦点を向けたものでした。…

自分で「始めた」女たち  「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション グレース・ボニー著

自分で「始めた」人の話はおもしろい。観察したり予測したりするだけなく、鉱脈を感じたら掘ってみる人は行動的でおもしろい。こういう人たちの話はまったく同じ流れでなぞることができないからノウハウにならないのだな…と思いながら読みました。この本はわ…

ガンディーに訊け 中島岳志 著

ガンディーは教科書に載るような人物だったので、子どもの頃から名前と顔だけ知っていました。教科書の脳内発音イメージで、いまだに頭の中では「ガンジー」と発音しています。わたしは「植民地」「独立」がよくわからないまま大人になりました。 その後、わ…

夏物語 川上未映子 著

「生理的に無理」という表現を、わたしはおそろしく思ってきた。嫌悪感についてよくそんな最終カードみたいなフレーズを生み出したものだなという、そういうおそろしさ。すべての努力の余地を認めないおそろしさ。でも、感覚としてはわかる。たとえばゴキブ…

僕がコントや演劇のために考えていること 小林賢太郎 著

わたしには何冊か手元においておく本があって、そのなかの一冊です。自分でやっていることを嫌いにならないために強い信念で排除していくべきことについて、わたしはよくひとりで整理し考えます。その実行にあたって勢いをつけたいときに、たまにこの本を開…

アガスティアの葉 青山圭秀 著

日本でサティヤ・サイババが知られるきっかけになったベストセラー本を書いたかたの二作目らしいのですが、それをいったん置いておいて、旅行記としてとてもおもしろいです。前半はアーユルヴェーダ研究者の1994年頃のインド旅行記として読むと勉強になる。…

桃尻語訳 枕草子〈上〉  橋本治 著

ヨーガ・スートラも、この桃尻語訳・枕草子みたいに「さーて、ヨガのこと話すわー(1.1)」「ヨガ、心・動く・コントロールっ!(1.2)」のように訳したらすごくわかりやすいと思うのだけど、そういうのはない。バガヴァッド・ギーターは鎧先生の訳がかなり…

地球星人 村田沙耶香 著

友人が家に置いていってくれた本を、寝苦しい夏の夜にいっき読みしました。これは異常な状況だと思ったときに幽体離脱を試みる主人公の気持ちとその後の人生を追いながら、ひとつ思い出すことがありました。わたしは10代の頃に電車で痴漢に遭ったことがある…

ヒンドゥー教 ― インドの聖と俗 森本達雄 著

今年読んだ「インドの顔(世界の生活歴史)」で知ったラーム・モーハン・ローイについてさらに知りたくなり、この本を読みました。インドの昔の風習に、未亡人となった女性(寡婦)が夫の後を追って火葬時に焼身自殺をする「サティー」というものがあり、ラ…

幸福を知る才能 宇野千代 著

宇野千代さんの本はエッセイから始まってこれまでにたくさん自己啓発書を読むような感覚で読んできたのだけど、「おはん」「色ざんげ」の二冊を読んでからはガラリと見かたが変わりました。この人はまぎれもなく天才小説家。エッセイや生きかたは壮絶すぎる…

彼女は頭が悪いから 姫野カオルコ 著

大学に限らず就職活動でもその後の会社生活でもそうだと思うことが物語のなかに散りばめられていて、この本の内容に憤ったり読むのがつらいと言える人を少しうらやましく思う。あるあると思いながら読んでいる自分が異常なのだろうか。もはや平均がわからな…

神曲 天国篇 ダンテ 著 / 三浦逸雄(翻訳)

あこがれのベアトリーチェといっしょに歩けるようになってしまったことによって、地獄篇・煉獄篇よりもダンテがふわっとしちゃってキレがない。星占いに沿ったすごろくみたいに先へ進んでいく。このふわっと感、見覚えがあるな…。天国篇のダンテは、まるで山…

玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ 木下龍也 岡野大嗣 著

うだるような暑さのなか中途半端にダークサイドへ堕ちるくらいなら、この短歌集に埋もれてしまえばいいと思う。だって、おもしろいんだもの…。リズムも季節感も目に浮かぶ景色も自意識過剰さも固有名詞選びも、まーセンスのある人のやることと言ったら。7月…

The Bhagavad Gita / Ramananda Prasad

日本のアマゾンでは高いのですがアメリカとインドでは買いやすそうなので紹介します。これはわたしがいま書き写しやチャンティングのときに重宝しているバガヴァッド・ギーターで、デリーの「MOTILAL BANARSIDASS」で買ってきました。 「MOTILAL BANARSIDASS…

シッダールタ ヘルマン・ヘッセ著 / 岡田朝雄 訳

わー。ドイツの少年がインド人ぽいこと言ってる~なんて思いながら、その翻訳の違いが気になって結局三冊読んでしまった「デミアン」。同じ作者の「シッダールタ」を読みました。 想像をはるかに超えるおもしろさでした。バラモン教的価値観の中にいた人が大…

インドの顔(生活の世界歴史)  辛島昇・奈良康明 著

この本は1975年に出版されて1991年に文庫化されたので、文中の「現在は」は70年代前半のインドです。インド文化は国際化のためには隠しておきたいことばかり。実情は現代に近づくほどオブラートに包まれていく。昔のインド紀行っておもしろいんですよね…。こ…

仮面の告白 三島由紀夫 著

自分の毒が自分に回ってその毒に酔うとか、どんだけ自我をこじらせてんだよ! と自分で自分にツッコミを入れる心って、こんなふうに書けるんだ…。という驚きの小説。 わたしがインドで猛暑のなか恋愛詐欺に遭いながら考えていたことは、まさにこの小説の主人…

モジュッド 説明できない生を生きた人 OSHO(和尚)スーフィーを語る

安定した仕事や必要とされる仕事を得ては、突然それを捨てることを命じられ、従うことを繰り返す人の話。前半は絵本。後半は絵本の物語の解説。スーフィーの絵本をOSHOが語るという本。 どんな仕事も環境も、いい感じだなという状態がずっと続くわけじゃない…