うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

子どものための哲学対話 永井均 著/内田かずひろ(絵)

新幹線の中で殺人をした人が「一生刑務所に入りたかった。無期懲役になりたい」「刑務所を出たらまた人を殺す」と言っている。こういうことが起こる。起こりうる。それはどうしてと子どもに質問されたとして、どう答えるか。この世界は、この社会の仕組み上…

まんが『ブラック・ジャック』に学ぶ 自分を貫く働き方  手塚治虫

先日中野へ行ったら、ブロードウェイのなかにある明屋書店(はるやしょてん)にわたしの好きな本のシリーズが並んでいて、素敵な棚! と思ったその上にこのプレジデント社の手塚治虫シリーズが並んでいました。 「ブッダ」と「火の鳥」は読んだことがあった…

僕は君たちに武器を配りたい 瀧本哲史 著

約10年前の本。資本主義社会ってこういうことですと教える内容で、いま読むと「第7章 本当はクレイジーなリーダーたち」で語られるカルロス・ゴーン氏の描き方がそのとおりでおもしろい。 「ビジネスモデル」とはふつう、企業が利益を生み出すための商売の…

ダス・ゲマイネ 太宰治 著

君の膵臓を食べたそうな感じでこの物語にタイトルをつけるなら「失恋から立ち直った僕の死にかた」。こんな感じで人々を惹きつけてみたい。そしてそこへ集まった凡人たちに太宰治が説教をする。このままでは何者にもなれないであろう目の前の人たちに 君はま…

東大病院リハビリ科の鍼灸博士が教える 最強のボディメンテナンス 粕谷大智 著

わたしは職場の人へのちょっとしたねぎらいギフトを、「せんねん灸」のアンテナショップで買っています。週末に開催している銀座ヨガクラス会場のすぐ近くにあり、とてもすてきなパッケージのギフトがいろいろあります。そこで買い物をするとサンプルをもら…

あなたの不調がスパッと消える!快腸SPAT  鹿島田忠史 著

アジアの国を旅していると、一週間くらいでおなかをこわします。なりゆきアジア旅行をするようになって初めの頃は、胃腸の問題は緊張によって抑えられていて、帰国してからドカンと発熱するというパターンでした。ここ数年、旅に慣れてきてからは旅行中にお…

ゆったり流れる旅時間 ラオスへ 中嶋友希 著

年始にタイから陸路でラオスに入る旅をしてきました。昨年、刺繍の手仕事を展示していたギャラリーでこの本を買って、出発までの気分を盛り上げました。かわいらしい写真集のような本で、ラオスってなかなかおしゃれな国なんですよというのがよく伝わってき…

或る女 / 平凡な女 / 美しい犬 林芙美子 著

昨年からこの作家の本をお風呂で電子書籍で読んでいます。 「或る女」という短編小説と「平凡な女」というエッセイで見せる著者の言葉が、並べてみるとまったく違う性格で大変興味深かったのでそれぞれ感想を書きます。そのあとで読んだ「美しい犬」という短…

屋久島紀行 林芙美子 著

圧倒的にパワフルな自然環境とそのなかで暮らす人々を見る旅をしたときの、あのぐうの音も出ない感じをプロが書くとこうなるか! という、まあどうにも完璧な紀行文。読み手に全く負担をかけないまま、その映像を脳内にどんどん展開させる。画家みたい。都会…

つんつんブラザーズ The cream of the notes 8  森博嗣 著

毎年12月に出版されるエッセイ。今年も読みました。ニュースを見てひとりで考えたことなど、日々ここに書かないけれども自分の中にある「こういうことだろう」を確認するかのように読む、今回はそんな読み方をしていました。いくつか、これはおもしろいこと…

82年生まれ、キム・ジヨン チョ・ナムジュ著 / 斎藤真理子(翻訳)

わたしはヨガをはじめた頃、インド人のヨガの先生から日本で暮らす女性はとてもしあわせなのだと言われ、その理由のインパクトの大きさですっかり自分の人生への印象が焼き直されてしまった過去があります。いまも半分くらいはその感覚でいます。外で仕事を…

Creativity 創造性 OSHO / 山川紘矢+山川亜希子 訳

これは昨年、同シリーズ「Courage 勇気」の後に読みました。 淡々と説いた説法をテキスト化したシリーズ。テーマは本ごとにざっくり分かれているだけで、いずれも「OSHOはマインドと瞑想についての説明がとてもじょうず」という感想。テキストで読むと少しヘ…

婚期 林芙美子 著

あたりまえにさまざまな色の自我を備えた男女の間で信頼関係が醸成されていく様子を短編で書くって可能なの?! という驚きをまたしてもあっさり超えてきた。「清貧の書」もよかったけれど、これもかなり後をひくおいしさ。26歳でオールドミスと呼ばれ29歳にな…

下町 林芙美子 著

不幸中の幸いのような流れでやさしい人と出会ってしまったときの、あのなんともいえぬ苦しい気持ちには名前がない。寅さん(男はつらいよ)の世界はその感じを匂わせているけれど、あの世界はなんというか、ちっともセクシーじゃない。 この小説は素朴なのに…

春にして君を離れ アガサ・クリスティー著 / 中村妙子(翻訳)

心理サスペンスとはこれかというような物語。でもこれはアガサ・クリスティー作品のなかでロマンス小説に分類され、出版当時は別名義で出されたそうです。アガサ・クリスティーの小説を読んだのはこれが初めてですが、こんなサスペンスがあるのかと驚きなが…

清貧の書 林芙美子 著

自分を卑下しないこと、自虐の言葉で自分自身を傷つけるのをやめましょう。なんて自己啓発本にあるような教えって、ぶっちゃけプレッシャーなのよね。もしかしてそれ自業自得って言ってる? この境遇のわたしにそれ言う? だから近づきたくないのよスピリチ…

風琴と魚の町 林芙美子 著

発育盛りでいつもお腹のすいている女の子とその両親が、海辺の町で商売をして暮らすしばらくのあいだの話。ずっとせつなくて、あたたかい。女の子はよく親からビンタをされている。人前でもされる。でもそこに笑いもあって、眼の奥が痛くなる。お腹いっぱい…

貸家探し 林芙美子 著

人生ってこんな感じよねという一面をよくもまあこんなに小粋に切り取るもんだねまったく、という生活エッセイ風の物語。 責任も仕事もタスクもてんこ盛りキャリア・ウーマンの憂鬱な朝。主人公の女性は町の食堂で居合わせた人がさっと食事をして去っていく様…

映画「ジョーカー」の余韻を引きずったまま「コンビニ人間」を再読した

映画「ジョーカー」を観た感想を以前書きました。そのときはテレビで道化を演じることについて書きました。 映画を観終わってから数日後に、ふとこんなことを思いました。社会心理ドラマとして観るなら「コンビニ人間」のアメリカ版として解釈したらいろんな…

知っていますか? 日本の戦争 久保田貢 著

今年の秋から林芙美子の小説を読み始めました。そこで描かれる戦前・戦中・戦後の時代の人々の会話や情景や心情は、わたしが学校で習ってきた戦争時代のイメージとはまるで違います。ちょうどそんな時期に、天皇交代の式典のニュースで人々が延々と「天皇陛…

Courage 勇気 OSHO / 山川紘矢+山川亜希子 訳

この本は周囲がみんな敵と感じるとか誹謗中傷を受けてメンタルがやられてしまったとか、そういうときに薬になりそう。悪意の言葉やそこからの妄想にはきっとこういう説法が効く。 OSHOの言葉はインパクトのある喩えやそのとき売れている本を事例に使うから胸…

浮雲 林芙美子 著

読んでいる最中も読んだ後も色とりどりの感情がうごめく。この臨場感はなんだろう。「帰りさへすればいゝンだわ」「友達を紹介して行つてくれたンだけどさア」のような、セリフ内の「ン」の使いかたが絶妙で、主人公の「はすっぱ」な性質が逐一如実に描かれ…

痛みもコリも一瞬でとれる筋ツイスト 福冨章 著

この本の表紙はまさにヨガのダウンワード・ドッグのときに意識したい筋肉の流れ。そんな理由で目にとまり、そうそうこれこれ、と思いながら読みました。腕も脚も一本の棒ではなく二本の筒とヒレでできあがっているので、そこを理解して意識するだけでストレ…

(再読)夏物語 川上未映子 著

再読しました。この本は読むといろんなことを誰かと話したくなります。でもだいたいは話せないことばかり。話す相手も慎重に選ばなければいけません。そんなときは自分の思いを整理して書いてみる。今日の内容はこの本を読んでいないとちょっとわからない話…

君に友だちはいらない 瀧本哲史 著

冒頭が映画「七人の侍」の話から始まるからこの表紙なのか! と思いながら読み進める序盤は、いますぐ観たくなる映画レビューのようなおもしろさ。そこから入っていく核心は、むやみにツルんでもいいことないぞという話。若者には「ぼっち」という言葉がある…

「リラ」の女達 林芙美子 著

社会の中で女性が自尊心を保ちながら生きていくエネルギーの土台を揺るがす、リアルな諦念。どすんとくる。 「何にしても、人生つて、くたびれるところなのね」 それでくたびれたなら、逃げてもいいんじゃないか。そう思わせる物語。 この話の舞台は現代でい…

だから日本はズレている 古市憲寿 著

かつての仕事仲間であったヤング(20代の人)が読書SNSに感想を載せているのを見て、どんなことが書いてあるのか気になり読みました。ヤングが ”本当に酷い” と書いていた「心のノート」という道徳教育強化の副読本(小中学校向け)の存在に驚きました。ネッ…

羅生門 芥川龍之介 著

「蜘蛛の糸」を読んで、自分の記憶の薄さに驚いたので羅生門を読んでみました。 こちらは驚くほど10代の頃と記憶が変わらない。ほぼ同じ脳内映像が展開されていたんじゃないかな。羅生門のほうが、その空間のサイズや階段の段数などが具体的に書かれていて、…

哲学の先生と人生の話をしよう 國分功一郎 著

「自分に嘘をつくというのが生きることにおいて一番良くない」「人はひとりで考えていると碌なことになりません」というフレーズが印象に残る本。著者が「観念でしかないものを口に出して物質化しましょう」と書いているのを読んだとき、とてもよい意味で頭…

蜘蛛の糸 芥川龍之介 著

少し前に「魔術」という児童向けの物語を読み、続けて「杜子春」を読み、そこからの「蜘蛛の糸」です。こんな話だったっけ。こんなに短かったっけ。読んでみてびっくりしました。 こういう話への読書感想文を読んで、学校の先生はどうするのだろう。一筆添え…