うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

島守 中勘助 著

最初に背景も状況も説明されている。いわば出オチであるのに、先へ進むごとにその世界へ連れていかれて、あれこの人ってどういう状況の人なんだったっけと冒頭に戻る。主人公は湖のなかの小島の番人のようなことをしている人で、ひとりで島にいる。食べ物な…

斜陽 太宰治 著

映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」があまりにもおもしろくて、この映画の女たちの関係をつなぐ作品「斜陽」を読みました。先に映画を観てから読んだので、あのセリフはこの本からとっていたのか、ということがわかって、ちょっと元ネタ探しのようなおも…

パリの砂漠、東京の蜃気楼 金原ひとみ 著

はじめはハイピッチでどんどん読みたくなったけれど、文章に慣れてきたら落ち着いたペースで読めるようになりました。 落ち着いたペースで読めるようになったのは、情報が負担にならないように書かれているから。わたしは一度ギアが入ったらこのリズムを逃す…

箱男 安部公房 著

満月の日に制御できなくなったエネルギーで書いたような、ホルモンバランスの乱れた、というか溢れた臭気がたっぷり。ラム酒を入れすぎた洋菓子みたいなこういう精神のワイルドさのようなものって、当時の人にウケたんだろうなと思いながら読みました。覗き…

如是我聞 太宰治 著

先日観た映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」の終盤に「如是我聞」を書いている場面があり、気になって読みました。これを読んでしまうと、惚れてしまいます。これは非常にまずい。内容はおおむね志賀直哉への悪口なのだけど、その悪口の根拠として語られ…

ペスト カミュ著/宮崎嶺雄(翻訳)

恐れるべき対象そのものを感じる力がどうにも沸いてこない。変化し続ける状況に疲弊するだけでめいっぱいだよというわたしのような人は、健康のためにこの本を読むとよいでしょう。わたしは実際、この本をちまちま読み進めていた3週間がとても貴重な認識のト…

(再読)あなたは、なぜ、つながれないのか 高石宏輔 著

昨年の秋に「プロカウンセラーの共感の技術」という本を読みながらこの本のことを思い出し、この二冊を連続して読んだらどんなことを感じるだろうと思い、再読しました。はじめて読んだのは2015年で、この本が出た年でした。 その後数年を経て再読したくなっ…

クンダリニー ゴーピ・クリシュナ著 / 中島巌(翻訳)

この本は、練習の予備知識のないまま毎日瞑想をしてクンダリニーが覚醒してしまった人の振り返り自伝です。このように書かれています。 しばしば私は、この驚くべき光る力の働きを唖然として眺めていた。クンダリニーが私の中ですっかり覚醒したことにもはや…

(再読)インドの光 聖ラーマクリシュナの生涯 田中嫺玉 著

7年前にこの本を読んだ時の感想を読み返したら、サブちゃん×ジョージの関係を想起したとありました。あれから時は流れ、再読してみて想起したのはジャニー喜多川さん×タッキーさんであり、恵果さま×空海さまの関係でもありました。なんでそんな感想になるの…

ゆとりらYOGAの本棚にあった本あれこれ

いつかやろうと思っていながら、そのままにしていたことに手をつけられるようになってきました。 昨年参加させていただいた兵庫県西宮のヨガスペース「ゆとりらYOGA」にあった本棚の写真を引っぱり出して、ニヤニヤしながら自分の本棚と照合してみました。 …

「人間の絆」のフィリップの思考を追いながらモームの魅力を確認する

3年前になんとなく変なタイトルが気になって読んだ「夫が多すぎて」がおもしろくて、ここ数年で何冊かサマセット・モームの本を読んできました。モームの本は読後にじーんと、ずっと覚えていたいような気持ちが起こります。女性の気まぐれな身勝手さと男性の…

普遍宗教への階梯 ―― スワミ・ヴィヴェカーナンダ講演集 大野純一(翻訳)

この本は買ってから何年も読み進められずにいたのですが、先日「もどってきたアミ」を読んだ直後に開いたらスルスルと読み進めることができました。こういうことって、たまにあるんですよね…。「普遍宗教への階梯」は講演集で改行が少なく文字がギッシリ詰ま…

目をおおいたい苦しみがかぎりなく書きつけてある放浪記

先日「新版・放浪記」を読み終えての感想第一弾を書きましたが、放浪記の中にはこんな一文があります。 この「放浪記」は、私の表皮にすぎない。私の日記の中には、目をおおいたい苦しみがかぎりなく書きつけてある。 この作家の文章は読みにくいと思う人に…

新版・放浪記 林芙美子 著

新版・放浪記を読みました。以下の第一部~第三部まですべて一冊になったものです。 放浪記(初出):現在の第一部 続・放浪記:現在の第二部 新版・放浪記:検閲でカットされた分。現在の第三部 放浪記は現在の第三部まで読むとよくわかるのですが、第三部…

ラ・ロシュフコー箴言集 二宮フサ(翻訳)

友人が貸してくれました。この本はおもしろいと思う瞬間と、これをおもしろいと思う自分は大丈夫なのだろうかという瞬間が交互にやってきます。 そして最後の最後に、わたしが読みながら思っていたことが解説に書かれていて驚きました。末尾にある「私は中背…

ガンジー自伝 マハトマ・ガンジー著 蝋山芳郎(翻訳)

この本は2018年の夏に読み終えたのですが、あまりにも衝撃的な内容のため、その後ガンジーやインドに関する別の本を読んだりしながらショックを散らしていきました。 当時の幼児婚と妻に対する対応のひどさは、以下の本を読むことでやり場のない火種を抑える…

(再読)すべて真夜中の恋人たち 川上未映子 著

先月、松浦弥太郎さんの「正直」という本を再読したことについて書きましたが、自分の生活を変えるときの感覚をとらえたくて、「すべて真夜中の恋人たち」も再読しました。 この本はタイトルが恋愛小説のようでありながらお仕事小説でもあって、現代社会のな…

目の眩んだ者たちの国家 キム・エラン、パク・ミンギュほか 矢島暁子(翻訳)

わたしにはいくつか、覚えている事件があります。こういうのってどうしてそのままになるのだろう? あんな大きな物が海の中にあるとされていて、なにも見つからないなんてことってあるのだろうか? と不思議でならないマレーシア航空機墜落事故。 そして、別…

もどって来たアミ エンリケ・バリオス著 石原彰二(翻訳)

この本はシリーズもので、第一作目はヨガ仲間のすすめで知って読みました。 二作目「もどってきたアミ」は、ぐっと実生活での葛藤に迫ってくる展開。もう子ども向けじゃなくなってる気がするほどの内容でした。第一作目の時点で、これは宇宙人と子どもの対話…

シッダールタ ヘルマン・ヘッセ著 / 高橋健二 訳

シッダールタは先にほかの訳者のバージョンを2冊読んでおり、この本を最後に読みました。ヘルマン・ヘッセの本はひとつ読むとすべての訳を読みたくなります。この部分にほかの訳者はどの日本語を充てたのだろう…と気になって、結局全部読むことになってしま…

オシャカ(ひさうちみちお 作)をカフェ「犀の角」で読んだ(長野県上田市)

本棚のあるカフェに入ってしまったときは……、ラインナップをチェックしてこれだと思う一冊を探し当て、以後没入。こういうことは、年に一度あればしあわせ。それが今年はすでにありました。 上田市の海野町商店街にあるカフェ「犀の角」で、なーんとなく本棚…

文章読本 三島由紀夫 著

過去に読んだ谷崎潤一郎による「文章読本」と同じタイトルですが、この本は文章の書き手向けではなく、小説を読む人のレベルを上げるために書かれています。 前半は日本語の特性についての分析が多く、説明がうまい…。なかでも、われわれとしては文字の形や…

(再読)正直  松浦弥太郎 著

先週のブログに書きましたが、自分の意識と生活を変えるために転職をしました。その過程ではけっこう凹むこともあって、この本を再読しました。ずっと本棚にあって、ときどき開いてみる本です。この本を当事者意識で読むタイミグは、やっぱり仕事を変えたと…

人間の絆 サマセット・モーム著 中野好夫(訳)

人がやさしくなるために、それぞれの道がある。サマセット・モームはこの小説を40歳の頃に発表している。── ということは、この振り返りを30代の後半ですすめていたわけか。この小説は自伝的小説と言われていて、幼少期から30歳くらいまでのひとりの男性の人…

アミ小さな宇宙人 エンリケ・バリオス著 石原彰二(翻訳)

ヨガを教えてくれる人の勧めで読みました。なるほどあなたはこのような本を読んでいるからそのようにふるまうのかと、その人に向ける信頼の気持ちの理由が紐解けたような読書時間でした。この本は絶版になっているので図書館で借りました。amazonでもすごく…

「春にして君を離れ」のすごさ

インスタ映えのために高い所へ登って落ちる若者がいるという。「春にして君を離れ」の小説の主人公のマインドはそこへ至るプロセスとどこか似ている。その人にはその人の欲がある。母として、子宮の痛みに耐え肉体を家族のためにささげた存在としてプレゼン…

子どものための哲学対話 永井均 著/内田かずひろ(絵)

新幹線の中で殺人をした人が「一生刑務所に入りたかった。無期懲役になりたい」「刑務所を出たらまた人を殺す」と言っている。こういうことが起こる。起こりうる。それはどうしてと子どもに質問されたとして、どう答えるか。この世界は、この社会の仕組み上…

まんが『ブラック・ジャック』に学ぶ 自分を貫く働き方  手塚治虫

先日中野へ行ったら、ブロードウェイのなかにある明屋書店(はるやしょてん)にわたしの好きな本のシリーズが並んでいて、素敵な棚! と思ったその上にこのプレジデント社の手塚治虫シリーズが並んでいました。 「ブッダ」と「火の鳥」は読んだことがあった…

僕は君たちに武器を配りたい 瀧本哲史 著

約10年前の本。資本主義社会ってこういうことですと教える内容で、いま読むと「第7章 本当はクレイジーなリーダーたち」で語られるカルロス・ゴーン氏の描き方がそのとおりでおもしろい。 「ビジネスモデル」とはふつう、企業が利益を生み出すための商売の…

ダス・ゲマイネ 太宰治 著

君の膵臓を食べたそうな感じでこの物語にタイトルをつけるなら「失恋から立ち直った僕の死にかた」。こんな感じで人々を惹きつけてみたい。そしてそこへ集まった凡人たちに太宰治が説教をする。このままでは何者にもなれないであろう目の前の人たちに 君はま…