うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

いなか、の、じけん  夢野久作 著

1927〜1930年に書かれた、地方の事件の物語。ざっくり100年前だけど、その昔っぽさ×田舎っぽさは今でもしっかり懐かしいものとして、まるで子供の頃に見た話のように感じられるものもある。昭和の映画にはこういう雰囲気のものがまだまだあったし、地方移住…

飛ぶ教室 エーリヒ・ケストナー著 池内 紀(翻訳)

ケストナーの本をどれかひとつ手元に置きたいと思い、小さな文庫で出ていたこの本を買いました。前半は社会背景や学校のシステム、登場人物たちの呼ばれかたを理解しながら読むのでそんなにスピードアップしなかったのですが、最後の3章はもう読むのが止めら…

おばさんデイズZ まめ 著

また買ってしまいました。おもしろいのよねぇこれ。今回もお風呂で何度もふきだしてしまい、その自分の笑い声が反響するのがなんとも不思議な感じで、「あ、いま私、笑った・・・」と思うとまたよくわからない感情が湧いてきて、1回笑ったら今日はここまで…

雁 森鴎外 著

人間関係のほんの少しの範囲しか書いていないのに、ここまでときめく話があるだろうか。複雑な感情も描いているのに、それが人間の愚かでかわいらしい範囲を絶対に超えてこない。あくまで人間らしいものとして見守る。雁のほかにも鳥が出てきて、わたしには…

スタンフォードのストレスを力に変える教科書 ケリー・マクゴニガル著/神崎朗子(翻訳)

わたしは「ストレス」という言葉をどういう時に使っていいかわからず、それは「忙しい」という言葉も同じで、それぞれ自分のなかで、ストレス=プレッシャーを感じている、忙しい=期限の決まった案件を強く意識している、というふうに置き換えてなんとか理…

「深い河」をさぐる 遠藤周作(対談集:本木雅弘、青山圭秀、横尾忠則、W・ジョンストンほか)

小説『深い河』を読んで著者の人柄がとても気になり、この本を読みました。視点も文章もまったく年齢を感じさせなくて、戦争の話も出てくるのに、わたしの苦手な懐古主義の香りが皆無。こんな意識で思考できる70歳になりたいと、精神的指標にしたくなる。そ…

女たちのニューヨーク エリザベス・ギルバート著/那波かおり(翻訳)

どんな多様性の話題も、まだどこかでちゃっかりわきまえているフェミニズムも蹴散らす最強で最高の物語。ものすごくおもしろいので本編の筋に触れないまま、今日は読書中の心の体感温度を振り返って感想を書きます。 後半にジョー・ディマジオの名前が出てき…

山椒大夫 森鴎外 著

えげつない話で驚きながら読みました。そしてラスト数行でぐわっと胸を掴む展開は、なにも反則技を使っていないのにずるいと思うほどうまくて、ひどい話なのにこの物語を好きにさせられてしまう。 元ネタの説教節『さんせう太夫』はもっと恨みの応酬らしく、…

高瀬舟 森鴎外 著

その場にいる登場人物は二人だけの短編。森鴎外の小説を読んでみたくなり、読みました。この物語はたまに倫理的葛藤を起こさせる事件があった時に「高瀬舟みたいに〜」と引用されることがあるので、どういう題材を扱った小説なのかまでは知っていました。 読…

センセイの鞄  川上弘美 著

わたしはこれまで、「下心」というものの意味がよくわからずに生きてきました。いまひとつ「努力」との区別がわからない。結果を出したければ知恵を働かせたり工夫をするもの。毎回その境界がいまひとつつかめない。それを「下心」と思うのは、相手の主張を…

大塩平八郎 森鴎外 著

大塩平八郎の乱の密告から最後までを、史実に推測を加えて森鴎外が1914年(大正3年)に発表した文章です。当人と親族や門人、追随した人、そして密告者と追跡者を知ることができる内容で、最後に著者自身がこの文章をまとめた意図を述べています。 慣れるま…

深い河 ディープ・リバー 遠藤周作 著

信じる対象を持っていると、信じる対象を求めているけれど認めたくない人を加虐的な気持ちにさせてしまう。信じる対象を持つ人の矛盾を引っ張り出して可視化して、その偽善性を示したいという気持ちを刺激してしまう。「いじめられるほうにも原因がある」と…

母影(おもかげ) 尾崎世界観 著

自分にはどうやら物質的な欲が少ないみたいだ、ということに気づくには時間がかかります。欲しいかどうかはさておき、いつか欲しくなった時のために得られるようにしておくに越したことはないと考える人が多いのでね。ましてや子どもとなれば、物質的な欲と…

少女地獄/瓶詰地獄  夢野久作 著

少し前に「きのこ会議」という短編を読み、衝撃を受けて地獄と名のつくものを読んでみました。 少女地獄 少女地獄というタイトルは一つの物語ではなく共通するテーマのようなもので、中篇小説が3つ収められています。 そのどれもが面白く、少女に振り回され…

セラピスト 最相葉月 著

戦後のカウンセリング史と日本人同士のコミュニケーション特性、そしてここ30年くらいの心の病の流行と社会定義の変化まで振り返ることのできる、内容の濃いドキュメンタリーでした。 なかでも言葉と思考の関係性について話されている部分が興味深く、あとが…

MY STYLING BOOK(日比理子 著)でメラミンスポンジを知り、靴ピカピカ☆

なんとなく立ち読みしていたら欲しくなり、買って家に置いてある日比理子さんの「MY STYLING BOOK 」を衣替えのときに開いて、そうだっ!これこれと思って靴のラバー磨きをしました。 MY STYLING BOOK ~いつもの服でおしゃれな雰囲気のつくり方!~ 作者:日比 …

キッチン 吉本ばなな 著

リアルタイムで読んだ記憶はしっかりあるのだけど、とはいえそれは30年以上前。再読といっても再読じゃないくらい、初めての感覚で読みました。 本には『キッチン』『満月 ━ キッチン2』と、『ムーンライト・シャドウ』という短編が収録されていて、『ムー…

食べて、祈って、恋をして〔新版・ハヤカワ文庫〕エリザベス・ギルバート著/那波かおり(翻訳)

冒頭の「十年目のまえがき」に心を掴まれて読みました。この物語の存在は10年以上前に、映画の予告映像で知っていました。そして反射的に避けていました。わたしはこの映画がヒットした2010年の少し前にインドでヨガの練習にハマったので、乱されたくないと…

きのこ会議 / お菓子の大舞踏会  夢野久作 著

なんとなく怖そうで手を出せなかった夢野久作の作品を初めて読みました。どちらも短編。ふたつ合わせて10分くらいで読み終える長さなのですが、想像以上にかわいくて驚きました。 きのこ会議 出だしは思いっきりかわゆく子供向けなのに、途中から展開がおか…

ペルソナ 脳に潜む闇  中野信子 著

強い言葉を使う鋭い部分をあえて削らずにそのまま出版したのかな。かねてより我慢してきたことが書かれた自伝エッセイのような本でした。そしてそこから「たとえ科学で証明ができたとしても、人間はブレて、迷い続ける」「勉強したいと思った時が適齢期」と…

口下手で人見知りですが、誰とでもうちとける方法、ありますか?  高石宏輔 著

日常の中にある緊張とそれがもたらす人間関係やコミュニケーションのズレについて、身体が柔らかくなれば心も柔らかくなるという視点で書かれた本でした。これまで二度読んだ『あなたは、なぜ、つながれないのか』では人間の心理に文字数が多く割かれていま…

インド染織の旅 安藤武子 著

70年代、80年代のインドの様子がわかるインド旅行記。古本屋でたまたま目にし、載っている写真のなつかしい雰囲気に惹かれて買いました。今はもう多くの場所が近代化されているのだろうけど、いつか行ってみたいと思う場所がたくさんありました。染織物を訪…

小津映画 粋な日本語  中村明 著

小津映画を何度も観てきた日本語学者さんによる、昭和のコミュニケーション解析。昨年末から中毒のように小津映画にハマってやっと一段落し、この本を何度も開きました。初回はまだ頭の中にセリフのトーンが残っていたので、脳内で音声が再生され、二度目以…

ちいさいおうち バージニア・リー・バートン著&イラスト  石井桃子(翻訳)

友人宅で読みました。ずっと手元に置いているそうで、おすすめされて読みました。環境って、自分の肉体の外にあるけれど、ボディの一部なんだよな……、環境が変わることは自分の外にあることではない。「おうち」の単位について考えました。ヨガでは、身体を…

点子ちゃんとアントン エーリヒ・ケストナー作 池田香代子 (翻訳)

大人も子供も登場人物それぞれに人格の凸凹があって、すれ違ったりぶつかったりしてコミカルなんだけど、その中間に格差社会という大きな現実が横たわっていて教訓めいている。まるで人間関係のマニュアルのようにも見えて、点子ちゃんが失敗もするけれど大…

マハラジャの葬列 アビール・ムカジー著 / 田村義進(翻訳)

ゴールデン・ウィーク中にどっぷり読みふけっていました。シリーズ第一作目で即ファンになった作家の推理小説です。 事件はガンディーやタゴールが活躍した時代のインド・カルカッタが舞台で、この物語の設定は1920年6月。今回は序盤からサンバルプル王宮に…

(再読)本当の旅(「静かに、ねえ、静かに」収録) 本谷有希子 著

アジア旅行中に旅先で知り合った友人が、この物語を読んで悶絶した気持ちをブログにアップしていました。あまりに苦しそうだったので痛み分けの気分でわたしも再読しました。友人は "恥ずかしい" と何度も思ったようで、わたしはその感想を読みながら、目の…

プロフェッショナルヨーガ  マーク・カン著 大田直子(翻訳)

マーク・カン先生によるヨーガ指南書。昨年この先生の存在を知るきっかけがあって、ミーハーな気持ちで本を買いました。 とても充実した内容で読み応えのある本でした。訳もすばらしくて。 パンデミック以降はヨガクラスを開催するにしても、フォーカスポイ…

パアテル・セルギウス レオ・トルストイ著  森林太郎 (翻訳)

毎年同じことを言っているようにも思いますが、今年もよい本との玉突き事故的出会いに恵まれ、青空文庫にあったこの物語を読みました。翻訳は森鴎外。先に書いておくと、同じトルストイの『光あるうち光の中を歩め』や、ヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』…

ヨーガ・ヴァーシシュタ ー至高の真我ー スワミ・ヴェンカテーシャーナンダ(英訳) 福間巌(和訳)

ずっと読んでみたかったお話の日本語版が出版されているのを発見し、毎日一話ずつ読んでいます。日本語版が出ることを知らなかったので、いつか自分でちまちま辞書を引きながら読まなければ、ずっとその教えに触れることはできないだろうと思っていました。…