うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

佐野洋子対談集 人生のきほん 西原理恵子、リリー・フランキー


100万回生きたねこ」「おじさんのかさ」の佐野洋子さんって、こんな考えをお持ちの人だったの?!
びっくりおもしろ発言が飛び出す飛び出す。以下すべて佐野さんコメント部分より。

発情して恋愛してるときは、「愛してる、愛してる」って思ってるけど、あれは発情してるだけなんだよね。それで、普通ならできないようなことがやれるじゃない? あれは神が与えた錯乱期なのね。
(101ページ「男」より)


私さ、アダムとイブの昔から、男の人ってとってもいい人だと思うのね。女は子どもを産んだら、まぎれもなく自分の子ってわかるよね。でも父って自分で産むわけじゃないから、「この子は自分の子であろう」と信じるだけで、世の中を形成してきたんだよね。もし女がそっち側なら、絶対に信じないと思うよ(笑)。
(116ページ「子ども」より)

後者のコメントは、わたしが以前インドで聞いたジョークに通じるおもしろさ。



そんな佐野さんのインド感がリアル。

中国人はまだタイム・イズ・マネーが通じるんですよ。でもインド人は時間の観念がない。二十四時間、自分は働かないで、働いている人をじっと見張って、「働けー、働けー」とつぶやいてるんですよ(笑)。
インド人と大ゲンカをしたときも、絶対に向こうは引かないで、別れるときに「こうなってしまったのも、あなたと私の前世が悪かっただけで、あなたはこのことを悔しいと思ってはいけませんよ」と笑いながら帰られちゃって。本当に悔しかったー!(笑)
(167ページ「生きるということ」より)

いやほんと中国のかたは話しやすいし、やりやすいよ(笑)。



ベルリン造形大学留学に関する話もおもしろくて

部屋を出ようと思ったら、ドイツ人は、「私は三十枚描くと決めたから、まだ描く」と言うのよ。見たって、もうやる気も何もないという描き方をしているわけ。「あなた、もうやめたほうがいいよ」と言っても、規則に従うことのほうが大事な人たちなのよ。いやだなと思ったわね。
(150ページ「世界」より)



(ベルリンが嫌いでイタリアに行った話のあと)
それで私、どうしてドイツ人には哲学者が多いのか、わかったよ。あれはさ、あんまり生きてることが楽しくないから、「生きるとは?」と考えちゃうんだと思うの。
(214ページ「武蔵美、そして仕事」より)

行って過ごした人の話でこんなにも「そうなのか!」と鵜呑みにしそうになった勢いは初めて(笑)。


絵を描く人たちの話はおもしろい。