うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道  高野秀行 著

先日読んだ「世にも奇妙なマラソン大会」の心理描写がとてもおもしろくて、さっそくもう一冊読みました。インド旅行の話です。特定の魚を見つける目的を達成するための渡印で、学習する言語も準備もとびきり独特。その魚がいるという海のある地域で話される…

足フェチの人から耳の疲れについて教わった

移動の多い日々を過ごしていました。九州まで行っていました。帰京後にマッサージを受けたいと思い、フット・マッサージのお店に入ってみました。そうしたらそこにいたのは、専門家と言えば専門家だけどその話し方はフェティッシュとしか言いようがないとい…

すごいインド ― なぜグローバル人材が輩出するのか ― サンジーヴ・スィンハ著

インドは国土が日本の8倍くらいある大きな国。とてもひとことでは語れない。この本は「すごいインド」というタイトルをつけるだけあって、だんだんモディ首相万歳みたいな内容になっていくのですが、序盤はここ数十年で都市化するところはめきめき都市化して…

広島駅の東側でノスタルジックが止まらない(広島市)

先週は広島にいました。いまも路面電車が走っていて街もゆったりした広島駅の東側を歩いてみたら、味わい深い建物がたくさんありました。 マンホールは坊や。 わたしは昔の病院のブロックガラスが好きです。 猿の惑星と桃太郎がまざったようなこれは、どうい…

むらさきのスカートの女 今村夏子 著

存在感がうすく仕事もできないが妄想力は逞しく行動力もある。この行動力の源はどこにあるのだろう。こんな人には会ったことはない。そのくらい、よくよく読むとありそうでありえない話ではあるのだけど、その行動力の源が気になってしょうがない。 人の行動…

シッダルタ ヘルマン・ヘッセ著 手塚富雄(翻訳)

同じ作品が訳によってこんなに違って感じられるのかというくらい、先に読んだ草思社文庫の「シッダールタ」とはまた別の性格を感じる主人公でした。ひとことでいうと、こっちのシッダルタのほうが 「やなやつ」です。これまで意識高い系という言葉はいまひと…

ドロップイン仕様の「DuckDuckGo」を使い始めた

しばらく前からスマホでのウェブ検索に「DuckDuckGo」という検索エンジンを使うようになりました。 アヒルのゆるキャラっぽいマークが目印で、なんとなく引越センターにアクセスするような気分になるアイコンです。 「DuckDuckGo」は検索履歴を保持しないの…

射幸心を刺激しないという自制

ヨガのなかにある教えについてここに何かを書くときや対面で話すときに、いつも気をつけていることがあります。それは「射幸心を刺激しない ←(でも)→ わくわくする」のグラデーションの見極めです。よくある広告表現規制の定番に、こんなフレーズがありま…

杜子春(とししゅん) 芥川龍之介 著

たとえば「疑心暗鬼」のようなダークとされる心のはたらきを止めることは可能かということと、感情を持たずに生きていくことは可能かという問いがイコールではないことは、もちろんそれはそうなのだけど、そうなのだろうけど・・・、そこについてひとりで突…

連れていきたい場所があれば、引っ込み思案な人でもリーダーシップはとれる

今年の夏に、学生時代からの友人がヨガクラスに参加してくれました。彼女はわたしとの練習のあと、自分が普段ヨガの練習に行く場で気に入っている別の先生を思い浮かべていたようで、その人とわたしのクラスの共通点を話しながら探っているようでした。「そ…

地獄変 芥川龍之介 著

これはすごいな…。わたしはニュースを見るとき、いまは基本的に情報を信用しずらくなっているから「これは誰の視点か」「これは誰が得をする伝え方か」「どんな感情を煽る演出になっているか」というのを類推しながら見るのだけど、この小説はものすごくよい…

おとなのきほん 自分の殻を破る方法 松浦弥太郎 著

わたしはこの人のことが好きなんだな、ということに気づく瞬間は、その人の「ぶれ」を見たとき。自分の中でその「ぶれ」をすぐさま肯定的にねじ曲げようとするとき、わたしのなかで発動している火はあきらかに「好き」が火種。この本を読んでそんなことに気…

カルカッタの殺人 アビール・ムカジー著 / 田村義進(翻訳)

歴史ミステリーってこんなにおもしろいの…。というくらい、まるでドラマの「相棒」を見るかのように楽しめる。舞台がコルカタ(旧:カルカッタ)で、出てくる人がイギリス人とアイルランド人とインド人とそのハーフと…。しかも事件の起こる時代はローラット…

うちこの五十肩日記

この現象にうっすら気づいたのは今年の6月。デビューしたの! お待たせしました! 「おまっとさんでした!」ってフレーズを、そろそろわたしも使っていいかしら。 40代なら四十肩というのかもしれないけれど、五十肩と書いているのはラジオCMで生島さんがそ…

親しみのふしぎ

先日、一年ぶりに東京で読書会を開催したら初対面のかたが二名おいでになり、実物のわたしを想像よりもマイルドと感じられたようで、そのことを話してくださいました。 文章ではカタいイメージだったけれど会ってみたら違ったというようなことは以前から言わ…

世にも奇妙なマラソン大会 高野秀行 著

旅先で起こる理不尽でのっぴきならない事態を、ただの理不尽では終わらせない。旅をおもしろく語る人の魅力って、そこにあるんだよなぁということをありありと感じさせてくれる本でした。メインの中篇「世にも奇妙なマラソン大会」もおもしろかったけれど、…

そういう音を出せる唇・舌・喉のある楽器になろうとすること

読み書きとともに「発音」にフォーカスするようになってから、なかなかその確認練習へ行けていなかったのですが、ゴールデン・ウィークにインドで練習をして以後、マントラやシュローカを唱えています。いつもだいたい15種類前後、すべて1回ずつ唱えるのでも…

自分の価値観てなんだろうと思ったときに、たとえばこんな10冊

やるからにはこんな結果が出なければみじめだと漠然と思いながら二の足を踏む。結果の善悪は社会環境や時代とともに変わっていくもの。だから基準は自分できめる。そうしたほうがいいと頭ではわかってるつもり。そして、そうこうしているうちに日々は過ぎて…

断罪的になる心の性向を「みぎわ化」と呼んでアンガー・マネジメントをしている

少し前に「今日もほんとうのことが話せてしあわせ」というのを書きましたが、あれはヨガの先生バージョン。今日は日常バージョンです。わたしが友人と話した近ごろのトピックの結論に、こんなのがありました。 花沢さんはセーフ。みぎわさんはアウト。 だか…

魔術 芥川龍之介 著

離欲について考えています。この本を読んでしまったからです。インドの教えに触れると毎回この角度から自我のありようを見つめるべく追い込まれますが、それにしてもたいそう楽しい読書時間でした。 この小説のような、こういうのは今では二次創作というのか…