うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

正直 松浦弥太郎 著

いつも仕事の世界の海を素手で泳いでいたり、オールを手にボートを漕いでいるような感じのする人がすきで、わたしはメンタル面でそういう人をお手本にしているところがある。 わたしにとってそういう存在のひとりだった松浦弥太郎さんがクックパッドという巨…

ヨガの練習をコンテンツとして消費するかのような市場向けのサービスが、少し前まであった

今日書くことは、昨年書いた「ヨガ教室やヨガ・ワークショップを探せるポータルサイト」の終盤で触れた話題のその後のことです。 当時リストした3サービスはすべてなくなったのですが、グリー株式会社の子会社が運営していた「レスパス」が3月末に終了し、5…

エル ELLE(映画)

わたしの友人に、塾で講師として長く働いていたために「親からぶつけられる、隠しているつもりだけどどうにも隠しきれない怒り」に対する耐性だけが異様に開発されてしまっている人がいる。 「できないのは、おまえのせいだ」と心の中で言われることに慣れて…

自殺について 他四篇 ショウペンハウエル 著 / 斎藤信治(翻訳)

本の題名になっている「自殺について」よりも、他の四篇がいい。すごくいい。 死に惹かれる感情を持ったことがある人で、「惹かれる」ということそのものについて掘り下げたことのある人は、どのくらいいるだろう。 ショウペンハウエルは、こんなふうに分解…

はじめてのタイ古式マッサージ(墨田区・菊川駅「パンサー」)

10年くらい前にどこかで一度受けたことがあるのだけど、覚えていないタイ古式マッサージ。 タイで長く旅行をしていたことのある友人といっしょに行ってきました。わたしはタイへ行ったことがありません(空港で乗り換えたことがあるだけ)。 行ってみて受け…

ピンヒールははかない 佐久間裕美子 著

エッセイを読んで泣いたのは、ひさしぶりだった。やられた。 わたしはちょっと腰が重い感じになると、なんとなくSATCぽい闘魂を注入したくなって、「海外セレブ名言集」みたいな本を買って読んだりする。 この本もそんな流れで、お盆明けにドッコイショなモ…

ハッシュタグをSEO感覚で使うかポエム感覚で使うかの話

先日、わたしよりもうんと若いのに古い小説をたくさん読んでいる友人が、食事中におもしろい質問を投げかけてくれました。 わたしの部屋へ来ては「砂の女」や「音楽」などを置いていってくれる人で、いつもすてきな本を教えてくださる。 なのに、こういうこ…

鉛筆とヨガマットと鉛筆削りとヴィンヤーサ

今日の写真はわたしの2つのヨガマット。むき出しのJadeは朝の自宅練習用。布のケースに入れているヨガワークスは、持ち運び用。外でどこかのクラスに参加するときはヨガワークスの軽いマットを使用しています。 部屋の隅にマットを取りに行くとき、そしてま…

夫が多すぎて モーム 著 / 海保眞夫(翻訳)

タイトルでなんとなく手にとって読んだ、はじめてのサマセット・モーム。なにこのタイトル! と思ったら、中身もおもしろかった…。コメディの戯曲です。 このタイトルはアメリカ公演時のタイトルで、イギリスではまじめに「故国と美女」、日本では「私の夫は…

チベット密教 ツルティム・ケサン、正木晃 著

サキャパンディタの「サキャ格言集」を読んでチベット密教の幅を感じ、この本を読んでみました。 読んでみたら、ふたつの視点で気になるところがありました。 サキャパンディタの思想やスタンス チベット密教世界のタントリックなヨーガとインドのヨーガの関…

あなたに読んでもらえて、わたしはうれしい。という気持ち

伊豆で活動する友人のところへ行ってきました。さゆりさんという人です。 まえに繕い物のワークショップへ行ったときに主催者のナオさんがわたしのことを知ってくれていて、そのときに「さゆりさんのブログを読んで、いつか生うちこに会えないものかと思って…

翻訳ソフトみたいな回答になってしまう相談

近ごろ、道で再会したのをきっかけに、過去のクライアントさんと会っている。以来、話しかけてもらえるのはうれしいのだれど、毎度の語調の共通事項として気になっていることがある。 AI化だとか仕事がなくなるだとか生き残りとか、そういう論調のメディアに…

真の独立への道 ― ヒンド・スワラージ M.K. ガーンディー 著 / 田中敏雄 (翻訳)

読者と編集長の対話形式ですが、どちらも書いているのはガンジー。この質疑応答が、グイグイ鋭い。自問自答が鋭い。 このテキストは40歳のときにイギリスからの帰路の船の中で、船会社の便箋に母語グジャラーティー語で書かれたものだそう。それが追々、自身…

石廊崎(いろうざき・静岡県伊豆半島)

なんとなくじわじわと「崖」を見たくなり、石郎崎というところへ行ってきました。 「なんとなく船越栄一郎」「なんとなく片平なぎさ」そんな情景を求めたのは「砂の女」を読んで「砂の器」にイメージが連鎖したため。日本海!と思ったけれど、よく考えたら伊…

私憤と義憤のあいだでケシカラニズムを制御する

日々暮らしていると、会話の中からさまざまな私憤と義憤をブレンドした言葉が耳に入ってきます。 わたしは数年前にこういう思いについて考えたことがあって、そのときに「避けたい思考の言葉リスト」というのをつくりました。いま読んでもまったく思いが変わ…

読書について 他二篇 ショウペンハウエル(著)/ 斎藤 忍随(翻訳)

「思索」「著作と文体」「読書について」の三篇が収められています。 全般、ショウペンハウエル先生はご立腹であらせられる…というトーンで、異様な勢い。ドイツ語がわかる人にはおもしろいのだろうな。 一冊全体が「書くことと人間論」みたいな感じで、文体…

言語化することすらできていなかったし、いつもできるとは限らないけれど

先日、拘束的な状況のなかでがんばっているヨガ仲間が、久しぶりに練習にきてくれました。 話せるときと話せないとき、いや今はそんなことは忘れていたいのだと思うとき。暮らしにはいろいろなモードがあるから、わたしは人を迎える場のありかたはいつもトー…

「名」と「恥」の文化 森三樹三郎 著

儒教は「名教」といわれることもあるそうで、中国人の、そしてその教えを道徳教育のなかで引継いできた日本人の中にある「名」への意識について考えてみるきっかけになる本です。 日本人には、基本的に輪廻思想は染みついていない人が多いんじゃないかな。ヨ…

人は自由に虚像をふくらませる

もう最近はなくなってきたことですが、わたしは7年前くらいまで、「実は50代半ばくらいの男性なのではないか」と思われていたことが何度かありました。いま62歳くらい。おっほん。 別の人と間違えられていたり会ったことのない人の弟子と言われていたり、そ…

太ももをほぐすと、凍らせていた記憶が解けたような夢を見る

先日ある友人が、わたしが以前書いた「太ももの裏の話」を思い出すようなことがあったと話してくれた。太ももをほぐした日に、おかしな夢を見たらしい。 そしてわたしもこの夏、久しぶりにアーユルヴェーダのオイルマッサージを受けた翌日に「でたー」という…

音楽 三島由紀夫 著

友人が家に遊びに来たときに置いていってくれた本。20代の頃に何冊か読んでいるはずなのに、まったく記憶できていない三島由紀夫作品。 蛇口をひねれば水が出てくることを当たり前とする感覚でジャーッと、ざーっと生きていた当時のわたしには、なにも読めて…

ヒナタノオト(東京・日本橋小舟町)

わたしにとって東京はやはり観光地でもあって、毎週のように銀座へ通っていても、ひと駅ふた駅離れたら知らない道ばかり。 ヨガの帰りに外国人のたくさんいるほうへ…、なんて足をのばしては、築地や京橋のほうへ行ってみたりしています。 今日は帰りに人形町…

元気はもらったりあげたりするのではなく、感染するのかも

3年前に、以下のことを書いていました。わたしは当時、ほんとうに「元気をもらいました」の意味がぴんときていませんでした。 【誤】元気をもらいました 【正】元気が出ました 上記のように考えること自体はいまも変わらないのですが、でも「感染する」とい…

1ウィーク セルフケアブック 自分の身体は自分で治す 山本華子 著

著者の華子さんから本をいただきました。読んでみたらば、これはすでにスポーツ・インストラクターをしている人にもおすすめしたくなる内容。 そのまま感想を伝えたところ、「自分自身が、インストラクターとしてネタ帳みたいなのが欲しいと思ったことがあっ…

尾道本通り商店街を歩いた(広島県尾道市)

ただ歩いたというだけで思い出に残る商店街。わたしは東京でも商店街を見ると歩いてみたくなるのですが、ここも期待を裏切らない昭和っぷり。 夕方から日没までぶらぶらしたのですが、目に入るものがいちいち沁みる。 もうこういうとこに来ちゃうと、東京に…

千光寺(広島県尾道市)

尾道ではちんたら街歩きができればいいかな、と思っていたのですが、なんとなく階段を上がっているうちに西展望台に着いたので、そのまま千光寺へ向かってみました。 真言宗のお寺なので、空海さんの修行スタンディング像に会えます。 お寺は、展望台から降…