2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧
たいへん現代的な英訳で読める「Hatha Yoga Pradipika」です(以下H.P.)。Swami Vishnuswaroop さんというかたの訳。電子のみですが、まったくありがたい時代です。 わたしはヨーガの古典はなるべく日本語と英文の両方で読むようにしています。日本語は中国…
聖書や神学、シェイクピアなどの古典や歴史を引き合いに出しながら裏切りのバリエーションを見せていく本。 イタリアの学者さんの本なのでエンタメ的なおもしろさはないけど、西洋人の考えかたに意識を合わせていくときにこういう本を読んでおくと話しやすい…
先日皇居へ出かけて、5.5キロ半を45分かけてゆっくり走ってきました。 わたしは4月に体調を崩してから走っておらず、今回はジョグ仲間の誘いでもっさり出てきました。もっと身体が鉛のように重いと思っていたら、そうでもなくてひと安心。夏のような陽気で汗…
先日「あこがれ」という小説についての感想を書きましたが、近ごろ「あこがれ」の比重を保つことの大切さをあらためて思うニュースをいくつか見たので、このキーワードから少し考えを巡らせてみました。 「あこがれ」という小説には主人公が二人いて、小学生…
読むのを止められない、通勤時間も仕事の昼休みがあっという間に過ぎてしまう。そんなこんなで昨日買って今日読み終えてしまいました。 未来設定の小説だけど、この際ディテールなどどうでもよいと思うほど主人公の若い男女のさまざまな「こわい」という感情…
対談本です。あっという間に読んでしまいました。 茂木健一郎さんが河合隼雄さんの話を雑談から引き出すのがうまくて、立場が逆転したようなおもしろさです。 河合隼雄さんはこの本のなかで、長官職が忙しくてもちょっとした時間に臨床を続けている理由を以…
わたしは社会人になってからあまり小説を読んでおらず、ここ2年くらいでまた読むようになって、最近は感情そのものについて考えるようになりました。 本を教えてくれる人や貸してくれる人と話していると、自分はあまり熱狂できていないかも…と感じます。「作…
小学校のクラス内覇権闘争を観察しながらマキャベリの「君主論」学ぶという本。 クラスのエピソードのあとに、ふくろう先生&たろうくん&はなこちゃんの三者の会話で解説が進みます。 この小学校という設定がなにげにきつい。以下を読むとわかると思うので…
もうすっかりハマってしまい、ペンネームどおりの「綿に矢」みたいな感じがクセになっています。 この本はタイトルになっている「ウォーク・イン・クローゼット」と、もうひとつ「いなか、の、すとーかー」という2つの物語が収められていて、「いなか〜」の…
先日湯島で行われていたヨガイベントに行った際、湯島と上野が歩いていける距離だったので東京国立博物館まで行ってきました。 湯島から上野までのルートはめちゃくちゃ昭和で、タイムスリップしたような気分。東南アジアに来たような感じもする。そんな東南…
はぁ。これまたため息がでるほどすてきな小説でした。 印象深いシーンもセリフもたくさんあるなか、全体として共感するのが「あこがれ」であったりする。 同級生の男の子と女の子が主人公なのだけど、女の子の特殊技能を見て「これはすごい!」となる感情に…
共通の知人について聞いてくる人を見ていて思ったこと。 べつに事故にあったとか入院したとかでもないのに、 「あいつ、大丈夫かな。連絡取ってる?」 知人について、別の知人がこのように軽い挨拶がてら、聞いてくる。(この場合は聞いてきた人も噂の対象も…
もうかなり前の話になりますが、「虞美人草」の読書会でのこと。 まえに同じ議題で展開した「正論だけど…。急に主語を拡大されると、なんだかヒいちゃう」とは少し違う方向への思い。久しぶりに振り返ってみました。 考えるきっかけは、この小説の「宗近」と…
なんというおもしろさだろう。天才か。比喩の応酬でここまでわんこそば気分になったのははじめて。 わたしは蕎麦アレルギーだから蕎麦を食べたことがないけど、きっとわんこそばってこんな感じなのでしょう。 この主人公の妄想スピードとそれを文章で拾い上…
すごくライトなエッセイだったけど、明治時代以降にできた法が家庭に立ち入らないものだから、有利なのは男性であり親であるという話が出てくる序盤からいきなり引き込まれました。 わたしは「話せばわかる」というのは、形式としての意義はあっても中身自体…
先日対話型の講座でお会いした人が、あとでちょっとおもしろいコメントをくれました。 死ぬまでにどれくらい頭ん中をアンインストールできるか、そういう気分になりました。 こんなふうに、自分が講座にこめた思いが他の人のフィルタを通した言葉で返ってく…
わたしはこの言葉を心底湧き出るような感情と紐づけて使ったことがありません。 不毛 辞書には 1:土地がやせていて作物や草木が育たないこと。また、そのさま。「―な(の)地」 2:なんの進歩も成果も得られないこと。また、そのさま。 とあり、わたしは2の…
すばらしく読みやすい、おすすめのギーター訳を見つけました。 出版が2013年なのでわりと最近です。日本語選びにほどよく抑制がきいているうえ、カッコ書きに入れるワードの選定、またときにカッコ書きをいれずにサンスクリット語のカナ書きで終わらせる選択…
インターネットのコミュニティ・サービスの変遷や、「いい状態」をキープすることのむずかしさなどが、さまざまなライターさんの立場・視点で語られています。 なかでも、 「第4章 サル学から考える人間のコミュニティの未来」山極寿一 著 が、すごくおもし…
前半は「めずらしい書き方だな」なんて思っていたのだけど、終盤でいっきに回収されていき、読みすすめずにいられなくなる。 なんでこの喩えが出てきちゃうのか自分でも世代を感じずにいられないのだけど、後半からは主人公がウォーと叫ぶドラマ「もう誰も愛…
前に読んだ「なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか?」が良かったので読んでみたのですが、こっちはかなり演歌っぽかった。 なにかを選ぶときに「ごめん、もうストーリー追えない」と思うほど、最近は語り系の売り込みをよく見る。買い物をするにも文字を…
最近現代インドブームで、2000年代の本を読みたい気分です。 これはなんとなく読み始めたのですが、出だしから松岡修造と松岡修造がダブルス組んできた、くらいの勢いがあります。ものすっごいアゲアゲ。 わたしはインド人のしたたかさ(成功は隠せ、とか)…
著者が句読点の打ち方とメンタルのくずれの関係性に言及している人だと知り、気になって読みました。 読んでみたら期待通りの指摘が満載で、わたしが日々モヤモヤする案件が次々に成仏して行きました。ありがたい。 文章のリズム全体へのツッコミで、叶姉妹…
あっという間に進んでいくし、普通だったらクライマックスになるようなシーンは中間で、そのあとがすごい。 この映画、ものすごい人気ですね。公開から1ヶ月経っているのに満席でした。これは観たら黙っていられない、そんな映画です。 雑巾を隅々までギュー…
わたしはダンススタジオでヨガクラスをやっているのですが、周囲のアクティブな力に押され、たまに息抜きっぽいワークアウトを入れています。平日の夜は複合スタジオなのですが、受付のお兄ちゃんは DA PUMP みたいだしYoutubeの「踊ってみた」に出てきそう…
先日10人くらいでテーブルを囲んで話をする場で、「ふだん自分の意見を話す機会がほとんどない。話すスキルがないのではないかと、ここ一年くらいで思い始めた」という人がいました。でもその話しぶりはすごくじょうずで、なんでそんなことを思うのだろうと…
2年前にアメリカで制作されたパラマハンサ・ヨガナンダの伝記映画。原代は「AWAKE 〜THE LIFE OF YOGANAND〜」で、約90分。テレビの特集を見るような感じで気軽に見ることができます。 有名人のコメントやインタビューなどの切り張りばかりかと思いきや意外…
先日、東京である人たちの体験談を聞く機会がありました。 2年ぶりに遠くから来てくれた人たちが、「東京に早く着くので、うちこヨガの前にどこかでほかにも体験とかできないかと思って探して、午前に "○○○○○○"ってとこに行ってきました」とおっしゃる。○○の…
角川インターネット講座というシリーズ本の中の一冊。 監修の川上量生さんのほか、小野ほりでいさんと荻上チキさんの文章も入っている、たいへん豪華に感じる構成。 ずっと言語化できなかったことがありありと書かれており、なんともいえないデトックス感が…
東京でバガヴァッド・ギーター読書会を再スタートした時のこと。いつものノートを一冊持参していたので、流れで「写ギーター」の話をしたら印象深かったそうなので、ここでもテキスト化します。 写ギーターというのは写経のようにギーターを書き写すことで、…