うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

身体の倦怠感に引き込まれすぎないように目標設定をする、40歳からの生活

「ヨーガはこころと身体は別々ではないと考えるもの」これは、インドでの授業のノートを開くと、最初のページにメモしてあるフレーズ。これを日常レベルでどう捉えるか。いま感じていることを書きます。 30代前半までは身体エネルギーが豊富で、社会生活でメ…

もう消費すら快楽じゃない彼女へ 田口ランディ 著

行ってみた観光地の駅が思いのほかショボくて、そこへ行く前は着いたらあれこれ食べるものに迷う予定でいたけれど、少ない選択肢の中で決めて入った喫茶店のナポリタン、すごくおいしかったな… と印象に残る。このエッセイを読んでいる最中の感じが、そうい…

信じることと、疑うことと なだいなだ 著

1985年のエッセイ集です。このかたのエッセイはどれも昔書かれたものなのに、今読んでもあたらしい。古くないのではなく、あたらしい。 どのエッセイも "気づく人は気づくけれど、気づかないままいければ、それはそれで死ぬまで気づかないならばしあわせ。で…

夏目漱石(なつめそうせき・SOSEKI NATSUME)

今年の春に読んた「道草」を最後に夏目漱石の長編・中編をすべて読んでしまったので、ここに本棚的リンク集としてまとめておきます。 わたしは30代半ばまで夏目漱石の小説を読んだことがなく、そもそも小説がほとんど読めませんでした。(江戸川乱歩と星新一…

尾骨を出すときに使うベルトのこと

わたしはダウンワード・ドッグをしている人の背骨を伸ばすのにベルトを使います。背中を伸ばす以外の使い方もインドで習ってきたのですが、わたしは手さばきが遅いため自分でベルトを作ったりの試行錯誤をしています。インドにいるときに親方から「(手さば…

瘋癲老人日記 谷崎潤一郎 著

きつい。きついけれど、読んでおくことでかなり現実社会で役立つ。このお爺さん、まさか本気でそんなこと要求してこないよね…、ということをじゃんじゃんしてくる。77歳でも年齢は関係ない。「発芽する人はする・顕現するものはする」という言い方をわたしは…

あなたはおかしい。わたしもおかしい。の世界

なぜ読んでしまうのだろう。谷崎潤一郎の小説にはまっています。 どの小説もある種の「前提」をとっぱらって進んでいくので、今の時代では発売できなかっただろうなと思うものもあるのだけど、ふしぎと精神が癒やされるのです。 あなたは大丈夫な人 ⇔ わたし…

う〜ん、密教。

今日のタイトルは、わたしの大好きな催しの場へ初参加の人をお誘いしたときの、帰り道での感想。 う〜ん、密教。 多くの人に開かれた状態で公開する前提になっていないものに接した時の感想として、これ以上の簡潔さはないと思いました。 多くの人に開かれた…

逆さに吊るされた男 田口ランディ 著

なにかに寄り掛かりたいと思うような状況が断続的に重なったりして、そんなときにまるで引き寄せかのように感じられる文脈で共同幻想を提示されたら、誰だって入信する可能性はあるよね。わたしはあらゆるカルトに対してこのようなスタンスでいます。この小…

脱・成長神話 武田晴人 著

成長神話というのはどういう経緯で成り立っていたのか、ということを知るのにとてもよい本でした。 わたしは団塊ジュニアといわれる世代ですが、自分の親世代の人たちが家庭を持とうと思ったり家を買おうと思ったり車を何台も持とうと思ったり海外旅行へ行こ…

春琴抄 谷崎潤一郎 著

あこがれという感情の最も濃いダシを最高の素材とあわせて調理しました、とでもいうような物語。 文章に句読点のないまま暴走するあこがれの世界に連れて行かれる勢いに抗えない。クセになるわぁこれ。でもそんなことは、あまり人まえでは言わないほうがよい…

うだつの町並みを歩いてきました(徳島県美馬市脇町)

うだつというのは、住居の機能というのかな、建築様式の一部の特徴のことです。うだつは漢字で「卯建」。 隣の家から火が燃え広がってくるのを防いだり、風をよけたりするために家の二階の両サイドに、まるで一蘭というラーメン屋の横のついたてのようなもの…

脇町劇場オデオン座と、藍商人の家「藍商佐直 吉田家住宅」(徳島県美馬市)

徳島県美馬市へ行ってきました。駅でいうと穴吹駅。 吉野川周辺地域はかつて藍の生産で栄え、いまでもその商家の町並み(うだつの町並み)を観ることができる場所。 その町並みの手前に「オデオン座」という劇場があります。お芝居の劇場で、入館料を払って…

穴吹駅からふれあい橋を渡り、吉野川を越えて脇町へ(徳島県美馬市)

徳島駅から汽車に乗って約1時間。穴吹駅まで行ってきました。吉野川を上流に向かって移動しました。 目的地は有名な「うだつの町並み」だったのですが、そこへ向かう穴吹駅からの道中の景色があまりにも美しく、「ジブリか!」と何度も脳内でつぶやきました…

マットを広げるときにワクワクする前提の人と会うこと

ヨガをしている人の動きに見える要素が個々に違っていたり、変化し続けるのを見るのはまるで自分のことのよう。ワクワク・ドキドキ・シリアス・ニヤニヤ。それぞれの意識にグラデーションがあって、もちろん表面上はみんなふつう。 わたしはマットを広げると…

1ミリの後悔もない、はずがない 一木けい 著

なんだこのすさまじいレベッカ感は! 帯には「椎名林檎さん絶賛!!」とあるのだけど、わたしの感覚ではレベッカ。この小説は、椎名林檎世代の友人が貸してくれました。 読後の感覚が完全に思春期に返るもので、いまの自分が置き去りにされる感じがすごく不思…

次の時代を、先に生きる。 まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ 高坂勝 著

わたしの周辺に、地方でたくましい暮らしを始めた人が何人かいることを書いたことがありますが、この本を読みながらその人たちのことを思い出しました。そのうちのひとりはクラウド・ファンディングによるギフトエコノミーの実践にかかわり始めていて、わた…

ラーマーヤナ ― インド古典物語(上・下)河田清史 著

ラーマーヤナに登場するハヌマーンは孫悟空のモデルといわれたりしていますが、なんのなんの。この物語のフォーマットそのものに西遊記があふれています。 「悪=悪」の一辺倒ではない物語の構成、悪者の葬式でこんなに泣かせる話があるものかという展開。た…

かつては、網が目で見えそうなネットワーク感があった。運河が海になってからのこと

3月に、とてもうれしいことがありました。 学生時代の友人から「携帯を替える予定で、いま連絡に使っているメールアドレスが使えなくなる。わたしの連絡先はこのアドレスになるから、これからもよろしく」という主旨のメールが届きました。 メールアドレスの…

眉山登山。天神社・ラジオ体操の人の裏道から歩いて登った(徳島市)

阿波踊り会館横の天神社で参拝もしたし、さぁて宿に戻ってどこか喫茶店でモーニングでも…と思っていたのですが、最後にもう一回ラジオ体操の人をジロジロ見ておこうと思って見て、その右奥をのぞいてみたらば道がある。 なんとなく上がってみたら…。そこは眉…

眉山天神社・姫宮神社(徳島県徳島市)

徳島では、朝起きてすぐに前夜に見て気になっていた神社へ行きました。阿波踊り会館のすぐ左にある、眉山天神社です。 泊まったホテルの近くの仏壇屋さんにもでーんとお写真があったりしたのですが、瀬戸内寂聴さんは徳島市出身なのですね。この神社にも寂聴…

山、川、昭和。三拍子そろった魅惑の徳島駅散策

24時間だけ徳島で過ごしてきました。こういう旅は、弾丸というのでしょうか。 そんなわたしの計画以上に徳島駅周辺は弾丸仕様。駅を出て正面にそびえる山へ向かうまでに美しい川とこってりした昭和の街が展開されるという夢の構成。 徳島へは新神戸駅から高…

アーユルヴェーディックな読書

会うといろいろな人にたくさん本を読んでいると言われるのですが、冬はお風呂の湯船の中でKindeを開いているので読書時間が増えます。夏は減ります。 「いろいろな本を読んでいる」とも言われます。これは、そうだろうと思います。時間によって分けていて、1…

途上 谷崎潤一郎 著

この作家の小説はどれも少し「人の死なない江戸川乱歩」みたいな感じがするのだけど、この物語はミステリーだった。 犯人が詰められていく会話が、ふしぎと嫌じゃない。好きなもの・コトのために無理な論理の展開を重ねていくという思考は誰にでもあるもの、…

とにかくうちに帰ります 津村記久子 著

序盤に複数の短編が並ぶ「職場の作法」がいい。友人が読んでいるときにこれがおもしろいのだというので追っかけで読みました。この本の話をしたのは「泥のようなつぶやきと、泥団子のような愚痴」のことがあった日。その友人から教えてもらった本です。 「こ…

意識のリボン 綿矢りさ 著

短編集を読みました。なんだか、このかたはペンネームの業を過剰に背負いすぎのような気がするなぁと思いながら読みました。 「綿」よりも「矢りさ」がもっと読みたい! 「こたつのUFO」というSFコントを読んで、しみじみそう思いました。もうここまでおもし…

恐怖 谷崎潤一郎 著

これはいまでいうパニック障害か、と思っていたら多くの人がそのようなことをネット上でも書いている。 小説の中で鉄道病と書かれるそれは、何人かの友人から聞いた経験ととてもよく似ている。それにしても、うまい…。文章が。うまいわ。そらそうか。文豪だ…

百年泥 石井遊佳 著

これ、これなのよ…。インドのみなさんのすごいところは…。という、たいへん伝えることが困難な風習や考え方のあれこれをとてもわかりやすく「授業の風景」で読ませてくださる。もはやこれは教材。教材として紹介したい。ヨーガやインド思想を学んでいるみな…