うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

トカトントン 太宰治 著

あああああああ、こういうことって、あるーーー! と、うなる作品でした。 男なのに、女文体。終戦の頃の日本のムードが伝わってくる。 タイトルの由来は 「ミリタリズムの幻影を剥ぎとって」 「脳髄の金的を射貫いてしまったもの」 の正体。 その後この男は…

本を読んでいる間、わたしは恋をしています

先日もヨガのクラスの前に質問を受けたのですが、読書についてよくあるQ&Aを書いてしまいます。 最近は「普段どれくらいヨガの練習をしてるのですか?」という質問よりもこっちのほうが多い。 一日でどのくらい読むのですか? ⇒新書は一日で読んでしまうもの…

愛欲の精神史1 性愛のインド 山折哲雄 著(【1】性愛と狂躁のインド)

「おっと、そこ、そんなに掘り下げますか」という異色のコンテンツのオンパレード。 ヒンドゥー教の四住期説と仏教の四諦説を並べて、最終目標を「遁世」とするか「道」とするかの差異をと捉えていく過程などは読んでいてすごくおもしろかったし、パーニニさ…

浅草ROX DOME(バッティングセンター)

とある夏の日。元同僚の徳さんがゆるく遊ぼうと声をかけてくれたので、彼女のホームグラウンドである浅草へ。わたしにとっては観光地。 「うちこさん、あそこにいい感じのバッティングセンターがあるのよ!」と。徳さんは熱狂的な日ハムファン。わたしはドア…

藪の中 芥川龍之介 著

「彼岸過迄」の構成がおもしろかったと読書仲間に話したら、お弟子さんのこの本を教えてくれました。読んだらすごかった。グルを超えている。 短編ミステリーであっという間に読み終わるのだけど、必ずや二度読むことになる。とんでもない作品ですねこりゃ。…

自分でつくるセーフティネット 生存戦略としてのIT入門 佐々木俊尚 著

とても大乗的なIT論だなぁと思って読んでいたら、最後に親鸞が出てきた(笑)。 まえにわたしが関西の夏目漱石読書会で「一生の友達なんて、いませんからね」と言ったら、それがツボに入りすぎてしまった人が何人かいらっしゃったのですが、この本に書かれて…

夏の終わりに悶々とするクイズ

急に涼しくなりました。毎日油断すると増えていた小バエちゃんたちがいなくなりました。寝苦しい夜のお供にこのクイズをとっておいたのですが、寝苦しくなくなっちゃった! 今日はクイズですよぉ。解答は数日後に書きます。 以下の文章が誰によって(どんな…

わたしのアプローチがドライな理由

わたしのヨガクラスは「そのドライさがウケる〜。ふざけてる〜」と言われたりするのですが、「もっと達人(シッダ)や特別なものが見える魔法使いみたいな話をして欲しいのに、うちこさんはそういう話をしたがらない」と、そんなふうに思う人もいるようなの…

前進欲のはなし

ジョギングは今もしているけれど、回数として半分くらいはダンベルを持ったウォーキングに変えています。 理由は左の大腿骨がギクシャクするとか右足親指の爪が浮いてくるとか、身体のパーツの数だけいろいろあるのですが、メンタル面ではこれです。 走るこ…

彼岸過迄 夏目漱石 著

作品が始まる前に自ら「この小説はこういう試みで〜」という執筆背景説明をし、小説の最後にも総括がある。 読んでみたらなるほど。登場人物は引き継ぐのに主語ががらりとかわるおもしろい構成。前半は珍しくワクワクする探偵小説のような流れもあります。読…

花巻のまち

2日連続で北上と花巻を往復しました。 花巻には、期待を裏切らないものがたくさんありました。 名古屋の久屋大通なんて、あまいあまい。 「ぢ」の告知を建物本体にオンする長谷川薬品。本気だね! こいこい通り。みどり、かえで、美咲、すずらん。業態まった…

イギリス海岸(花巻・岩手県)

日本に居ながらイギリス海岸。命名は宮沢賢治さん。 小説のタイトルにもなっている。花巻駅から2キロらしいですが、もう少しあるように感じました。 本来ならば渇水期にいくのがよい場所。干上がって泥岩層が出てくるとイギリス・ドーバー海峡の白亜の海岸の…

盛岡駅から北上リバーサイドを歩く

目的は花巻観光だったのですが、雨がひどいので時間つぶしに盛岡まで電車に乗りました。乗っているだけでもよかったのですが、だんだん晴れてきたので駅を出て散歩をしました。 台風の真っ只中で、空を動く雲の動きがとにかく速く、歩いている間に空模様もグ…

新花巻駅と釜石線、東北本線

気分転換に東北へ出かけてきました。とくに目的のない旅です。目的なしに行くと、だいたい電車に乗って終わります。計画するのがおっくうでねぇ。 わたしの東北知識はひどいもので、こんな顛末でありました。 「北上」というのは「盛岡」よりも北にあると思…

ふくらはぎカルマ論(下部編)

今日はふくらはぎについて書きます。わたしはふくらはぎをよく揉みます。ほうっておくと強くなってしまう自我をほぐすために、揉みます。 ふくらはぎは登りの運動や足で漕ぐ動き、下から振り上げる動きをすると一時的に硬くなりますが、それは今日のカルマ論…

ここは退屈迎えに来て 山内マリコ 著

なおりかけた、乾きかけたかさぶたをベリベリ剥がされる痛痒さでイッキ読みしてしまいました。血が出るまで掻いちゃった感じ。 この小説に出てくる人物の言葉を借りてひとことで言うと「こういうのってこたえる。」という読了感。 わたしは東京でも匿名度が…

男同士の戦争の踏み台でしかない女。そして実は明るい女(夏目漱石「こころ」読書会での演習より)

タイトルは夏目漱石の「こころ」に登場する女性・静さんのことを指しています。 「こころ」の読書会は東京で2回・神戸で1回行いましたが、女性たちは東も西も、ここを見逃していなかった。 「そもそも先生は、Kがお嬢さんを好きにならなければ、火が点かなか…

聞き書き抄 解説ヨーガ・スートラ 第九講(日本ヨーガ禅道友会)

第八講以降は心理学的な側面からいくつかトピックを抜き出して語られていて、第九項では智や煩悩に関するワードを掘り下げる内容になっています。神との関係の間にあるのが「愛」か「智」かといったような説明で、比較にキリスト教がよく引き合いに出されて…

女生徒 太宰治 著

意外とヨギックな発言が多いのも読みどころだったりしますが、あえてこの作品を大胆にひとことでまとめてみましょう。 ひとり発言小町! アップダウンの激しい女性の日常心理をスキャンしテキスト化したような内容。 蒲団を持ち上げるとき、よいしょ、と掛声…

黄金風景 太宰治 著

昔いじめた女中が、しあわせになって訪ねてくる話。とにかくラストの二行がいい。 特に刺激的な表現や印象に残るセリフもなく、淡々と主人公の心理に密着していく。 悪い妄想が連鎖していく描写はとてもリアル。幼かった頃の自分の残酷さを恥じる気持ちにグ…

素直に生きる100の講義 森博嗣 著

もっとゆっくり読もうと思っているのに、いつもすぐ読んでしまう。【常識にとらわれない100の講義】も【「思考」を育てる100の講義】も【つぶやきのクリーム】も【つぼやきのテリーヌ】よく読み返しているので、これもきっとまた何度も読み返す。 この本の内…

必ず結果が出るブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える "俺メディア" の極意

だいぶ前に気になっていた本を、職場の人が貸してくれました。読んで、わたしは本当に適当にやっているなぁと反省し、少し真面目に設定などし直しました。 「はてブ」「いいね!」ボタンの上にドーンと表示されていたバナーが出ないようにしました。わたしは…

喉のナチュロパシー。はちみつ大根とマッサージ

口封じ中にあれこれやったなかで、これはよかったと思うのが、「はちみつ大根」と「マッサージ」。 はちみつ大根はクックパッドにレシピがあります。簡単です。 大根を1センチ角に記って、はちみつをかけると 3時間後にはかなり汁が染み出して 半日でこんな…

口封じの刑を終えて

7月に2度発熱して夏風邪をとんでもない方向にこじらせてしまい、先週の月曜から木曜まで無言の日々を過ごしました。 自己観察ベースですが、結論から言うとこれは炎症ではなく喉の筒の奥のほうの毒を出すためのプロセスであったようです。もともと風邪のファ…

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。 本田哲也・田端信太郎 著

事例が最新なので、コラムっぽく読めます。 広告業界の人の洗練されたプレゼンを書籍化したような内容なので、地方の賢人が「とりあえずソーシャルでうんぬん……〜」という上司に困っているときに、「これ読みましたぁ?」なんて言いながら "いま" 手渡すのに…

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 ジェーン・スー 著

まえに「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」の感想を書いたら、「買っちゃった〜」という声がたくさん届き、わたしの周囲で大人気のスーさん。 そんなスーさんの2冊目。「私たちが〜」よりも1トピックの文章量が増え、深いところま…

Jade Yoga(ジェイドヨガ) のヨガマット ハーモニープロフェッショナル

先週新月イベントをしたのですが、その会場(燕スタジオ)でレンタルできる「Jade Yoga(ジェイドヨガ)」のマットがたいへん好評でした。「自分のはツルツル滑るんだけど、あそこでレンタルしたのはよかった。やっぱりいいものは違うね」とか「あれ使い心地…

検品モード?! ボディは語る。癖に教えてもらおう

かねてより「1ポーズを1時間かけて徹底的に説明したい」という思いがあり、関西でやってきました。ニュー・ボディもいっぱい来てくれて、うれし楽しかったです。 1日目は「癖=治すべき」ではなく、「癖が出る=いざというとき、身体はそこを頼りにしている…

怪談 ラフカディオ・ハーン 著 / 繁尾久(翻訳)

たまには季節に合った本を紹介しましょう。ふたつのきっかけがあって、読みました。 有名な「耳なし芳一」「雪女」などが収録されている、いろんな出版社から出ている短編集です。わたしが買ったのは集英社文庫で、装丁のイラストが大変気に入りました。中身…