まえに「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」の感想を書いたら、「買っちゃった〜」という声がたくさん届き、わたしの周囲で大人気のスーさん。
そんなスーさんの2冊目。「私たちが〜」よりも1トピックの文章量が増え、深いところまでズブズブッと踏み込んだ内容が増えています。「うちこさんには、どれが刺さるやら〜」と先に読んだ友人から言われていたのですが、たぶん彼女が予測していたものとはぜんぜん違うセレクトになっていると思う。
出たばかりの本なので詳述はしません。わたしのベスト5とそのポイントを発表しておきます。
- 【Best1】そんなにびっくりしなさんな
「びっくりの脱法使用」という指摘にうなります。このブログを読んでいる人なら、かならずや共感する指摘でしょう。
▼ここ、名言!
「びっくり」の裏側に傷ついたり怒ったりを隠すと、結局そのつらい気持ちは解消されずに、澱(おり)として沈むのではないかと思うのです。(95ページ)
わたしもまえに「悪口の受け止めかた」という思いを書いたことがあるのですが、スーさんも「びっくり」について同様の指摘をされています。
- 【Best2】今月の牡牛座を穿った目で見るならば
世の中の仕組みと心の仕組みをよく観察されている方ならではのコメントが満載です。
▼ここ、涼しい!
あ、スピリチュアルはスゴイんだぜ。人から頼りにされたい人には、払えるっちゃ払える金額で、短期間のレッスンで素人にヒーラーのディプロマを授けたりもするのだから。(174ページ)
ヨガも同じ構造だぉ。
- 【Best3】Nissen愛してる
ウェブ通販のユーザビリティにまで深く言及しつつ、ブランドのありかたの光と影をあぶり出す名作。そうそう、「絆と支配」は「おすぎとピーコ」なのよね。ときにバラけるけどふたつでひとつでもあるの。夏目漱石が「嫉妬は愛の半面」と書いたアレです。
▼ここ、重要!
一見して伝わる力が強ければ強いほど、ブランドから購入者へのアイデンティティの支配が生れると思います。(191ページ)
わたしも思いっきりキロバイト異教徒なのでよくわかる! 普通にしていても、文面から「怒っている」と思われることがたまにある。いまだに面倒と思っています。一度トライしてみましたが、やはりわたしは改宗できません。
▼よくぞ言ってくれた!
可愛い絵文字の使用、それは可愛いものが好きな自らを受容するだけでなく、相手にも承諾なしに「可愛いものが好きな私」の受容を期待する行為です。(56ページ)
- 【Best5】とあるゲームの攻略法
たいへん共感するところ満載の仕事論。「最も問題なのは、自分が良いゲーマーだと信じて疑わない、ゲーム音痴のゲーマー。」という部分は痛快でしたが、最も共感するのはそのあとにある「なにをやるかより、誰とやるかを重視する時期があっても良いと思います。」という一文。30代という最も全方位的に感度の高い時期は、わたしもここに要点をおくことをおすすめしたい。主体的にやれる人と若いときに仕事を通じて知り合っておくと、ブランクが10年あってもいきなり時空を超えてまた話せるから。でね、そういう人って、40代になる頃にはやっぱりそれなりにどこかの世界でちゃんとしていたりする。まあ戦闘能力が高いということなのだが。
▼文脈上、この場のスタンスを表明することは重要
「そんなに頑張れない!」という働く女には、そんなに頑張らなくてもいいんだよ、と既に誰かが言ってくれていると思うので、そちらの意見を参考にしてください。(243ページ)
前後の文脈の読めない人が増えている現代のなかで、届くべき人に向けて非常に巧みな表現をされていると思います。すべてに共感するわけではないけれど、トピックごとにスタンスが表明されているので「おっと。そっちからすると、なるほど、そうね」となる。
これは、食わず嫌いすると損ですぜ。今回は男性にこそおすすめな内容が多いです。(きっぱり)