うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ピンヒールははかない 佐久間裕美子 著


エッセイを読んで泣いたのは、ひさしぶりだった。やられた。
わたしはちょっと腰が重い感じになると、なんとなくSATCぽい闘魂を注入したくなって、「海外セレブ名言集」みたいな本を買って読んだりする。
この本もそんな流れで、お盆明けにドッコイショなモード半分で読みはじめた。が、これがどうにも、読み始めたら止まらない。



 あなたは、わたしか



年に一冊、こういう本に出会えたらしあわせ。
今年は少し前に読んだ「真の独立への道」でじゅうぶん鼓舞されたつもりだったのだけど、もし年間読書幸福度に天井があるとしたら、もうダメですキャパオーバーです泥酔ですよ歌っていいですか、ええ全力のモノマネでいきますよもちろん。となるくらい、久しぶりに社会と自分の間にある精神的瓦礫がいっきに崩れた。
そうだ。わたしは元来、もっとオープンにもなれる人間なのに。
いまわたし、いつの自分を抱きしめたのだろう。そんな一瞬が、ふわっ、ふわっと襲ってくる。



 ところであなたは、わたしなのですか?



いくつもの章を読み進めながら、そこに登場する人たちはまったく違う人生の選択をした人たちなのに、わたしがいる。
ずっとこのままの勢いで最後まで連れていかれる。すごいエッセイだよこれ…。こういうの、エッセイっていうの? いくつものノンフィクション・エピソード。
アルコール依存症をこじらせてこの世を去ってしまった人のことを「もっと良い友達でいてあげることもできた」と思ってしまうところなどは、ジャーランダラ・バンダが限界までしぼられたよほんとに…。
今日はあえてどこも引用紹介しない。紹介したら、わたしの心のなかが丸裸になってしまうから。


▼紙の本

ピンヒールははかない
佐久間 裕美子
幻冬舎 (2017-06-22)


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