著者の華子さんから本をいただきました。読んでみたらば、これはすでにスポーツ・インストラクターをしている人にもおすすめしたくなる内容。
そのまま感想を伝えたところ、「自分自身が、インストラクターとしてネタ帳みたいなのが欲しいと思ったことがあったから」とのこと。過去の自分のように今がんばっている人のことを考えて書かれているのがすごくよくわかる、ヨガ&フィットネス業界で20年以上やってきた知見がギュゥウウと詰まった一冊です。
体力のあった20代の頃に突っ走って、これじゃ体力が続かんと思っていたら不調が出てきて、ちょっと立ち回りかたを変えなければいけなくなった。そんな過程から開発された20年のあれこれの工夫が、おもろいイラストとともに紹介されています。このイラストが、おもろいの。ほんとに!
表紙の、昔の壇ふみさん風の女性が、驚くほどおもしろい姿を中で見せてくれます。なんというか、イラストのなかの小ネタがいちいちツボに入ります。
「そうそう。自分がヨボヨボでダメな奴だと自己嫌悪に陥るときって、こんな感じだよ…」という例がリアルなのもイイ。そして、そこに添えられた「あるある」が、ほんとうに「あるある」なのです。このように。
(一例)
- デスク仕事で首が前に出ている自覚はある(肩こり)
- 靴下の跡がなかなか消えない(むくみ)
- パソコンを打つ姿勢が「あしたのジョー」(姿勢が悪い)←これはイラストもヤバい
わたしもヨガ講師をするけれど、デスクに向かう仕事中には「まぢか!」と思う姿勢になっているもの。ときには電車の中でグニャリとなることもある。「そういうのって、自分でわかるんじゃないの?」って言われたら、わかります。そりゃ、わかりますよ。考えればね。でも考えるのも面倒になるほど疲れているときもある。
なので知っている人がこうしてまとめたものを読めるというのは、ちょっとおもしろい体験。「へー。なるほど。こういうとき、こういうの食べてるんだ」とか、「あー、こういうときにそこのツボ、押してんだ…」とか。レシピも材料や調味料が少なくて、わたしにもできそうなのがいい。
そして自分にはない不調も、こう書かれると「そうなのか…」とわかる。
(以下いずれも「不眠・眠りが浅い」の、"あるある" の一例)
- 部屋が羊でいっぱいになるほど数えても眠れない
- 眠らなきゃと思っている夢を見る
わたしは朝、たまに夢を見ても「起きたくない」と思っている自分を「わかってるなら目を開けろ」と中の人が現実世界に送り出す感じで、「寝なきゃ」よりも「起きなきゃ」が多いです。なので「眠らなきゃと思っている夢を見る」なんてことがあるのか…、と。
あまり動物性のものを食べないわたしに、食事をしながらなにげなく華子さんがアドバイスをくれたことがあるのですが、そのときにお話されていたことも書いてありました。
血液量が多いと考えも前向きになる。動物性鉄分や動物性たんぱく質を摂ることで血液量を増やす。
(疲労感・倦怠感 の「セルフケア法とポイント」より)
ついついエビと貝に偏りがちなので、血になるものを意識しなくちゃな…。
女性に多い体の不調と対処法をまとめた本ですが、いま30代〜40代の人で、ヨガ講師をはじめたけれども自分が提供できる話題に不安がある、なんて人にもおすすめ。「ヨガケア」のパートはわたしが平日の夜にやっているハタヨガのメニューとも身体アプローチの意図が近くて、ウンウンとうなずきながら読みました。
油断するとグッタリしそうな女性を水際でそっと励ます、とても頼りになる本です。
▼紙の本
▼Kindle版