インド思想
今年読んだ「インドの顔(世界の生活歴史)」で知ったラーム・モーハン・ローイについてさらに知りたくなり、この本を読みました。インドの昔の風習に、未亡人となった女性(寡婦)が夫の後を追って火葬時に焼身自殺をする「サティー」というものがあり、ラ…
日本のアマゾンでは高いのですがアメリカとインドでは買いやすそうなので紹介します。これはわたしがいま書き写しやチャンティングのときに重宝しているバガヴァッド・ギーターで、デリーの「MOTILAL BANARSIDASS」で買ってきました。 「MOTILAL BANARSIDASS…
ヨガニードラーで唱える短い文章(サンカルパ)について。 サンカルパを立てることは、自己と向き合うとても正直な時間です。あまりにもまっすぐすぎて、恥ずかしくて照れくさい、そういう時間です。だからついつい、他人の頭を借りたくなる。それらしいなに…
この本は1975年に出版されて1991年に文庫化されたので、文中の「現在は」は70年代前半のインドです。インド文化は国際化のためには隠しておきたいことばかり。実情は現代に近づくほどオブラートに包まれていく。昔のインド紀行っておもしろいんですよね…。こ…
少し前に国際ロマンス詐欺師に遭った話をまとめましたが、このRさんとの会話を振り返って元ネタ探しをするのが、ヨーガの復習勉強になっています。 ▼このかたね… ハタ・ヨーガの教典は現代の感覚で読むとトンデモ感がすごく、腰を据えて一字一句分解し、さま…
7年前から英語版でトライしていたのですがなかなか読み終わらないので、インド旅行中に日本語版を持ち歩いて読みました。今回のインド旅行はなんと2週間でこの一冊しか本を読めませんでした。暑くていつも頭から湯気が出ている感じで…。そんなこんなで、毎日…
今年の春分の日は満月でした。そして年度末。今年は年号も変わります。特に自分の人生に大きな変化やイベントのない人でも、この時期は自身の中にざわめきを感じる人が多いだろうなと思い、今年はこの日のために考えたメニューでヨガクラスを開催しました。…
人にはいろいろな心の状態がありますが、自分の中でそれを示す言葉のバリエーションが少ないことを知らぬまま年齢を重ねてあれよあれよと数十年。わたしは30代の後半からサンスクリット語の単語にたくさん触れるようになり、こんなふうに "穏やかでない" と…
シヴァ信仰のヨーガの教典です。論文というほうが近いかもしれません。日本語訳が出ていないので、自分で日本語化しながら読みました。 どれがこの本のタイトルか、今回は件名に迷いましたが「Siddhasiddhantapaddhatih」というテキスト(Natha philosophy …
たとえば「無邪気にやってしまった」ことが相手にとっては迷惑で、相手にとがめられたとします。一瞬「よかれと思って…」と心の中でつぶやいてみるものの、それでも反省のためにいま一度自分の行為の構成を分解してみる。そこで見えた「無邪気さ」や「よかれ…
先日、美容室にあったHuluで「モンキー・マジック 孫悟空誕生」という映画を半分くらい観たのですが、孫悟空が桃を食べるシーンで「そうそう、これこれ」と思う挙動がありました。わたしが子どもの頃にテレビで観ていた西遊記では、猪八戒も同じような食べ方…
ラーマーヤナに登場するハヌマーンは孫悟空のモデルといわれたりしていますが、なんのなんの。この物語のフォーマットそのものに西遊記があふれています。 「悪=悪」の一辺倒ではない物語の構成、悪者の葬式でこんなに泣かせる話があるものかという展開。た…
職場にあった行動マーケティングの本を読んでいたら、説明に「朝三暮四」という諺(ことわざ)が出てきて、はじめてその諺を知りました。由来は、以下のことだそう。 中国、宋の狙公(そこう)が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つや…
今月のはじめは新潟県で過ごしていました。 新潟県内で行動していると、なんとなく駅やお店で聞こえてくる会話のなかにご当地フレーズがあって、いろいろ拾う中に、すごいのがありました。 のめしこき これ、ネイティブならわかるフレーズかと思うのですが、…
ここで三点倒立のことをよく書いていますが、わたしはヨガのクラスにアームバランスや倒立を積極的に取り入れています。 理由はいくつもあるのですが、そのひとつとして「自分がパニックになるときの性質のヒントを得やすい」というのがあります。 他人に言…
これはわたしが何年もヨガニードラをガイドするなかで考え続けていることです。 ヨガニードラで唱えるサンカルパは、内観が進むほど、より組み立てが主体的になっていきます。 自己に向き合うという段階を踏もうとすると、そのように変わっていきます。 こと…
夏に東京で久しぶりに「坊つちゃん」の読書会をやりました。「坊つちゃん」での開催は何度目かなので、わたしがかねてよりテーマとして設定してみたかった「怒り」にフォーカスをあてた構成で行いました。 ご案内の時点で、事前に下敷きのように念頭におくギ…
わたしはここでいくつも旅行記を書いていますが、ブログを読んでいる人から「わたしも遠くへ行ってみることにしました」と言われるとうれしいです。自分でいつのまにか自分を縛っているような、そういう状況から少し離れるきっかけになっていたら、うれしい…
「痩せますか?」「姿勢が良くなりますか?」と同じような感じで、質問したいけどできないと思っている人の多いであろう「ヨガで性格は治りますか?」(ヨガで性格は変わるか・変えられるか)という問い。 いつかゆっくり書こうと思っていたことを、今日はじ…
この春はバタバタといろいろな人の価値観や正義感を見聞きすることがあって、わたしは直接聞いたもの以外はスルーすることが多いのですが、それでも自分の視点にはない主張を聞くと、自分の中の北極星を確認したくなる。そんなときがあります。 わたしはそん…
若い人は使うのかわかりませんが、わりとわたしの周辺で使う人の多い表現に 耳をダンボにする というのがあります。 ある特定の話題が気になって、そっちに集中して意識が向かう様子が、まるで耳の形をダンボのように大きくしているというイメージ。 実際、…
この映画は1995年作で日本では1998年から上映。もう20年前なんですね。そらわしもオバハンになるわ! この映画が流行ったころはインドのことをまったく知らなかったわたしですが、今は少しインドのことを知り、先日観たらいろいろ沁みました。この映画は伏線…
] これは「クリシュナ意識国際協会版」という感じで、そこから出ているシュローカ本です。協会から出てるシュローカ本(うた本)では以前に「日本ヴェーダーンタ協会」のものを紹介したことがあります。 ここで紹介していなかったのにはいくつか理由があって…
年末年始にゆっくり読もうと思っていた本なのだけど、読み始めたら思いのほかスルスル進む。対談でもないのに口語調で親しみやすいなぁと思っていたら、この本は上村勝彦さんが1995年4月〜9月にNHKラジオ第二放送「文化セミナー・心の探求」で「古代インドの…
自著が少なく主に注釈者であったシャンカラ。 この「ウパデーシャ・サーハスリー」も序盤はウパニシャッドからの引用が多い状態ではじまるのですが、途中からシャンカラ的「人たらしの技術」のようなものが炸裂しており、思わず引き込まれます。この人の言葉…
これはインドで買って自分で訳しつつ読んだ紙の本です。スワミと博士の共著本。最も古いといわれるハタ・ヨーガ教典の出典をあちこちに求めてまとめた労作。 デーヴァナガーリー(あのごにょごにょした文字)と英訳と解説で、ローマナイズ(ごにょごにょの音…
Swami Vishnuswaroop というかたがハタ・ヨーガの古典を英訳しKindleで出してくれているなかの一冊。正式名称は「Goraksha Samhita: Goraksha Paddhati: The Yogic Path of Guru Gorakhanath」と長い。 これまで「ハタ・ヨーガ・プラディピカー」「ゲーラン…
この本は前半でインド思想の歴史がわかりやすくまとめられ、中盤はシャンカラの思想を紐解いています。 思想を紐解くといっても シャンカラには独立作品は一つしかなく、たいてい彼は、権威ある作品に対する註釈という形で思想を表現しているのだが、その註…
ブラフマ・スートラの序論と第1章1〜4をシャンカラが注釈したものを解説する本です。 シャンカラはアドヴァイタ・ヴェーダーンタの思想家でありながら、注釈者というスタンスをとっていたため、後世もあちこちに登場します。 わたしはヨーガとサーンキヤ以外…
わたしはベストセラーになった養老孟司さんの「バカの壁」を読んだとき、バガヴァッド・ギーターに書いてあることみたいだな…、と思いました。 先日東京のギーター会で、そう思うきっかけになった節を選定された方がいらっしゃいました。 そのかたは田中嫺玉…