インド思想
戦争のニュースは見ていてつらいですね。こんな時、戦うことを義務とするアルジュナが葛藤する『バガヴァッド・ギーター』が思い浮かびます。いま起こっていることについて、なにがつらいか。要素があまりにも多く複雑で、考えはじめると息が止まってしまう…
ヨーガ・ヴァーシシュタを読んでその内容を瞑想するモーニング・ルーティーンが2周目(2年目)に入っています、という話を少し前に書きました。そのときと同様、今日の話は初回読書中の人は読まないほうがよいかもしれません。
朝のヨーガ・ヴァーシシュタ&瞑想の習慣を、新年からまたはじめています。今年は再読なので、第1章から教えを読むときの自分の視点が変わっています。初回よりもおもしろく読めます。というのは、この聖典の「設定」の妙味が少しわかるようになっているか…
『ヨーガ・ヴァーシシュタ』の日本語訳の文章に魅了され、同じ訳者のこの本を読みました。『ヨーガ・ヴァーシシュタ』は、これは वासना (ヴァーサナー)を日本語にしたのだろうと思う箇所の訳が絶妙で。こんなふうに母国語で読めるなんて、なんてありがたい…
13年ぶりに再読しました。 13年前の自分は聖者伝説に興味津々すぎて痛々しかったのではなかろうか、そんな気持ちでおそるおそる過去のブログを読んでみたのですが、意外とあっけらかんとしていました。 あかんところもなにげにリスクヘッジをしながら書いて…
先月、部屋の中にヤモリが入ってしまって、どうやって外に出したらいいのだろうと思って検索していたら、「ヤモリは家を守ると書く。縁起がいい」という情報の文字列についつい惹かれてしまいました。 その翌週は観葉植物の鉢にキノコが生えて、これはジメジ…
ずっと読んでみたかったお話の日本語版が出版されているのを発見し、毎日一話ずつ読んでいます。日本語版が出ることを知らなかったので、いつか自分でちまちま辞書を引きながら読まなければ、ずっとその教えに触れることはできないだろうと思っていました。…
わたしはよくインドの古い書物を読んでいるのですが、たまにおかしなものを見つけて「ああやっぱりインド人は頭がいい。おもしろいわ」と思ってほかの教えも読む、そんな生活もう何年も続いています。 先日、ヨガクラスの冒頭の説明でつい本題から逸れたこと…
昨年からカビールの詩を写経しています。電子書籍で買った日本語訳の詩をノートに書き写しながら読んでいます。PDFをそのまま電子化したようなつくりでハイライト機能を使えないので、ならば!と紙に書き写すことにしました。 この詩は平凡社から出ている「…
今年から英語圏の国で暮らす予定だったヨガ仲間に貸した本が返ってきました。わたしは日本語と英語が収録されているのがいいと思って貸したのだけど、読んだ人がどうもぴんとこなかったようなので、再読しました。 前回の感想はこちら よくよく読んでみたら…
人間たちの中で、人間たちの決めた価値観が変化していくのに途方もない時間がかかる。なかでも差別について考えるときは、沼にハマったようにもう考えるのを放棄したくなることがあります。ヨガをしているとインドの歴史に親しむことがあって、身分が聖性で…
ふらっと入った古本屋で見つけ、読んでみたらすばらしい内容。この夏いいことあったわぁ、という思い出になりました。もしヨーガから仏教に興味が湧いたなら、まずこの本をすすめたい。ヨーガと原始仏教の混ぜてはいけないところがすごくよくわかるように書…
1985年にNHKラジオでお話しされた内容の書籍化。テキストで読めます。 説明に気取りがなくて、「仏法は遠い世界の話ではない。心の話なのだから、身近に感じてなんぼだ」という信条のようなものが感じられる、そんな語り口。ブッダという人物自体が同じこと…
いまポレポレ東中野で上映されている、ラビンドラナート・タゴールの詩の世界を追うドキュメンタリー映画を観てきました。ベンガル語が話されているインド・コルカタとバングラデシュ・ダッカの街やローカル・エリアの景色がいっぱい。現地ではタゴールを「…
数年前に夏目漱石の小説にハマった頃の理由のひとつに「瞑想と冥想の書き分けをしている」というのがありました。気づいたときにはかなりゾクッとしました。こういうゾクッが生きていることの愉しみだと思っています。 先日、確認したいことがあって久しぶり…
7年前にこの本を読んだ時の感想を読み返したら、サブちゃん×ジョージの関係を想起したとありました。あれから時は流れ、再読してみて想起したのはジャニー喜多川さん×タッキーさんであり、恵果さま×空海さまの関係でもありました。なんでそんな感想になるの…
インド思想を学んでいると、よくここまで要点を絞り込んだなという問いがたくさんあります。そのなかでも格別なインパクトですっかり覚えてしまったものに、猿の道・猫の道というのがあります。信じるということはどういうことか。その方法について論争があ…
わたしは本を読みながら、ここで述べられていることは別の本のあのことと似ているな…と思うことがあって、手元に本がある場合は確認をします。以下の本を読んでいるときに、これはシヴァ・サンヒターの2章49節・51節にあることと同じことを言っているようだ…
この本は買ってから何年も読み進められずにいたのですが、先日「もどってきたアミ」を読んだ直後に開いたらスルスルと読み進めることができました。こういうことって、たまにあるんですよね…。「普遍宗教への階梯」は講演集で改行が少なく文字がギッシリ詰ま…
この本は2018年の夏に読み終えたのですが、あまりにも衝撃的な内容のため、その後ガンジーやインドに関する別の本を読んだりしながらショックを散らしていきました。 当時の幼児婚と妻に対する対応のひどさは、以下の本を読むことでやり場のない火種を抑える…
先日新潮文庫(高橋健二 訳)の「シッダールタ」を読んだことについて書きました。その感想の中でも触れましたが、この本を読むとヘルマン・ヘッセの細やかさがひしひしと伝わってきます。ヨーガの背景の勉強を漠然とむずかしそうだと思っている人に、ひとま…
日本人同士でのコミュニケーションは、日常会話では「心が傷つきやすい」という意味を繊細とかデリケートと表現し、そっとしておく。ビジネスの場面ではバランスを見つけるのがむずかしい案件ほど、デリケートな判断に長期的に耐えうる、繊細に繊細を極めて…
これは昨年、同シリーズ「Courage 勇気」の後に読みました。 淡々と説いた説法をテキスト化したシリーズ。テーマは本ごとにざっくり分かれているだけで、いずれも「OSHOはマインドと瞑想についての説明がとてもじょうず」という感想。テキストで読むと少しヘ…
この本は周囲がみんな敵と感じるとか誹謗中傷を受けてメンタルがやられてしまったとか、そういうときに薬になりそう。悪意の言葉やそこからの妄想にはきっとこういう説法が効く。 OSHOの言葉はインパクトのある喩えやそのとき売れている本を事例に使うから胸…
たまにヨガクラスで「ヨガの練習はもともと男性のものだったので」という話をしますが、今日の話は「男性のもの」であったというとらえかたの根拠の一面です。以下を紹介した2013年当時はブログにコメント欄があったので、びっくりしたという書き込みがいく…
おもに後年のガンディーを伝える内容の本です。末尾に年表もついています。写真がたくさん載っていて妻のカストゥルバイ・ガンディーさんも多く掲載されているのですが、想像以上にかわいらしい人で驚きました。これまでは小さな写真でしか見たことがありま…
今年はかねてより気になっていたシャクティ信仰について知りたくて、このジャンルの本を読んでいます。1986年の本(わたしの手元にあるのは文庫版)です。この時代に書かれた日本人によるインド旅行記はおもしろいですね。解説を松村剛さんというかたが書か…
今年の前半に読んだ「インドの顔」でラーム・モーハン・ローイの存在を知り、「ヒンドゥー教 ― インドの聖と俗」という本でその呼び名がベンガル語の発音でラムモホン・ライと綴られることがあると知り、この本にたどり着くことができました。 ラムモホン・…
今年読んだ「インドの顔(世界の生活歴史)」で知ったラーム・モーハン・ローイについてさらに知りたくなり、この本を読みました。インドの昔の風習に、未亡人となった女性(寡婦)が夫の後を追って火葬時に焼身自殺をする「サティー」というものがあり、ラ…
日本のアマゾンでは高いのですがアメリカとインドでは買いやすそうなので紹介します。これはわたしがいま書き写しやチャンティングのときに重宝しているバガヴァッド・ギーターで、デリーの「MOTILAL BANARSIDASS」で買ってきました。 「MOTILAL BANARSIDASS…