戦争のニュースは見ていてつらいですね。
こんな時、戦うことを義務とするアルジュナが葛藤する『バガヴァッド・ギーター』が思い浮かびます。
いま起こっていることについて、なにがつらいか。要素があまりにも多く複雑で、考えはじめると息が止まってしまうのですが、自己の混乱の整理に『バガヴァッド・ギーター』を開きます。
執着 → 怒り→ 迷妄 → 記憶の混乱 → 知性の喪失 → 破滅
これは、バガヴァッド・ギーターの第2章62・63節に書かれていること。(参考)
根っこには愛着・愛国心がある。
破滅を防ぐために、いま、知性の総動員が行われています。
知性をはたらかせるには、知性を失うプロセスを理解しておく必要がある。
知性のところでなんとか食い止めないと、という思いが世界に拡がっています。
フェイク・ニュースによる知性の撹乱も戦術に含まれた、世界が情報でつながった状態で戦争が起こっています。
自然災害による破壊も苦しい出来事ですが、人間の手による破壊と脅しは、立ち向かう対象も人間なので、同じ人間だと思う愛着によって苦しさが倍増します。
葛藤しながら自己の義務を果たすために戦場にいる戦士を鼓舞する書物、というふうに読めたりもする『バガヴァッド・ギーター』ですが、いまわたしに沁みるのは上記の節です。
ニュースを見ていると、ついついわたしも呼吸が止まってしまいます。
深呼吸しましょうね。