うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

生ブログ

心をざわつかせるものに関わりたくない気持ちを表明する権利(島崎藤村「破戒」読書会での会話から)

先日、島崎藤村の『破戒』を題材にオンラインで読書会を行ったら、これはオンライン開催のメリットだなと思うことがありました。それは、関西と関東の温度差です。関西で育った人が半数以上を占める状況で、それ以外の地域で育った人が聞かせてもらう同和教…

小説のなかですら葛藤している他人を待てないマインドのこと(島崎藤村「破戒」読書会での会話から)

先日、島崎藤村の『破戒』を題材に読書会をしたら、この物語を読んでいる最中に起こったイライラについて自己の振り返りをされているかたがいました。 読書会をすると、ディスカッションタイムでの発言以外にも、誰かの言葉が印象に残ることがあります。 じ…

戦うことを是とする様式美の刷り込みが自分のなかにあった(島崎藤村「破戒」読書会での会話から)

先日、島崎藤村の『破戒』を題材に、ヨガの練習で知り合った方々と読書会を行いました。今回は課題図書選定の理由を当日冒頭でインドの歴史の話とともに話しました。今回は長らく温めてきた ”無意識レベルで体に染み付いた差別感情” が主題でした。 インドの…

自分で自分の運命を選べるか(遠藤周作「海と毒薬」読書会での演習より)

今年の2月に、遠藤周作著『海と毒薬』の読書会をしました。 わたしが設定している場では、いくつかテーマをピックアップして話す時間を設けています。 一定の熱量、複数の視点の交わるテーマを見極める目的もあって、事前に宿題を設定しています。せっかくの…

神はわたしの善性を引き出してくれるか(遠藤周作「海と毒薬」読書会での演習より)

2022年の2月に、2年2ヶ月ぶりに読書会を行ないました。 今日はそのときに、わたしが参加者の視点で思ったことを書きます。 再開・オンライン化にあたっては、選書・コンセプトの見直しも行い、再開の初回は遠藤周作さんの『海と毒薬』を課題図書にしました。…

アーサナの練習で身体を内観するのと同じように、読書中に起こった意識を一緒に観てみませんか

今日の内容は、これまで身体を一緒に動かすヨガを通じてお会いしたことのあるかたへ向けた、お手紙のようなご提案です。これからわたしがお会いしてみたいヨーギー・ヨーギニーのかたへ向けても書いていますので、地方・海外でヨガスタジオやヨガの練習の場…

社会が良くなっていると実感するのはこんなとき

2022年がはじまりましたね。本年もどうぞよろしくお願いします。 このブログも16年くらいになり、自分でもいつまで書き続けるのだろうと思いながら書いています。 さて。 わたしはこれまでに、さまざまな読者さんといろいろな場所で、このブログをきっかけに…

かつての夜の練習と、パンデミック以降の昼の練習。昼はヨガニードラを行います

今日の内容は、ここ一年ほどでわたしのことを知ってくださった人には少しわかりにくいかもしれませんが、ご興味を持っていただけたのであれば、どうぞ続きをお読みください。コロナ以前にわたしのヨガクラスに参加いただいたことのあるかたを想定して書いて…

オンラインで活動していません

【2022年1月追記】オンラインで活動を始めました 告知は、以下のnoteで行なっています 以下の文章は、2021年4月時点での考えです。 オンラインの活動は、以下の要素をクリアする方法を見つけ2022年からスタートしています。 ーーー 昨日で緊急事態宣言から一…

「場」の捉えかたは実践を経て変わってゆく

早いもので今年も残りわずかとなりました。わたしは毎日いろいろなことを考えて生活していますが、ネット上に自分の予定を公開しない生活に変えてから意識の整理がしやすくなりました。以前は日時場所&申し込みフォームを見た人なら、初めての人もリピータ…

これまで各地でヨガクラスに参加してくださったみなさんへ

こんにちは。ヨガのうちこです。今日はお手紙のような感じで、わたしの予定・考えていることを書きます。いつもだいたいこの時期は関西のヨガクラスのお知らせをしていたので、このタイミングでいまのわたしの考えをお伝えします。 結論から書きますが、今年…

洞察力を高める方向へ向かう人と関わっていきたい

身体を動かしてスカッとして、よく眠れて毎日がアクティブに充実して、なにこれいいじゃな~いという感じでヨガを始めて、以後は範囲も広がりかれこれ15年以上が過ぎています。これまでの観察で自分の変化について思うのは、細胞が6年~7年で入れ替わるとい…

今年はいろんな言語感覚を持つ人とヨガをしたり語ったりした

今年は高田馬場と神戸で、少し新鮮なできごとがありました。高田馬場へインドのかたがヨガをしにおいでになりました。顔なじみの練習者のかたから「同じ会社にいるインド人を連れて行ってよいか」と聞かれ、どうぞどうぞという展開。 その日はダウンワード・…

絶対的なぶら下がり先を探す人に慈悲の心を向けるのはむずかしい(「シッダールタ」読書会を経て)

先日開催したヘルマン・ヘッセ「シッダールタ」の読書会でのこと。 その日多くのことを語らうなかで 追従する者がグルをつくるのかグルが追従者をつくるのか という、その力関係のありようや心情について掘り下げる時間がありました。ここでいうグルは伝統的…

理論武装や過去の失敗の合理化ができてしまう人のつらさと、できない人のつらさ(「シッダールタ」読書会を経て)

先日関西で開催したヘルマン・ヘッセ「シッダールタ」の読書会で、他人から見たら失敗かもしれないことも、当人が身をもって経験して消化して合理化するところまでやらないと気が済まないことがあるという局面について掘り下げる時間がありました。この小説…

わたしはこの身体に乗って九州へ行った

先月初めて福岡でヨガクラスをしたときに、「大人の遠足」でお会いしたみなさんにこの話をしました。 この身体は好奇心を乗せて、"わたし" を運んでくれる。 先日の福岡のクラスでは、6年前に東京でお会いしたかたが入口近くで向かい合って太陽礼拝している…

親しみのふしぎ

先日、一年ぶりに東京で読書会を開催したら初対面のかたが二名おいでになり、実物のわたしを想像よりもマイルドと感じられたようで、そのことを話してくださいました。 文章ではカタいイメージだったけれど会ってみたら違ったというようなことは以前から言わ…

今日もほんとうのことが話せてしあわせ

練習に対するストイックな気持ちと 他者を断罪したい気持ちって どうにも食い合わせが良くて 食い合わせがよいものだから 困るんですよね。 経験から、わたしの経験から感じたことを話しています。 このことを掘り下げようとすると ここから掘り下げて話そう…

会う口実をずっと考えてきた

6月に神戸・7月に名古屋でヨガクラスをやって、初対面のかたも含めてこのブログを読んでくださっている人とお会いして、それをきっかけにさまざまなことを考えました。かねてより探ってきた「ヨガをする人同士の関係性のかたち」を確認していくなかで、あま…

後先の「先」を考えずに他人の記憶に残ろうとしてしまうこと(「愛するということ」読書会より)

「愛するということ」という本に、孤独と孤立について数段落でグイグイ掘り下げている章があります。 この本で説かれる「孤独と孤立」についての分解は、自分のコンディションや周辺の人間関係の状況によって、読むたびに想起することが変わってくる。わたし…

だれかの人生のキャストになろうとしてしまうときの、そのありよう(「愛するということ」読書会より)

社会人として外にいるとき、いまわたし、わたしの人生の主役だ。と思えている瞬間はほとんどない。ふとそんなことを思うきっかけがあった。だれかの人生のキャストになろうとしてしまうときの、そのありようについて考えるきっかけがあった。 先日、エーリッ…

包みかたと出しかたを考えるとき、わたしは誰かを想っている

先日ざっくり数えてみたら、わたしはこのブログをきっかけにいろんな人と会っています。数だけ見てもピンとこないけれど、たしかにここ数年でほんとうにいろんな人に会っている。 一緒に運動をしたり話をしながら、どこから湧いてくるんだこのような人たちは…

三つの自分と対話する小さなおまじない。合掌の位置と・アンジャリムドラー

今年の春分の日は満月でした。そして年度末。今年は年号も変わります。特に自分の人生に大きな変化やイベントのない人でも、この時期は自身の中にざわめきを感じる人が多いだろうなと思い、今年はこの日のために考えたメニューでヨガクラスを開催しました。…

「トシ」とか「チューネン」というフレーズは、そういう鳴き声みたいに使ってる

わたしが週末に開催しているヨガクラスはアーサナの部分がアシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガなので、「もうトシだし…」なんて言いながら参加に悩んで、でもおいでになるという方がいらっしゃいます。アーサナの部分が、と書いたのはそれは全体の7割だから。…

別の立場や価値観に触れる時間を意識的に作ること

たまに予定を聞かれるのですが、今年はまだ読書会開催の計画を立てていません。昨年からわたしの視力が変化期のようで、もともと乱視と近視がちゃんぽんであるところに老眼が差し込んできているのだと思うのですが、以前は疲れなかったテキスト作成作業(そ…

インタビュー。インター・ビューのインタービュー

先日、ヨガの練習を一緒にされているかたがインフルエンザから復活されたばかりだったので、練習の前にお話を聞かせてもらいました。 これからあなたとインフルエンザの間で起きたことについてインタビューをさせてください。 インタビューは、インター(間…

いつも心に「やすきよ」を(「デミアン」読書会より)

ヘルマン・ヘッセの「デミアン」を題材に、このブログを見てわたしを知ってくださった人たちと関西で読書会を開催してきました。(2019年の開催案内はこちら)なぜこの作品を題材に読書会をするのか。それは、読んだ人ならみんなわかる。「デミアン」はそう…

昼間の練習の最後にヨガニードラを入れている理由「ヨガはセラピーだから」

先日、はじめて銀座のヨガクラスにおいでいただいたかたの言葉をきっかけにわたしの思いを話したら意外とタテノリだったので、ここであらためて文章化します。そのかたはわたしが定常どおりにお尋ねする「どこかケガをしている場所とか、すごく疲れていると…

評論家になったらもう練習の主体じゃないから、そりゃつまらなくもなる

先月ブログの引越しをしたのと同時にプロフィールの文章を書き換え、それを読んで広島・名古屋開催のクラスへ来てくださった初対面のかたとのやりとりから思い出すことがありました。 広島でも名古屋でも、練習への感想としていただいたフレーズのなかに「変…

人生のゲームに参加しようとしない、冷笑的なスタンスにならないようにしたいと考えるようになるまでのこと(夏目漱石「行人」読書会での演習より)

先日夏目漱石の小説「行人」の読書会をしたのですが、そのときにあるひとつの課題が浮き上がってくる場面がありました。事前の宿題のひとつに、この小説の中である人物が口にする「残酷」というのはどういうことを言いたいのだろうか、ということを考えてく…