うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

タルチュフ モリエール 作 / 鈴木力衛 訳

この作品は「それ、カルトじゃないの? 国内瞑想合宿でその金額って、大丈夫なんかい…」という友人知人の瞳孔開きっぱなしのトークに出くわしたことのある人には、グイグイくる喜劇。グイグイどころじゃない。 「この人は、キリストに帰依する素晴らしい人な…

守銭奴 モリエール 作 / 鈴木力衛 翻訳

先日紹介した「人間ぎらい」を読んで以来、わたしはこの夏モリエールに夢中だったのですが、この「守銭奴」も爆笑。 「性格喜劇」なるものをはじめて知りましたが、ひとつの性格にフォーカスすることであぶりだされる心のあれこれを会話で表現していく戯曲と…

人間ぎらい モリエール 作 / 内藤濯 翻訳

1666年発表の戯曲だそうですが、いま読むと主人公の男性・アルセストの発言が「ストーカー心理」の描写そのもののように読めて、これが喜劇になっている。すごい…。 ほかの日本語訳では「孤客―ミザントロオプ」「厭人家」「世間嫌い」「怒りっぽい恋人」など…

京都ぎらい 井上章一 著

京都のちょっとよくわからない感じがよく説明されていました。 この本の一貫性は、ここにあります。 私が京都をなじりたく思うのは、私に差別意識をうえつけた点である。 (43ページ 洛外を生きる より) 事例のなかでは、プロレスラーのエピソードがおもし…

聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅(映画)

これはいい映画。本を何冊も読んで理解するような現代ヨガの歴史がつめこまれている上に、「なるほど」がいっぱいです。 三点倒立ができるようになりたい人にもおすすめです。アイアンガー先生が初心者(この映画の監督)に倒立の指導をする場面が、「わたし…

作家の収支 森博嗣 著

印税の料率など作家になって稼ぎたい人が参照する部分はさておき、この本はインストラクターの資格は取ったけど、さて…と思っている人に、すごくおすすめです。 わたしはたまにセラピストやインストラクターの資格をとった人から相談を受けるのですが、「場…

「ストーカー」は何を考えているか 小早川明子 著

夜のラジオで耳にした著者・小早川さんの語り口がたいへん鋭く気になり、読みました。(ラジオの内容はこちらで読めます) この本は「ストーカー、こわい!」という防御の喚起というよりも「自分もなにかのタイミンが重なれば、ストーカーと同じことをする種…

シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 エマニュエル・トッド 著 / 堀茂樹(翻訳)

読むのが大変でしたが、この複雑な背景を他国の人間に説明する本を書くって、すごいことです。 どんな人がどんなことを書いた本かというと、「もしもビッグデータにイシューを立てて差別問題を取り扱える山本七平がいたら」みたいな内容でした。 シャルリ・…

正直に語る100の講義 森博嗣 著

いつもイッキ読みしてしまうシリーズですが、今回はゆっくり読みました。 いくつかの講義にまたがって「かねてより気になっていたこと」に言及があって、ちらちら見ては、わたしもいろいろ考えをめぐらせました。 キンドルには「ハイライト」という機能があ…

子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー・ロー・ノルト、レイチャル・ハリス 著

鳥取駅の貸本コーナーにあり、気になったので帰ってから読みました。 いい本なのでしょうけれども、読むときの気分によっては脅迫的に感じるかも。実際子育てをしている最中の人が読んだら追い込まれはしないか…?! と思っていたら、やはりそういう気分になる…

インストール 綿矢りさ 著

デビュー作だそうですが、いきなり、かなり、おもしろい。設定のちょっとだけ強引な感じが、ほどよく非現実に連れて行ってくれる。 ここで描かれる感覚は、あまりにもリアル。主人公は高校生の女の子。そしてこの小説を書いていたのも高校生の女の子だっただ…

ヨガフェスタ2016(パシフィコ横浜)

今年で第13回だというヨガフェスタ2016へ、わたくしこのたび、初めて行ってまいりました。日曜と月曜(祝日)に、それぞれ別の友人と。 ヨガクラスがたくさんあるイベントというイメージで行ったのですが、実際はビックサイトやサンシャイン池袋や幕張でやる…

ヨガを習いに行く日のジョギングは、1時間以内でやめておく

最近はあまりブログに書いていませんが、相変わらずたまに走っています。 わたしのところへヨガの練習へおいでになるかたにはジョギングが好きな人がいて、ついこの季節は走りすぎてしまうよね。なんて話をします。 今年は夏の気候がおかしかったのか、9月の…

念写してね

わたしはヨガクラスで手本を示しながら説明するときに、よく「念写してね」と言います。言葉の情報以前の「視覚で形をとらえ、再現のために記憶する」という認識機能を重視しています。(「念写」といっても霊的な意味で言っているわけではありません) これ…

相手の望みどおりに対応できないと、嫌われる?(夏目漱石「三四郎」読書会での演習より)

先日東京で久しぶりに夏目漱石「三四郎」の読書会をしました。 今回は主人公の三四郎に共感したというかたのコメントに一貫性があり、わたしもうなずくばかり。 そのかた(Iさん)は「5章」の以下の部分が「わたしも、そうだ」ということで共感したそうです…

タロケイのマルチ・クロージャをヘアアクセサリーにしている

最近気に入ってよく髪の結び目につけているモノを紹介します。ジグソーパズルのピースを引っ掛けているような感じが気に入って、白シャツの日によくつけています。 これはまえに紹介したことのある愛知県瀬戸市の雑貨屋さん「talo-K(タロケイ)」で販売され…

カフェ・アルテ アルテピアッツァ美唄の喫茶室(北海道美唄市)

アルテピアッツァ美唄のカフェがとんでもなくすてきだったので紹介します。 食事はそんなに出していなくて、主に飲み物なのですが、ここで一日中仕事したい…、毎日。と思いました。 入り口。さりげない。 ドアの前。さりげない。 中へ。 奥に彫刻が見える。…

アルテピアッツァ美唄の虫たち(北海道美唄市)

アルテピアッツァ美唄の屋外彫刻を観て回っていると、たくさんの虫に出会います。 こんな小道を散策しながら歩いていると やはり、熊への注意喚起が。 トンボはあちこちに。8月のはじめにトンボがいっぱい。 葉の表に虫、裏にカタツムリ。 かたつむりサンド…

バガヴァッド・ギーターと「バカの壁」

わたしはベストセラーになった養老孟司さんの「バカの壁」を読んだとき、バガヴァッド・ギーターに書いてあることみたいだな…、と思いました。 先日東京のギーター会で、そう思うきっかけになった節を選定された方がいらっしゃいました。 そのかたは田中嫺玉…

夢を与える 綿矢りさ 著

前半はじりじり進み、後半はジェットコースター。 これは家族の確執小説? アイドルの光と影小説? お仕事小説? 恋愛小説? いろいろな印象を持つけれど、「綿矢りさ先生の説くメディア論」という感じがする。 「ありそうだ」「いや実際そうなのだろう」と…

報道が報酬になる国で

先日、フランスから帰国中の友人と『「見て見て〜」のあとが、「すごいね〜」ではない国で』という話をした内容を書きましたが、ほかにもこの日はわたしがかねてより気になっていたことを教えてもらいました。 わたしは9年前にパリで彼女と話した、メディア…

人形の家 イプセン 作 / 原千代海 訳

意思をもつ新たな時代の女性の姿を描いたといわれている、1879年の戯曲。二度読むと第一幕に伏線のようなセリフがあって、すごくおもしろい。 これは男性による女性への支配欲だけでなく、女性にありがちな妙な尽くし欲(なんといったらいいかね、これ)のよ…

アルテピアッツァ美唄の室内ギャラリーふたつ(北海道美唄市)

先日屋外の彫刻を紹介したアルテピアッツァ美唄には、室内ギャラリーもあります。ここがなんともすてきな空間。 元小学校の校舎のスペースと体育館のスペースがギャラリーになっています。このふたつの建物の間に子どもたちが思いっきり夏を楽しめる水遊び場…

アルテピアッツァ美唄の屋外彫刻公園/安田侃作品(北海道美唄市)

札幌から函館本線に乗って、美唄市にあるアルテピアッツァ美唄(びばい)へ行ってきました。 東京ミッドタウンビルの前にある(フジフィルムのギャラリーの手前あたり)、穴の開いた取っ手のような形の彫刻作品の作者・安田侃(やすだ・かん)氏の作品が大自…

器を小さくすれば満ちる

わたしは「満たされる」「満たされない」というのが、胃袋以外の部分に使われる感覚表現としていまひとつわからないのですが、アーサナの練習のあとに起こる現象として、たぶんこれは抽象的に言われる「満たされる」ではないかと思うことがよくあります。 ヨ…

北海道大学 モデルバーンと大野池とクラーク食堂(札幌)

北海道大学は札幌駅から歩いて行ける場所にあります。東京に住んでいる札幌出身の人が学食のこれが美味しいですよ、なんて教えてくれたので行ってみました。北海道大学は「大通り」や「すすきの」というにぎやかな方角とは逆の方面にあります。 「シャンティ…

六花亭 札幌本店喫茶室。そして宿でも六花亭(札幌駅前)

六花亭はこれまでに帯広と函館にも行っているのですが、ここは昨年できたそうです。駅から歩いていける距離に喫茶室ができたのはうれしい! わたしはいくつか企業理念が好きな会社があって「六花亭」と「サマンサタバサ」がそのツートップです。「楽しみ」や…

悩みどころと逃げどころ ちきりん×梅原大吾(対談本)

軽い気持ちで読み始めたら初心に戻れるような言葉がたくさんあって、読後の気分がよいです。 ちきりんさんの本は過去に何冊か読んでいますが、わたしはゲームをしないので梅原大吾さんというかたの言葉を読むのは初めて。この梅原さんがかなり多角的にものを…

壇蜜日記 壇蜜 著

壇蜜さんは壇蜜というポジションを「自分で作った」という意識を明確に持っている。そこがすてき。 こんな日記がある。 「芸能界の椅子、ここが空いてると思った?」 私「椅子は自分で作りました。だからすぐ壊れても仕方ないですね」 (2013/11/14 晴れ よ…