うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー・ロー・ノルト、レイチャル・ハリス 著


鳥取駅の貸本コーナーにあり、気になったので帰ってから読みました。
いい本なのでしょうけれども、読むときの気分によっては脅迫的に感じるかも。実際子育てをしている最中の人が読んだら追い込まれはしないか…?! と思っていたら、やはりそういう気分になる人も少数だけどいるみたい。(amazon読書メーターのレビューを見ました)
子どもには子どもの人格があるから、親の鏡などと言われてはきついこともあると思う。

どうしたら子どもを否定せずに許すことができるか、どうしたら子どもを決めつけずに受け入れることができるか、どうしたら子どもをけなさず励ますことができるか、どうしたら頭ごなしに叱りつけずにあたたかい目で見守ってあげられるか──。それをドロシーは、実に真摯に、わたしたちに語りかけてくれるのです。
(推薦のことば 『心のチキンスープ』『母の心のチキンスープ』の著者 ジャック・キャンフィールド より)

即座に許せなくても妥協点を探す、時間をかけてでも許すためにはこうする。みたいなほうが追い込まれない。許せないとダメみたいな感覚は、キリスト教だとわかるのかな…。



以下は、すごくうなずく。

 まず、子どもに教えてほしいことは、たとえ自分に都合の悪いことでも、事実をありのままに認識し、そこから逃げない態度です。何が起こったのか、自分は何をしたのかを、ありのままに伝えさせるのです。事実と作り話との区別をはっきりさせなくてはなりません。相手の機嫌を取るために話を膨らませたり、自分の都合のいいことだけを話したり、勝手に話をでっちあげさせないように気を配りたいものです。
(198ページ あったことをありのままに伝えさせる より)

子どもは大人を喜ばせたいと考えて行動するけれど「そんなふうに話を盛ってくれなくても、いいんだよ…」と伝えるのは、なんて言えばいいのだろう。



以下は、なんかすごい…。と思いながら読みました。

 子どもは、どうしようもない世の中の不正を目の当たりにすることもあります。
十歳のステラは、ある晩、両親とテレビでニュース特集を見ていました。そのなかに、劣悪な労働条件に苦しむ外国人季節労働者の姿が映し出されました。ステラはひどくショックを受けたようでした。
「あんな暮らしをしているなんて、ひどすぎる。どうして、もっとお給料を上げて、いい家に住めるようにしてあげないの。あの人たちのお給料よりも、シモンさんのベビーシッターでわたしがもらった時給のほうが高いなんて……」
 両親はなんと答えていいのか分かりませんでした。しばらくしてから、お母さんが言いました。
(225ページ 「勇気のある行動」より)

このあと子どもが自分の小遣いを寄付する方向へいきます。親はその倍価を寄付する展開になります。


いま子育てをしている友人・知人が多いので、わたしもたまに「こういうとき、どう答えればよいのだろう」などと考えます。「自分の言うことをきこうとしていて(なついて)、かわいい」みたいな感情にだけは陥らないように…と、どきどきする。
天使でも悪魔でもない、人間。という感覚ってすごく大切だと思うのだけど、こういう本がベストセラーになるというのは少し不思議な気もしました。これを自分の親からプレゼントされるとか、日本人同士でそれはキツいかもという気もします。渡すときのエクスキューズが重要そう。深く考えずに舶来モノと思えばいいのか。


子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)
ドロシー・ロー ノルト レイチャル ハリス
PHP研究所