サタジット・レイ監督の先祖代々の家がある「Garpar Road」の地図を見ていたら、同じ道に「Paramahansa Yogananda's boyhood home」という表示がありました。
この場所から徒歩20秒くらいの、目と鼻の先の距離です。
ここは『あるヨギの自叙伝』という本に何度も出てくる家です。
過去に読んだのは2007年なので、かれこれ17年前です。
その頃わたしはほとんど本を読まなかったので、辞書のように重くて高価な本を先輩から貸してもらったときには、「信心深い人はこういうのを読むんだ・・・」と、正直驚きました。
現在はペーパーバックが半額くらいで手に入るようになっていたので、これをきっかけに購入して再読をしました。
分厚い本をめくってみたら、コルカタで見た家の写真が序盤の第四章「ヒマラヤ逃亡計画の失敗」に載っていました。
グルパール通りの家

カラーだと、かなりかわいらしい建物です。

3階から荷物を下に落としてちょっと出かけるような感じで家出をし、仲間と変装用の服を買って着替えてハリドワールへ向かい、そこで家族から追われている状況を察知しつつも、とりあえずリシケシまで行こうとする冒険譚が描かれています。
一本南のラーム・モハン・ローイ通りの入り口で表示を見つけた
その一本南のラーム・モハン・ローイ通りまで行きました。
ラーム・モーハン・ローイはインドでサティーの風習をなくすために尽力した人物です。
この通りの入り口で、突然日本語が目に飛び込んできました。

「これらの写真の人たちの力で日本を始め世界中にビシュヌ・チャラン・ゴーシュ先生のヨガを紹介することが出来ました」
とあります。写真と言いつつイラスト。これがまたいい味!
この道にパラマハンサ・ヨガナンダ氏の弟、ビシュヌ・チャラン・ゴーシュ氏の創設した学校への入り口があります。
GOSH’S YOGA COLLEGE OF PHYSICAL EDUCATION

PHYSICAL EDUCATION とある通り、身体を健康にしようというコンセプト。
コルカタは大学都市なので「カレッジ」の表記をよく目にします。
この地域で賢く生き抜いていくためにまず身体のベースを強くしよう。人々がそう考える精神的背景が静かに脈々と受け継がれて、それが明るいヨーガとして花開いた。
オーナーのマダムとお話ししながら、そんな印象を抱きました。
日本人の感覚で見るとサンスクリタイゼーションの傾向が強いものほど本格的に見えるけれど、コルカタは(カルカッタは)、それとは異なる歴史を持つ場所。
街にはヨガスクールがたくさんあって、フィットネス系のスタジオももちろんあるのだけど、身体や内臓の治療を目的としたヨーガの看板を掲げている場所もあり、身近な整骨院のような訴求も多く目にしました。
コルカタには「元気になろう!」というシンプルなヨガの文化と、その明るさへ至るまでに経た自然的・社会的・政治的環境の厳しさもある。
わたしは最初にコルカタ出身の先生からヨガを習ってヨガが大好きになりました。その先生の教えは「ヨガするネ、血行良くなるネ、元気になるネ」というシンプルな三段論法でした。そうだったそうだった。
ほんの数日とはいえ、最も暑い時期をこの土地で過ごしてみて、これだけ厳しい条件下で歴史を重ねてきたら、そりゃ明るく突き抜けないとやってられんわなと思う瞬間が何度もありました。
土地柄が創る考え方・性格ってあるんだな、と思いながら帰ってきました。