うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

守銭奴 モリエール 作 / 鈴木力衛 翻訳


先日紹介した「人間ぎらい」を読んで以来、わたしはこの夏モリエールに夢中だったのですが、この「守銭奴」も爆笑。
「性格喜劇」なるものをはじめて知りましたが、ひとつの性格にフォーカスすることであぶりだされる心のあれこれを会話で表現していく戯曲というのは、なんともおもしろいものですね。
古い時代の西欧のものなど、わたしにはわからないだろう…と思いきや、現代のコント並におもしろい。
この「守銭奴」はドけちなお父さんを中心に展開する話ですが、大人計画の「ウーマンリブ先生」という舞台(作・演出:宮藤官九郎)を思い出しました。「ウーマンリブ先生」に出てくるフェミニストのおばさんは「壇ふみ」と聞くだけでニッコリし、「杉本彩」と聞くだけで鬼の形相になるのですが、そういう極端な性格がこの「守銭奴」でも描かれます。この会話がすごくおもしろい。
そしてそんななか、ひとりの登場人物がこんなことを言います。

幸福になるために、だれかが死ぬのを願ったり待ったりするなんて、ずいぶん妙な話ね。

とんでもなく妙な話です。おもしろい!


モリエールは、高校の世界史の教科書には載っていたのかな…。わたしにとっては「デッサンの石膏像のなかの、着衣のおじさん」(参考←リンク先はNaverまとめ)という見た目だけの知識でしか知らなかった人。あの時代にモリエールを読んでいたら、もっと萌えながら描けたのになぁ…。まあでも高校生はモリエール、読まんわな。



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