うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

スワロウテイル(映画)

1996年の映画です。リアルタイムで映画館で観ていたはず。

当時わたしは『Cut』という雑誌を買っていて、そこには邦画に出ている俳優さんやミュージシャンが載っていて、この映画も当然そのカッコよさに惹かれて観たのだけど、今回は27年ぶりにそれとは違うきっかけで観ました。

 

 

ここ半年でアップダウンした日本円、位置的に中国に近いタイの北部を旅して感じた格差、それらを自分のなかで理解するために統合する作業が行われるときに、その理解を助ける免疫を自分はどこでつけてきたのだろうかと振り返ると、この映画だった気がしたから。

 

 

で、観てみたら、やっぱりそうでした。

途中からいろいろ思い出して、当時はこの暴力描写と俳優陣のカッコよさを受け入れるのに脳のエネルギーを持っていかれて、物語はざっくり覚えていても印象しか残っていないことに気がつきました。

だけど、その「印象」が、約30年後に円が弱くなって国の経済力の関係性が逆転して、今度は免疫として機能した。

 

 

この映画では日本の俳優が中国からの移民を演じ、中国語で喋っています。

生きていくのに必死な姿なんてとうてい想像できない、トレンディ・ドラマにも出ているクールな俳優たちが、です。

葬儀にはじまり葬儀に終わる話で、音楽が入るタイミングと入りかたが凝っていて、視覚からも聴覚からもオシャレ情報が過剰に入ってくるために見落としがちなのだけど、テーマはお金とアイデンティティ

IDカードがないから、死んだ時に顔がぐちゃぐちゃでも身近な人にはわかるようにタトゥーを入れています。”死んだ時に顔がぐちゃぐちゃでも” の裏付けかのような暴力シーンがたくさんあるのだけど、いま観るとそこはわざとマンガチックに撮られていることに気づきます。

当時はそういうことに気がつかずに観ていました。それでも、しっかり現在の自分に効いている。

映画ってすごいね。観れるときに観ておくものだね。