うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

また、あなたとブッククラブで(2021年)/Book Club: The Next Chapter(2023年)

年始に乗った飛行機の中で2023年の映画『Book Club: The Next Chapter』を観て、とても素敵な映画だったので、先日アマゾンでその前の作品を観ました。

邦題は『また、あなたとブッククラブで』原題は『Book Club』です。

4人の70代女性が若い頃からずっと読書会でつながっていて、わちゃわちゃする話です。

 

多くの人が映画の感想レビューサイトに「シニア版SATC」と書き込みをしていて、まあ実際そうなのだけど

 

 

 

  いまのわたしには、こっちのほうが観ていて楽しい!!!

 

 

 

このシリーズ最高じゃないか。ってくらい、大好きになりました。

主人公と同世代のわたしの母も飛行機の中でこの映画を観ていて、「あの服、似合っててよかった!」と、ダイアンのファッションを絶賛していました。

 

わたしもこの映画をきっかけにダイアンのファッションが気になり(役名も役者も名前がダイアン)、2021年の映画『また、あなたとブッククラブで』までさかのぼって追いかけました。

いつもだいたい以下の組み合わせで、その着こなしがどれもいい。

 

  • グレイのセミロングヘア
  • まじめメガネ
  • ボーダーシャツやボーイッシュなシャツ&スカーフ
  • 黒ベースのジャケット
  • デニムやボーイッシュなパンツ

ほっこりしたダボダボの服を着てないのが、いい。

この映画を観たら「何歳になっても、この方向でいいんだ! スプーンおばさんみたいにならなくていいんだ!」と思って、なんかうれしくなりました。

あれは子供視点でのおばさん・おばあさんだったことに気がつきました。

 

 

アニー・ホールとバーバレラ。夢の競演

ダイアン・キートンさんは、そう。アニー・ホールのアニー。

ウッディ・アレン監督『アニー・ホール』のファッションが現代版で蘇り、それがセックス・アンド・ザ・シティSATC)のようなテンポとトーンで進んでいきます。

アメリカのおしゃれシニアを真正面から狙ってる。

 

さらに、ここに『バーバレラ』のジェーン・フォンダSATCのサマンサ的なポジションで入ってきて・・・。若い頃におしゃれ映画というだけで小さな映画館まで観に行っていたようなわたしには、どうにも豪華すぎる展開です。(当時は「渋谷系」といわれるカルチャーがあってだね・・・)

 

続編の『The Next Chapter』はエンディングの音楽もイラストもロゴも "ラテン系おしゃれ" で、60年代ヨーロッパ・70年代アメリカのおしゃれスピリッツが濃縮投入されています。

 

 

見どころが多すぎる

この人有名な女優さんだよね、俳優さんだよね・・・、という人ばかり出てくるのですが、なかでもやはり、ジェーン・フォンダさまの立ち振る舞い(シャキシャキ動く)に、時空が歪みます。

 

え、え、え・・・あの昔の伝説の映画の人が、現代もこんなふうに動いて喋ってるのって、現実? わたしはいつの時代を生きてるの? ってなる。

 

もうこの立ち振る舞いとファッションを観られるだけで奇跡。

VOGUEを掘っちゃった。

www.vogue.co.jp

 

 

セリフも最高

シニア・ガールズのトークセンスが最高です。

あたくしここを、メモいたしました。

 

 「もう18じゃないもの」

 

 「そうね みずみずしい花じゃない」

 

 「ポプリってところね」

 

この「ポプリ」の言い方がめちゃくちゃコミカルでいいんですよね・・・。

めっちゃ香ってる高級な蘭をポプリにいたしましたけどそれが何か? ってくらい、堂々としてる。

(ちなみにこのセリフを言うのはジェーン・フォンダさま!)

 

 

脳内で表情が蘇ってリンクする日米シニア美女スマイル

この映画で判事を演じているキャンディス・バーゲンという女優さんの表情が、ずっと日本の女優さんの誰かに似ている、似ている、誰だっけ・・・

となって、2日後に思い出しました。

 

60代を超えてからの白川由美さんにそっくりなのです。表情筋が。

4人のなかで最も恋に奥手な役なのですが、なんとも魅力的な笑い方をされるんですよね・・・。

この判事の役は、SATCでいうとミランダのポジションです。

で、SATCでいうとシャーロットのポジションを演じる料理家の女性は、メアリー・スティーンバージェンという女優さん。この人もまた、YOU似でかわいい。。。

 

 

ファッション・アイコンに意志が投入された世界

『また、あなたとブッククラブで』のハイライト的な場面で、ダイアン・キートンがデートに着ていく服を自分で選んで、それが昨今流行りのオーバーサイズ・ジャケットのいわゆる「アニー・ホール・ルック」というシーンがあります。

 

このセルフ・パロディに友人たちが「その服はもう寄付しなさい」「寄付された方も困るんじゃない?」とディスりをかぶせまくり、かつてのファッション・アイコンとしての消費すらもギャグにしています。

「ああやって素敵なボディラインを隠しちゃうのよこの人は」とつっこむセリフ担当も、もちろんジェーン。

 

 

長寿社会ではセルフ・パロディも高度化していく。

若い頃の自意識を笑いながら現在も青春を重ねてる。こんな粋な楽しみってあるか!!! と思いました。

続編では読書会がオンラインで開催されているシーンから始まります。

ストーリーはどうでもよく、長寿社会となった現代のコミュニケーションを楽しみながら学ぶ映画。ワンパッケージのドラマ。

脚本とファッションが最高です。