ヨガのお仲間のかたが「なんか、いい映画なのよ~」とお話ししてくださった作品を観ました。
観てみたらジョークのキツさに忖度がなく、その中間にある音楽が絶妙に効いていて、こういうのは文章だけでは味わえないなと思いながら二度観ました。
たまたまですが、夏に読んだ『イワン・イリッチの死』にある、病人と下男のやりとり(第7章)と重なる部分があって、その心理描写がこの映画の解説のように感じられました。
この小説を本棚から引っ張り出して、勝手にトルストイに映画『最強のふたり』の解説をしてもらった気になって、最後にひとりで腕組みをしながら「いやぁ、映画って、ほんとうに素晴らしいわ」と水野晴子になって、鑑賞をクロージング。
そんな贅沢な時間を味わいました。夢の競演にもほどがあります。
その存在によって痛みが和らぐという気持ちと、不在によって不安に呑まれる気持ち。
この映画は他人の助けを受ける側のマインドの微妙な一瞬が「はにかみ」や「震え」で表現されていて、他人と一緒に居ながらも心がくつろげる幸福な状態は、はにかみを恥じずにいられるときにあるんだなと、しみじみ思いました。
<余談:おしらせ>
読書の秋になりました。読書会開催のお知らせです。
次回は10月29日(土)に『イワン・イリッチの死』で開催します。
すばらしいこの作品とともに、充実した秋の時間を過ごしてまいりましょう。