うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2014-01-01から1年間の記事一覧

松浦弥太郎の新しいお金術 松浦弥太郎

ちょっと疲れているときに読むと元気の出る著者さんの本。書店で目にして即買いしました。 わたしは「モノ」でも「サービス」でも、エネルギーの傾け方と価格設定がアンバランスであることで甘さの露呈した商品を見るとげんなりします。「安かろう悪かろうで…

「芸」と「畏れ」

今年のはじめに友人に連れて行ってもらったストリップ劇場や、ふらりと入ってからリピートしているお笑いシアターへ足を運ぶようになって、いままで頭の中でぼんやり思っていたことをたくさん言語化するようになりました。世の中には有名でなくても高い志で…

鼻 芥川龍之介 著

むかーし読んだ中で、これだけは印象を憶えていたつもりなのだけど、やっぱり大人になってから読むとぜんぜんちがう。 でも、この部分を子どもながらにもわかっていた記憶があるのもおそろしい。悩みから抜け出るときに、主人公が気づいてしまうこと。 ――人…

ギャグの応酬が止まらないグルジ(夏目漱石「坊っちゃん」読書会での演習より)

今年からはじめた読書会兼インド哲学座学も、早いもので夏目漱石作品がこれで4つ目となりました。 「坊っちゃん」はライトな展開で進行するつもりが、「こころ」並に深いところまで潜り込む、潜水艇旅行のような読書会になりました。でも出だしは軽快に、他…

「チャラカ・サンヒター」第25章の冒頭が傑作すぎる

先日紹介した「チャラカ・サンヒター」第25章『人間と病気の由来についての章』の冒頭をご紹介します。 「チャラカ・サンヒター」というのは、インドの医学をまったく知らない人にもわかるように要約すると、日本の感覚でいう「発熱したらお尻に長ネギを」「…

コントロール力のピースフルな使い方。鹿児島実業高校男子新体操部

感動しました。鹿児島実業って、強いのは野球だけじゃないんですね。 とにかくすばらしいのです。今日は動画のご案内です。 まずは最新作で勢いを摑んで。 クライマックスの受け手のウシュトラ・アーサナが美しい! 脚上げが苦手な方は、こちらを。 クライマ…

これから誰に売れば儲かるのか 成長戦略の正しい考え方 吉本佳生 著

定期的にこういう本を読むと、精神が安定します(笑)。人は自分の見ている世界を、世の中で比率が多いものと思ってしまう生き物なのでね。 市場というのは「シェア争いでは買っても、ビジネスでは負ける」「シェア争いでは負けても、ビジネスでは勝つ」とい…

「ゾフィー」のコントがたいへんおもしろかった

夏に何度か、浅草リトルシアターでコントを見てきました。バッティングセンターとセットで、最近お気に入りの息抜きコースです。 そこで観た「ゾフィー」のお二人のコントがおもしろかった〜。キングオブコントという催しでも準決勝まで残られたそうです。そ…

インド医学概論 ― チャラカ・サンヒター 矢野道雄 訳・解説

アーユルヴェーダの古典医学書「チャラカ・サンヒター」の訳と解説の本です。もうひとつ有名な「スシュルタ・サンヒター」というのがあり、こちらは外科的治療法についても詳しく述べているそうですが、「チャラカ・サンヒター」は外科にはほとんどふれてい…

文と質の論争 釈道安の仏典翻訳論「五失本三不易」

先日、仏典漢訳の世界で釈道安(312〜385)というかたが残した「五失本三不易」という翻訳論の存在を知りました。 釈道安さんご本人は訳者ではなく漢訳事業を助けた人だそうで、中国仏教の基礎を築き、「鳩摩羅什を中国に招くよう、苻堅に建言した」と Wikip…

「因果の束縛」と「徳義上の苛責」(夏目漱石「門」読書会での演習より)

夏目漱石読書会(という名目だけど、半分はインド哲学クラス@台所)からの演習紹介です。 参加者さんに提出いただく事前宿題やディスカッション中に『「こころ」の別バージョンのように感じた』『安井君は、Kに似てる』などのコメントがありましたが、「門…

バカの壁 養老孟司 著

いまさら! と言われそうですが、これ読んでなかったんです。2003年に出版されて、2013年で106刷りですって。 いま読んでみた感想としては、他者との関わりに疲れると思っていたら条件付きになってきてもっと疲れる事態に陥るというのは二枚目のバカの壁なん…

蜜柑 芥川龍之介 著

なんなんだ、この圧倒的なハイセンスっぷりは! 丁寧な文章、さりげなさ、心を溶かすストーリー。完璧。完璧すぎる。 超短編なのに、さまざまな感情が引き出される。そりゃあ、漱石グルジも一目置くわな。 グルジはあばたとオナラ癖があったようだけど、芥川…

駈込み訴え 太宰治 著

ひざが抜けるかと思いました。あごが外れるかと思いました。目ん玉が飛び出るかと思いました。 それも足りない。そのくらいびっくりした。これは名作。すごい二次創作。 聖書を題材に、あらゆる種類の嫉妬を短編小説の中に詰め込んでいる。たしかに聖書に残…

薪前屈(アグニ・スタンバ・アーサナ)

今日はわたくしが「まきぜんくつ」と呼んでいる、とっても地味でラブリーなアーサナを、叶姉妹口調でご紹介しますよ♪♪ この体位はとても地味なのですが、膝の外側が伸びにくかったり、大転子周辺の稼動がなめらかでないと、「イテテ!」なんて女性らしくない…

老子と暮らす ― 知恵と自由のシンプルライフ 加島祥造 著

もともと加島祥造さんが英米文学の翻訳をしていたということを知らなかったので、その言語観にまつわる発見が多かった一冊。 漢詩を英語で読んでその世界にハマったといういきさつが語られていて、すごくおもしろかった。前半で、「こころ」という言葉の表現…

カパが足りないバッティング

写真は一緒にバッティング・センターへ行きたいと申し出てくれたヨガ仲間です。なかなかのパワーヒッターで、「110キロがいちばん気持ちよく打てますねー。楽しいなぁ」って。同じソフトボール経験者でも、実業団を抱える組織出身の人はちがうわー。わたしは…

めぐり逢わせのお弁当(映画)

気になっていたインド映画「めぐり逢わせのお弁当」。観てきちゃいました。いい映画だったぁ〜。 インド映画なのに短めの105分、しかも踊らない。観終わった後は、まるで日本の古い小説を読んだような感覚。特に大きなことはなにも起こりません。でも、小さ…

あしかがフラワーパーク(栃木県足利市)

ちょっと電車に乗りたくて、小旅行気分で「あしかがフラワーパーク」へ行ってきました。栃木出身のヨガの先輩が教えてくれた場所なのですが、季節のお花が咲いていて、季節ごとに入園料が変わるというのがおもしろい。 巷では曼珠沙華(彼岸花)が美しく怪し…

あなたの脳にはクセがある ―「都市主義」の限界 養老孟司 著

先に個人的なプッシュ・コメントを書くと、子育て中のお母さんは必ず読みましょう絶対読みましょう読んだ方がいいです読まなきゃバカ〜ン、くらいのオススメ度。都市主義に母親の一神教が重なると、子供ちゃんはたいへんしんどいであろうと思うのです。 この…

理解されるとうれしいこと

だいぶ前の話になりますが、神戸の生ブログに参加いただいた方からのコメントに、こんなひとことがありました。 「最後に集合写真の召集がないのがとても気に入りました♪」 ご理解いただけるかたが、ここにも。こういうことって、わたしからは言いにくい。 …

恥 太宰治 著

これは、ゲラゲラ笑うことになります。たぶん声を出しちゃう。傑作。 「皮膚と心」の鬱陶しさに「グッド・バイ」のコミカルなドラマ性が掛け合わさっている。笑いのレベルがやばい。 小説家に対するファン心理のホラーです。うん、これはホラーなんだ。そう…

スキャンダルの「ヒールバーム&フットクリーム」

靴下の季節になりました。わたしは靴下を毎日はくと、かかとの皮がむけてきます。 いままではオロナインを塗っていたのですが、先日買ったこれが、すごくいい。すごくしっとりするー。 新大久保駅前の「スキャンダルオブプリンセス」という韓国コスメ屋さん…

阿佐ヶ谷姉妹のスパイス・ガールズ

「・・・〜〜〜の、○○さん」 「あー、あの阿佐ヶ谷姉妹に似てる人?」 「って、そもそもすごくいっぱいいませんか。阿佐ヶ谷姉妹に似てる人」 と、都会の片隅でぼんやり耳にした誰かの会話で知った、阿佐ヶ谷姉妹。 なになになになに阿佐ヶ谷姉妹って。 世の…

あたらしい憲法のはなし 文部省

大日本帝国憲法が日本国憲法になったときに、文部省が教科書として発行したものです。 8月の終戦記念日の頃のラジオで紹介されていて、読んでみたらいろいろ衝撃を受けて、以後たまに開いてみています。「戦争を棄てる」という憲法改正のポリシーの部分もズ…

待つ 太宰治 著

思わせぶりなだけの脳内おしゃべり。 ふつうだったら付き合わされちゃった感じがしそうな無駄話のなかに、とてつもない共感要素がある。 なかでもここは、わかるなぁ。 そうしてまた、相手の人も、むやみに私を警戒して、当らずさわらずのお世辞やら、もった…

理由が明確なほど滑稽に見えてしまう儀式

わたしは、いわゆる 意識高い系 というものをくだらなく感じてしまい、ゆえについつい見てしまう。 インド思想では、意識は「高低」ではなく「粗いか微細か」という基準で話します。なので「意識高い」+「系」というのは、粗い意識をドンと棚の上に置いたよ…

姥捨 太宰治 著

夫婦が心中に出かける話で、背景を知るとあまり後味のよい話ではない。 夫婦の噛み合わなさが、とにかく悲しい。男が悲しい。心中旅行なのに途中で楽しいことを考えてしまう過程の描写には「そんなものだろうなぁ」と思うことが多い。 恋多すぎる人でないと…

優雅な肉体が最高の復讐である。 武田真治 著

著書の宣伝のためにラジオでお話されていた内容が爆発的におもしろくて、読みました。 いろいろ話されていましたが、「腕立てよりもベンチプレスのほうが絶対にラク! みんな勘違いしてる」と力説。 理由がおもしろい。 「腕立ては降りたときに床に近づいて…

海馬 脳は疲れない 池谷裕二×糸井重里 著(対談)

息抜きの読書という感じで読んだのだけど、対談形式なので人のおしゃべりを聞いている感じで読めました。 たくさんのトピックがある中、「自分に都合のいいように解釈をする脳」「受け手が主導権を握る」「脳には宗教をつくる回路がある」が特におもしろかっ…