うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

バカの壁 養老孟司 著


いまさら! と言われそうですが、これ読んでなかったんです。2003年に出版されて、2013年で106刷りですって。
いま読んでみた感想としては、他者との関わりに疲れると思っていたら条件付きになってきてもっと疲れる事態に陥るというのは二枚目のバカの壁なんだわ、と思いました。バカはもちろん、わたしのこと。壁は一枚ではないようなのです。
いろいろ諦めることを多くしてから読んだので、こんなところが刺さりました。

  • 身体にとって重要なことがいつの間にか何となく決まった、というのが戦後の日本です。(101ページ「クビを切る」)
  • もともと無意識というのは、発見されるものではなくて日常存在しているものです。(116ページ「無意識の発見」)
  • 職人というのは、仕事に忠実じゃないと食えない。自分の作る作品に対して責任をもたなくてはいけない。(160ページ「でもしか先生」)
  • もちろん、日本にそれを導入しろと言うのではありません。しかし我々は、何をどうシェアすべきかを真面目に考えるべきです。(178ページ「カーストワークシェアリング」)
  • 一歩上がれば、それだけ遠くが見えるようになるけれども、一歩上がるのは容易じゃない、荷物を背負っているから。しかし身体を動かさないと見えない風景は確実にある。(199ページ 「人生は家康型」)

海馬 脳は疲れない」にも出てきた、ペンフィールドのホモンクルス(脳が司る身体の部位の順序を示したもの)も、体感的にとてもよくわかる*1
リストの最後に引用した「人生は家康型」の章で、「(原理主義に身をゆだねる学生を)何とかするには個人的につき合っていくしかないというのが教師としての経験則」と語っていらっしゃるのがとても心に残りました。


バカの壁 (新潮新書)
バカの壁 (新潮新書)
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養老 孟司
新潮社

*1:この本を読んだのは8月なので、9月からのヨガニードラのボディスキャン・スクリプトに組み入れています。