うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2018-01-01から1年間の記事一覧

私何だか死なないような気がするんですよ 心とからだについての282の知恵 宇野千代 著

宇野千代さんが98歳のときに残された健康ノウハウの格言が詰まった本。友人宅の本棚にあるのを読み出したら止まらなくなり、お言葉に甘えていただいてきました。中村天風さんの話も出てきます。ボディのほうは半分くらい天風節じゃないかと思う勢いです。宇…

いつのまにか「臭いものへの蓋」をせっせとこしらえていた

9月にはてなブログへの引っ越しをしてから、2006年にはてなダイアリーを書き始めて一、二年くらいたったころのような気分を取り戻して書いています。プロフィール・ページの文章を書きながら、ここ10年ほどで「小難しい書きかた(実物はふまじめなくせに)」…

レンガの町でレトロ・トリップ。中山道・深谷宿を歩く(埼玉県深谷市)

埼玉県深谷市へ行ってきました。駅にある観光案内所でマップをもらって歩くとめちゃくちゃ楽しい深谷。いくつかのエリアに分けてその様子をお届けします。 これをもらって歩きました。 「深谷」という交差点を中心に広がっていることがこの地図でざっくり理…

中山道深谷宿「須方書店」「旧七ツ梅酒造」でじっくりお買い物(埼玉県深谷市)

深谷市は中山道から一本駅寄りの道(たぶん旧中山道)がおそろしく味わい深いことになっております。タイムトリップ感200%! かつて「深谷宿」として栄えた旧田中籐左衛門商店の敷地の中に映画館(深谷シネマ)や古本屋が集まり、このうえなく楽しいゾーン…

降りてすぐに別世界へ行ける深谷駅と霊泉の杜・瀧宮神社(埼玉県深谷市)

深谷へ行ってきました。東京から近そうで遠い場所。埼玉県とはいえ東京から1時間で行ける茨城県のつくばよりも遠く感じる場所。那須高原へ行ったときにも思ったけれど、飛行機が手近な乗り物になってから国内移動の距離感覚がおかしくなっています。深谷は長…

デミアン ヘルマン・ヘッセ 著 / 高橋健二(翻訳)

まえに岩波文庫の「デミアン」を読み、こんな小説があるのかと衝撃を受け新潮文庫でも読んでみました。初回よりは落ち着いて読めたのだけど、この本は太宰治の人間失格と同じように、わたしの場合は10代で読まなくてよかったかもしれない。全体に流れる「と…

マントラと音と文字とフォントスタイル

先日、初めてレッスン受ける先生のアシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガのマントラを聞いていたら「サハスラー」を「サハストラー」と発音されていました。この音の感じ、前にもどこかで聞いたことがあるのだよな…と思って確認してみました。 ここは意味として…

警戒心を取り去り、意思決定力を全面に押し出していくプロセスとしての片脚バランス

今日書くことは少し前に書いたタダーサナの話の続きです。なにかTODOが発生したときに「これであってるのかしら。理解漏れはないかしら」と小さな警戒を発動し続けることがわたしの日常にあって、立っているときにハッとすることがある、そんなことについて…

空海「即身成仏義」「声字実相義」「吽字義」 加藤精一(編集)

このシリーズが好きです。はじめて「三教指帰」を読んでそのおもしろさに感動して以来、こつこつ読んでいる「ビギナーズ日本の思想」の空海。今回読んだ本は「即身成仏義」「声字実相義」「吽字義」が一冊にまとめて収められています。2015年にこのシリーズ…

老年の価値 ヘルマン・ヘッセ著 フォルカー・ミヒェルス(編集) 岡田朝雄(翻訳)

ヘルマン・ヘッセが長生きしたことを意外と感じてしまうほど、"メンタル繊細系" にカテゴライズされる作家には長生きしないイメージが付きまとう。ヘルマン・ヘッセはみごとにそのイメージを覆している。すばらしい。おまけにいつまでも少年のようなその姿の…

倫敦塔 夏目漱石 著

旅先で見かけた女性の知性に驚いてちょっと特別な経験をした気持ちになって、宿に帰って地元の人にその話をしたら「あそこへ行くときはみんなそのくらいの知識を入れていくものだ」とあっさり言われる。しょぼーん。こういう、自分の浮足立った能天気さが露…

漠然と世間に忠誠心を示そうとしている自分に気づくとき

このあいだ、まったく別の仕事をしているけれどたまに夕食を共にするOLさんと「働き方改革だライフ・ワーク・バランスだと言っても、DNAのように埋め込まれている "あの謎のチップ" を自分で突き止めない限りはどうにもなりそうもない」という話をしました。…

立位の状態で背面意識の比重を増やす。警戒心を減らしていくセラピーとしてのタダーサナ

加齢とともに前のめりになるのは、膝や腰が弱ってくるから? うん、きっとそれもそう。でもそれだけじゃない。これは一緒にヨガの練習をする人の観察でも思うことですが、なにより自分自身の心の観察からそう思います。 変化し続ける道徳観やルールの平均温…

南禅師 伊豆ならんだの里・河津平安の仏像展示館(静岡県賀茂郡河津町)

伊豆で仏像ばかり観ていました。伊豆へは何度も行っているけれど、テーマを決めないと毎回風呂に入って満足して終わってしまう油断ならぬ土地なのです。今回ほとけ様を訪ねていった河津は河津桜で有名な場所ですが、平安時代には仏教文化が栄えていたそうで…

達磨大師(向陽寺)の下田洗い観音を見て腰痛に悩む人が多い現実を知る(静岡県下田市)

伊豆の上原美術館へ行ったときのこと。その手前に神社があったので入ってみたら、こじんまりとしてよい雰囲気! 日枝神社 駐車場のすぐ前に神社がありました。 苔がきれい。お肌がしっとりした気がしました。 奥に目をやると 研修のために昔使われていたよう…

上原美術館へ。伊豆の平安仏展と上原コレクションを観てきた(静岡県下田市)

かねてよりずっと行ってみたかった伊豆下田の上原美術館へ行ってきました。9月から平安時代の仏様の展示がはじまっており、終了までに観に行きたくて。(12月9日まで開催中)この美術館は鷲のマークの大正製薬株式会社名誉会長のコレクションを置く美術館で…

神曲 地獄篇 ダンテ 著 / 三浦逸雄(翻訳)

この物語を強引にまとめるなら「ウェルギリウス師匠と行く ドキドキ☆はじめての地獄旅(48時間・木曜出発)」というツアーにいつのまにか参加していたダンテがそこで見たものとは!!!(ジャジャン☆) 地獄に堕ちても意外と反省していない人々の姿であった。 ─…

こっそり楽しく、この身体でやっていく

先日、わたしの主観で10歳くらい年下だと思っていた人から「うちこさん、もしかしてわたしと同じ年かも…ブログを読んでいて、そう思ったのですが」と言われ、実際おなじでびっくり。勝手に自分のほうがうんと年上だと思っているのって、40代あるあるかも(笑…

壮大でスピリチュアルなヨガのガイドでモヤモヤしたときの対処法

はじめて参加したヨガクラスで思いのほか壮大でスピリチュアルな宇宙や星の話などをされて戸惑ったことはありませんか。わたしはあります。隣で一緒に参加している人も複雑な気持ちになっているだろうな…と思ってあとで聞いてみたら、いかにもビジネスマンら…

特定の属性を蔑む流行りの言葉のおそろしさを物語とユーモアで超えてゆくこと

「老害」という言葉がこわいです。近ごろは30代の人が自分自身の考えを述べるときに使っています。30代で「老害といわれそうだけど…」とエクスキューズを入れて意見を述べる。すごい時代ね…。わたしがこの言葉をこわいとはじめて痛烈に感じたのは、2011年の…

錦帯橋から臥龍橋・龍江淵へ。岩国石人形資料館で目がハート(山口県岩国市)

錦帯橋は「きんたいきょう」と読みます。山口県の中でもとても有名な観光地です。この橋を真ん中にして、上流に錦城橋(きんじょうばし)があり、岩国上へ続いています。下流には臥竜橋(がりょうばし)があり、ここは小説「おはん」で二人がばったり再会す…

宇野千代生家とその近所の教蓮寺。あじわい物件ウキウキ通り(山口県岩国市)

岩国へ行きたかった理由は「おはん」を読んだからでした。その景色を見たくなったのでした。わたしの行った日はものすごい台風で、戸口を開けると受付にあるプリントがうわっとぜんぶ飛び散ってしまうほど。入って入館料を払っているときからもう軽いパニッ…

岩国往来。人間には道に恋をするという想像力があることを知った(山口県岩国市)

岩国市では自転車を乗り回していました。ビジネスホテルにママチャリがあって、貸してくれたのです。香川でもビジネスホテルにママチャリがありましたが、いいですよねこのサービス。朝早くに目が覚めちゃうおばちゃんは、ちょこっとお出かけしてみたりした…

外観も内装もアンティーク感たっぷりの西岩国駅(山口県岩国市)

岩国市には岩国とつく名の駅が四つあります。まるで埼玉の浦和のよう。ビジネスホテルなどが多い、いわゆる交通の玄関口は「岩国駅」。「西岩国駅」は有名な錦帯橋に近い駅で、昔の都はこっちであったよという方角にあります。この駅が観ているだけでタイム…

白崎八幡宮で豪快に厄を玉砕! となりの岩国護国神社から入るコース(山口県岩国市)

念願の岩国へ行ってきました。ビジネスホテルにレンタルサイクル(ママチャリ)があったので、台風が来ている暴風のなか怪物くんのガールフレンドかと思うほど髪を振り乱しながら岩国市内を散策しました。だって来たんだもの。早朝からいける場所といえば、…

悪徳もまた 宇野千代 著

すべて自伝エッセイ風で、故郷の岩国市で過ごしていた頃の話「悪徳もまた」、自己の性質を分析する「何故それはいつでも」、小説『色ざんげ』 の背景が書かれた「それは刃物が導いた」、きもののデザイン以降のことが書かれた「もう一度結婚を」が収められて…

文章読本 谷崎潤一郎 著

古本屋でめくってみたらどのページも引き込まれる内容で、その日から3日間夢中で読みました。これは文章心理学とでもいうのかな。プライドと保身のために文字数が増えていく書き手の心理をすっかりお見通し。こんなに種明かししてくれちゃうんだ…と思うこと…

勉強をしたくなるタイミングは人それぞれ。かつてのわたしのバッドなカルマ

先日、大丈夫かいなと思いながらも10代の参加者もいる場でヨーガとインドの関係を主軸にした東洋史・世界史について話してきました。参加者の顔ぶれを見ながら登場させる人物も都度変えて話すのですが、わたしにしてはまじめにやりました。そうしたら帰りに…

君の膵臓をたべたい 住野よる 著

強く反抗も反応もしない。そういう対処法を選び取る心の変化のプロセスは実は大人も子ども関係なくて、だからこの交流はわたしのような思春期中年にも刺さる。この種の自己解放劇はきっと30年後、思春期老年になったわたしにも刺さる。これを「つまらん」と…

徳山駅で降り、ガントクセン待ちで散策した(山口県周南市)

はじめて山口県へ来たので、読めない地名がいっぱいです。ほうふ市からしゅうなん市へ移動してきました。降りるつもりはなかったのですが、土砂崩れでバスの振替輸送になっている区間を通らない電車に乗るために徳山駅で1時間あくことになったので、駅員さん…