今日書くことは少し前に書いたタダーサナの話の続きです。なにかTODOが発生したときに「これであってるのかしら。理解漏れはないかしら」と小さな警戒を発動し続けることがわたしの日常にあって、立っているときにハッとすることがある、そんなことについて書きました。
きょうは足の裏の体重の前重心を抑えて後ろにも配分できるようになると、片脚のバランス・ポーズに進めますという段階について書きます。
片脚のポーズは、脚を側面や前面に伸ばしてバランスを取る場合と、背面においてバランスを取る場合では難易度の性質が違います。横や前というのは、たとえばこういうのです。
今日は後ろのほうに足がくる場合の話をします。ゆくゆくは以下のようなポーズになっていく過程の、とても大切にしたいプロセスのことを書きます。
後ろのほうに足を持ってくるポーズの場合、先日書いたような以下の写真の左のような前のめりの状態のまま進んでいこうとすると、苦しい道になります。
前のめりの意識のままスタートしてなんとか足をつかめたとしても、頭がカッカする状態が増長します。呼吸も浅くなります。肩の付け根と胸の幅を閉じたまま進んでいくポーズのやりかただと、そうなってしまいます。
まずスタートとして、カカトにも乗れるくらい軸足の内側の力をつけたい。それは、タダーサナをじっくりやるだけでも身につけることができます。
狭い台所でも練習できるメニューとして、上の写真のいちばん右の状態をスタート地点にした以下のプロセスの練習をおすすめします。
左→中→右→中→左 と、くいっ、くいっと何往復もしてください。見た目の10倍くらいむずかしいです。ちょいとやってみてー。両膝はくっつけたまま、内腿を閉じたままやってみてー。
むずかしいの。ここが。上体をねじらずにやるのがむずかしいのよぉぉぉぉーーー。
膝が離れたり、軸足側の上半身がひっぱられてねじれたりします。
これがさりげなくクイックイッと5往復できるようになるころには、軸足の内側がしっかり鍛えられて胸も開き、かかとに乗れるエレガンスを身につけることができます。
かかとに乗れるようになると、ほかの筋力とのあわせ技でさまざまな動きができるようになります。足をあげてキープする過程で重心を少し転がせるようになります。わたしは片脚で立って後ろで持つポーズに「決断力を養う」という効果があるといわれる理由を、自分なりに以下のように捉えています。
裏側のことも同時に捉えることができる状態になると
漠然とした警戒心や実体のない不安を取り除くことができる
漠然と不安がっているだけならまだしも、やらない理由を探すことが定常化したり他人に陰謀論めいた話をするようになると孤立してしまいます。わたしはこういう状況を自分で防いでいけるTIPSが、片脚のバランスにはあると思っています。
これは自分が中年になってからものすごく気にするようになったのですが、前のめりの大人って、すごく余裕がなく見えてしまう。世の中がどんどんセンシティブになっていくなか、わたしはあまりその方向に引っ張られたくなくて、優雅さを身につけたい。これを知らないと損ですよ危険ですよと言われても、そうですかというスタンスでいたい。首だけぐっと前に出ていつもなにかを探しているような姿勢にならないように、これまで以上に背面意識を鍛えたい。思考を転がす余裕のようなものを身につけたいと、近ごろ強く願うようになってきています。
<余談:ものすごく日常的で切実な理由>
先日、職場のヤングな女性のところへ斬新な手口の詐欺の電話がかかってきて「ひっかかりそうになった!」と言いながらも彼女は冷静にからくりを紐解き「みなさんも、お気をつけください」と簡潔な文面で報知されていました。忙しかったら騙されるかもな…と思うような手口。(警視庁捜査二課から電話が来る。本当の警察ではない)
以前はこういうものに対して自分は大丈夫という根拠のない自信があったのですが、新手のやり口に追いつけなくなりつつあるので、ますます冷静さを身につけたいこの頃なのであります。
練習しましょ♪