わたしは社会人になってからあまり小説を読んでおらず、ここ2年くらいでまた読むようになって、最近は感情そのものについて考えるようになりました。
本を教えてくれる人や貸してくれる人と話していると、自分はあまり熱狂できていないかも…と感じます。「作り話だし」と思っているということではなく、頭の中の何割かで「ああ、こういう感情は、なるほどこういう設定だったら口に出して言えるかも」と思いながら読んでいる。
こういう、つい背景に意識が向いてしまうのは、
たとえば「ムンクの叫び」という絵画を見て、
うわーこの人、めっちゃ異様。何があったんだろう?
と一瞬思ってすぐに
川を、渡りたかったの?
と、背景の設定込みで推測しようとしてしまう。
なんか、忘れ物したの?
もしかして、川にデジカメ落としちゃったの?
と、たいへんスケールの小さい妄想で容赦なく日常に引きずり込みます。
デジカメ持ってるわけないだろ!
思いっきり顔まわりだけに共感して
ある! こんなふうに突然フラッシュバックすること、ある!
というふうになったりもします。
名作のすごいところは、絵でも物語でも「ある!」という感情を呼び起こすところなのだろうな。