うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2017-01-01から1年間の記事一覧

なりひら V.S. くりしゅな

先日、読んだ『「世間」とは何か』という本に、たいへん気になることが書いてありました。 松田修さんというかたの「西鶴・好色の精神史」という本を引きながら、こんなことが紹介されていました。 この点についても松田氏の見解は興味深い。「好色一代男」…

胃にヨガ、腸にジョギング

今日は久しぶりの晴れ。天気予報通り。やっと走れる…。 迷わず早朝から走りに出かけ、あたたかいコーヒーを飲み、そしてやってくるあの方。 あの方とは、やっぱり最高の流れで出会いたい。わたしのなかを、駆け抜けていくあの方。 わたしはここ数日、腸が胃…

「世間」とは何か 阿部謹也 著

夏に「ELLE」という映画を観て、それをきっかけに読んだ「加害者家族」で紹介されていた本です。 わたしは有名人の謝罪会を見て、やりすぎではないかと思うことがあります。聖職者や先生と呼ばれる職業の人の言動をあげつらう報道についても、前後の文脈が少…

練習菌をもらいにいく

先日、ちょっとチャレンジングなヨガクラスに参加してくれた練習仲間が自身のブログに感想を書いてくれて、そのなかに「自らチャレンジしようとする勇気」「色んな人達と一緒に汗かいて練習する時間というのは本当に楽しい」というフレーズがありました。 こ…

不動産管理会社がセルフネグレクト問題の対応をしていた

わたしは集合住宅に住んでいるのですが、同じ建物の中に、自宅のごみをどんどん通路に出してしまっている人がいます。不動産管理会社との攻防は、わたしの記憶では約一年。 管理会社の貼り紙の文章のトーン、貼り紙の位置のプッシュがどんどん強くなっていく…

パッとしない子 辻村深月 著(Kindle Single)

美談ならよかろうと、記憶を書き換えたり解釈の範囲を広げることを無邪気にやる人は多いもの。 これは意識をするきっかけがないと、お年寄りになってもやる人はずっとやる。そういうものじゃないかと思います。テレビの構成を見ていても、それが前提になって…

智泉寺と無人市を歩く(新潟県十日町市)

数年まえに十日町市の商店街の様子をここに書いたことがありますが、先日そちらとは別の方向へ歩いてみました。 なんとなーくいい雰囲気なので 入ってみたのは、智泉寺。 こじんまりとして、とてもさっぱり、きれいな雰囲気。 これでもか〜という感じではな…

鵜川神社の大ケヤキ(新潟県柏崎市)

少し前に柏崎市の「飯塚邸」と十日町市の「ミティラー美術館」を紹介しましたが、今日は「飯塚邸」の近くの鵜川神社にある、樹齢約1000年の欅(けやき)の木を紹介します。 木はぐにょりとした、妖怪みたいな木でした。このあたりは、なんだか妖気というか、…

ネットで「女性」に売る 数字を上げる文章とデザインの基本原則 谷本理恵子 著

わたしはいまはセールス・ライティングはしないのですが、20年前くらいはそういうことをしていて、いまはSEOライティング(検索エンジンに見つけてもらいやすく文章を構成する)をたまにするけれど、そのSEOライティングはいまエモーショナル・ライティング…

暇だから、うつになるのでしょうか

何年も前の話ですが、その人が暇なのかうつなのかも知らないままに、漠然とひとりの女性から「暇だから、うつになるのでしょうか」と問いかけられたことがあります。以前はわたしと似たような業界で仕事をしていて、いまは結婚をしてその仕事はしていないと…

ミティラー美術館・インド美術(新潟県十日町市)

なぜここに、こんなにも多くのインド美術品が! というおどろきの「ミティラー美術館」へ行ってきました。 新潟県十日町市はいろいろとすばらしい町なのですが、少し山へ入るとこんなことになっているの?! びっくりです。 この美術館は「大池」という池のほ…

虫を責めないで。自分も責めないで。

関東はここ数日で夜はヒヤッと冷える感じになって、今週末はそろそろ衣替えをせにゃいかんかなー。うぐぐ。 友人から服が少ないといわれるわたしでも、箱を開けると「おお、こんなのあったな…」と、なかなか出番のない小物がある。あるのですー。それなのに…

月と六ペンス サマセット・モーム 著 / 阿部知二(翻訳)

ご近所にも親戚にも友人にもまったく引け目なく過ごせる安定職についていた夫が、突然仕事と家庭を捨てた。妻は「女の存在」を疑う。 出て行った夫の目的は何なのか。この小説は、探偵のようにちょっと探りを入れてみることを依頼された別の男性の視点で進ん…

酔うと化け物になる父がつらい 菊池真理子 著

この本はここに感想を書くのをやめようかと思ったのだけど、でも世の中にはこの本を読んで嗚咽するわたしのように、主人公と同じ境遇の人がたくさんいるだろうし、ちゃっかり自分だけ読んでよかったと思っているのがもったいないほどすばらしい。なので感想…

相手のリアクションに期待するという、生産性のないことをしなくなること

先日、わたしよりもヤングなヨガ仲間が「仕事の面でヨガのよい影響が出ている気がする」という話をしていて、はげしくうなずきました。 職場で隣の席の上司に話しかけたときに、すぐにレスポンスがなくても気にならなくなったそうです。 お話を聞きながら、…

デジタル・デトックスは特にしないけど、テレビとLINEがない

今年は夏に友人が何人か家に遊びに来てくれて、「○○、ないのね」といわれることがいくつかありました。 テレビ、エアコン、テーブル、ソファ、ドレッサー、掃除機、電子レンジ、クローゼット… ほかにも、本はたったのこれだけかとか、靴はこれだけかとか、化…

加害者家族 鈴木伸元 著

先月観た「ELLE」という映画をきっかけに原作本を読み、そのあとがきにあった「失敗を許さない社会」の考え方から、この本を読んでみました。 映画のなかにある加害者家族への扱いが、意外とフランスもこんな感じなんだという描かれかたをしていたので、あら…

雨・赤毛 サマセット・モーム 著 / 中野好夫 訳

ものすごく魅力的な転校生の女の子がやってきた。 そのクラスはちっちゃいジャイアンみたいな野蛮で子供っぽい男子ばかりなのだけど、そのなかに「博士」というあだ名で呼ばれる秀才と、「住職」というあだ名で呼ばれるきまじめな男子がいる。そんなクラスで…

三点倒立ができると、腰と腹でも考えられるようになる。そして頭は休まる

まえに「倒立は大規模な人事異動のようなもの。膝下部門には引っ込んでてもらって!」というのを書きましたが、今回は少し頭にフォーカスして書きます。 三点倒立は、自転車の乗り方を習得するようにコツをつかんで乗れたら再現性が高いまま着実にいける人も…

冷静さも持っていたあの人が、知性を失う行為に到るまでに起きたこと(夏目漱石読書会「坊つちゃん」より)

夏に東京で久しぶりに「坊つちゃん」の読書会をやりました。「坊つちゃん」での開催は何度目かなので、わたしがかねてよりテーマとして設定してみたかった「怒り」にフォーカスをあてた構成で行いました。 ご案内の時点で、事前に下敷きのように念頭におくギ…

栃尾の滝の下町(新潟県長岡市・栃尾)

先日、栃尾の尾道っぽいあたりを紹介しましたが、栃尾はそのほかの場所もちょっと不気味でおもしろいです。 インターネットで「栃尾」と入れると油揚げしかないんかい! というくらい油揚げが前面に出てくる町、栃尾。 川を挟んであっち側とこっち側にすてき…

細かすぎて楽しい、老い比べ女子会

最近なぜかいろんな人からご飯に誘ってもらえる機会が増えています。わたくし、なにか愉快な菌でも振りまいていますでしょうか。 それはそうと、いつかそうなるとは聞いてはいたものの、話題に「老い比べトピック」が多くなってきました。 わたしが「コンタ…

ルビンの壺が割れた 宿野かほる 著

下世話なワイドショーのような情報を消費する自分をなじる自分がいる。そんなわたしでありたくないと思うわたしと、わたしはいつもいっしょに暮らしている。 下世話な興味を表明する自分をなじるもうひとりの自分は、まるで評論家のような姿勢。そんなおまえ…

朝イチの膝の裏はバッキバキ。立位前屈(ウッターナ・アーサナ)

わたしはスーリヤ・ナマスカーラ(太陽礼拝)をパン生地に喩えることがあるのですが、粉に水を加えて何度もグニュリ、グニュリとやっていくような、そういう過程が好きです。 朝起きぬけのわたしは、ガッチガチ。特に、膝の裏。そこに水を加えるように呼吸を…

飯塚邸(新潟県柏崎市史跡)

すてきな建物と庭園を見に、飯塚邸というところへ行ってきました。 お盆の時期に行ったら、入り口で入館料を払うと同時に虫除けスプレーをレコメンドされました。これを、シュッとやってってくださいなと。 いいなぁ、こういうの。これがあると、安心してゆ…

うまくいっても、いかなくても、わたしはわたし

わたしはここでいくつも旅行記を書いていますが、ブログを読んでいる人から「わたしも遠くへ行ってみることにしました」と言われるとうれしいです。自分でいつのまにか自分を縛っているような、そういう状況から少し離れるきっかけになっていたら、うれしい…

とちおかける少女(新潟県長岡市・栃尾雁木通り)

尾道ロス症候群のわたしが、新潟県で尾道を思い出せる景色に出会いました。 おいおまえそこ石畳じゃなくて土じゃないかって、言われても困る。だってここは新潟。 でも感じとしては、尾道なのです。新潟県にあちこち行っているわたしがそう言うのだから、そ…

エル ELLE フィリップ・ジャン 著 / 松永りえ(翻訳)

映画を観た帰りにすぐに原作を読みたくなって、映画館の近くの本屋で即購入。こんなふうにすぐに原作を読みたくなったのは「紙の月」以来です。 訳者のあとがきもすごくよくて、うんうん、わたしが感じたモヤモヤを言語化してくれて、ありがたい…。という文…

シロダーラで覚醒。あれは何だったのだろう

9月の初頭と先日、シロダーラを受けてきました。おでこに額にごま油がねろり〜んと垂れ続ける、アーユルヴェーダのあれです。日本では初めて受けました。インドでの初体験は、もう10年前の話。 施術の後「今日の夜はものすごくぐっすり寝てしまうかも」と言…

星長豆腐店(新潟県長岡市・栃尾)

新潟県の栃尾というところは、油揚げが有名です。20代の頃は栃尾で「油揚げ定食」を食べても、なぜ「油揚げ」がメインディッシュたりえるのかわからなかったわたし。子どもの頃は、調理名がメニュー名で「正体がさっぱりわからない食べ物…」と思っていました…