新潟県の栃尾というところは、油揚げが有名です。20代の頃は栃尾で「油揚げ定食」を食べても、なぜ「油揚げ」がメインディッシュたりえるのかわからなかったわたし。子どもの頃は、調理名がメニュー名で「正体がさっぱりわからない食べ物…」と思っていました。
そんなわたしも、もうすっかり中年になり
油揚げ、サイコー！
なんつって、奥行きのわかる大人になりました。
今年の夏に久しぶりに栃尾へ行ったら、とてもすてきな油揚げ屋さんがありました。秋葉公園の近くにある「星長豆腐店」。
秋葉公園といえば、石川雲蝶さんと小林源太郎さんの夢の競演彫刻が観られる秋葉神社のあるところです。秋葉神社の彫刻「秋葉三尺大権現」はまるでジョン・レノン＆ポール・マッカートニーの共作みたいな豪華さの彫刻なので、新潟県の人にはぜひ観ていただきたいのですが、それはさておき今日は油揚げが主題です。
栃尾の街並みに入っていく手前（手前というのは、長岡から行く場合です）に、なんともおしゃれな佇まいのお店があります。
ここが、星長豆腐店。わたしは青豆豆腐と油揚げを買って食べたのですが、どちらもとてもおいしかったです。
青豆豆腐は塩をかけて食べるとおいしく、油揚げはいわゆる厚揚げ級のどっしり感。生姜をたっぷりのせて食べるとおいしいです。
このお店の前の道で、ふと尾道にいるときの感覚がよみがえりました。
新幹線の新尾道駅からJRの尾道駅へバスで向かうときの街並みに、とてもよく似ているのです。
尾道から戻って一ヶ月足らずで栃尾へ行ってみたら、わたしのなかで景色が重なりました。
いつも栃尾は彫刻だけ観て帰る感じなのですが、まだ見ぬ魅力がいっぱいの町であることを、尾道旅行のおかげで再発見できました。
このお豆腐屋さんを出た後、わたしのなかでさまざまな景色がトランプ・ゲームの神経衰弱のように符合し、広島まで行かなくても、あの感じを思いっきり感じられる場所も見つけてしまいました。なんとまさかの栃尾スペシャルがはじまりそうな予感です。
それはさておき、全国の油揚げ好きのみなさま、ならびにお稲荷様崇拝者のみなさまへ、お店の住所をお知らせしておきます。
