あこがれという感情の最も濃いダシを最高の素材とあわせて調理しました、とでもいうような物語。
文章に句読点のないまま暴走するあこがれの世界に連れて行かれる勢いに抗えない。クセになるわぁこれ。でもそんなことは、あまり人まえでは言わないほうがよい。よいのだろうな。
うっとりホラー
であり
官能的なベスト・キッド
でもある。
この作品は、山口百恵×三浦友和で映画化もされているのだけど、えー?! この組合せでこのエグイ話を…。これ、毒抜きしちゃったら味わいがなくなっちゃわない?
とってもとっても、濃厚です。
男性のものすごく長いモノローグの以下に到る流れは、どうしたもんかねこれ。
ああこれが本当にお師匠様の住んでいらっしゃる世界なのだこれでようようお師匠様と同じ世界に住むことが出来たと思った
こんなに句読点を打ち忘れるほど熱狂できる対象が身近にいたら、人生狂うよね。でも、とても幸せそう…。
幸福の主体はあくまで自分。そんな男女の物語なのだけど、よくこんな話を思いついて、しかもあんなにきれいに書くもんだなと読んでみて驚きました。
大人向けの名作。
▼紙の本
▼Kindle版
▼百恵×友和