うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

かつては、網が目で見えそうなネットワーク感があった。運河が海になってからのこと

3月に、とてもうれしいことがありました。
学生時代の友人から「携帯を替える予定で、いま連絡に使っているメールアドレスが使えなくなる。わたしの連絡先はこのアドレスになるから、これからもよろしく」という主旨のメールが届きました。
メールアドレスの変更は一斉メールで事務的な文体で知らせてくるというケースが少なくないなか、それがとてもうれしかったのでした。わたしの場合は一斉メールを送ることにどうも抵抗があって、数年前のスマートフォンのキャリア変更以来、端末のアドレス帳には20件ほどしか連絡先が入っていません。旧アドレスが使えなくなったという連絡も、直近半年のうちにそのアドレスにメールをくれた人に返信で伝えたりPCからメールを送ったり。
いま使っているスマートフォンに入っているアドレスの半分は施設やお店の連絡先・スパム業者の電話番号なので、友人の連絡先は10件も入っていません。そこに一人増えたのが、なんとなくうれしかったのでした。
わたしはLINEを使わないので、自分から誰かを誘うときはメールで連絡をします。Facebookスマートフォンではほとんど開くことがありません。Facebook Messenger に連絡が来るとメールが届くようにしていて、続きは非正規の簡易アプリでメッセンジャー機能だけを使用するという使い方。海外に住んでいる日本人の友人が帰国するときや地方に住んでいる友人が出張で上京するとき用に、その手段を残しています。相手が頻繁にFacebookを開く人でなければ、途中からメールに移行します。


20年前はインターネットで知り合った人と文章で関係を重ね、会っていました。最初へインドへ行ったときはホームステイで、オンラインチャットで知り合ったインド人の家へ行きました。知り合ったのが2000年ごろで、わたしがインドへ行って会ったのが2002年。直近では6年前に会い、いまはSNSで様子がわかる関係です。
日本の遠くに住んでいる人とも、こういう知り合いかたで会いました。このブログのコメント欄(2011年ごろまではオープンにしていた)で知り合った関西の人とは毎年会って飲んでおり、もう15年。そりゃトシもとる。



 かつては、インターネットが運河っぽかった



だれかとわたしをつなぐ河。"まだ見ぬ気の合う誰か" と "わたし" をつないでくれる感じがありました。それぞれが小さな船に乗ってハローと手を振ってきた誰かとあいさつをして、そのまま親交を深めていく。警戒をする気持ちがまったくありませんでした。相手も船を漕ぐことができる人だとわかっていたから。
いまは海。多くの人が海パンや水着でジャバジャバ入ってくる。なんなら裸で入ってくる人もいる。それはそれで、開放的な別の楽しさがあります。反面、かつてのあの感じを欲するのであれば「こういう人とつながりたい」「あの方向の川から合流してくる人と会うためにあのへんで待とう」と、すごく強く具体的にイメージしなければいけなくなりました。


あの頃の運河の感じはもう戻ってくることがないから、これからは「こういう人とつながりたい」という対象を想念すること、そして会えた機会を大切にすることをじっくり考えていこうと思っています。
ハッピーアワーはもうとっくに終わっているけれど、いまはいまで、出会いからの醸成を楽しんでいます。発酵ブームです。