うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

1ミリの後悔もない、はずがない 一木けい 著


なんだこのすさまじいレベッカ感は! 帯には「椎名林檎さん絶賛!!」とあるのだけど、わたしの感覚ではレベッカ。この小説は、椎名林檎世代の友人が貸してくれました。
読後の感覚が完全に思春期に返るもので、いまの自分が置き去りにされる感じがすごく不思議なのだけど、いまの自分を失わずに読める。
これは友人知人を見ているとタイプがわりと明確に分かれるように思うことなのだけど、わたしは過去に男女の仲になった人にまったく連絡をとるという発想がない。なんで話すことがあるのかわからない。過去の身体記憶が浮かび上がってしまうということはあるけれど、現在の瞬間の相手に失礼だと頭でいくら思ったところで物理的に身体には記憶がある。(これがなければヨガだって上達しない)
この小説には身体記憶の取り扱いが人によって違うことが書かれていて、わたしは主人公周辺ではない世界にとても惹かれるものがありました。ああこれは物質体である身体の執着に精神がぴっぱられているだけなのだよな…と自覚している思考の描きかたがじょうず。そして女性にとって「大切にされた」という記憶は最強。
読後がレベッカであるのはどのあたりからくるのか、脳内でいろいろな曲を再生しながら考えてみたい。