うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

清作の妻(1965年の映画/増村保造監督・新藤兼人脚本) 原作:吉田絃二郎 著

すばらしい映画を観ました。 こんにちは。水野晴子です。 いやほんと、素晴らしかったの。 日露戦争の頃の庶民の話です。清作という農夫とその妻の話なのですが、愛憎の苦しさと美しさがギュッと濃縮されていて、印象が何日も後を引きました。妻役の若尾文子…

客観性の落とし穴 村上靖彦 著

客観性や統計の結果、数値的なエビデンスを求める学生が増えていることをきっかけに、大学の先生がまとめられた本です。 書店で手にして、これは今まさにわたしの身近で起こっていることだっ! と思い、読みました。 数年前からわたしはこのブログに「更年期…

私は「うつ依存症」の女/原題『Prozac Nation』 エリザベス・ワーツェル著/滝沢千陽 (翻訳)

少し前に読んだ『運動脳』で、かつてアメリカで大ヒットしたというこの本の存在を知りました。 著者のアンデシュ・ハンセン氏はうつ症状に対して、海外ではプロザックなどの処方がビッグ・ビジネスになりすぎていて、運動を勧めてもそこにスポットを当てるメ…

私は女になりたい 窪美澄 著

なにかのPodcastで聞いて興味を持ってこの本を読んだのだけど、それがなんだったか思い出せなくて(最近こんなことばっかり!)、恋愛ドラマを見るように読みました。 自分の居場所をつくるために背負いこんで荷重オーバーしたり、それで周りが敵ばかりに見…

パニック/巨人と玩具/裸の王様/流亡記  開高健 著

『巨人と玩具』という映画を観て、それがとても面白かったので原作小説を読みました。 小説作品の発表から8ヶ月後に映画が公開されており、いまでは考えられないスピードです。昭和33年といえば、わたしの親世代が小中学生の時代。 この物語はキャラメルを…

メンタルは食事が9割 宮島賢也 著

ページをめくりながら「そこかー」とか「これかー」とブツブツ頷きながら読みました。 とてもアーユルヴェーディックな視点で、まるで生活ヨガのおさらい本のようです。 わたしはここ数年で、野菜のおかずを中心とした自炊率が増えてはいるのですが、どうし…

運動脳 アンデシュ・ハンセン著/御舩由美子 (翻訳)

著者は精神科医。運動の目的を気分転換ではなく “脆弱性が強化されないための防御策” として見てまとめられています。 ストレスというのは脳の仕組み上、完全にはなくならないもの。 だから受容する脳の側で「闘争か逃走か」の二択に暴走しないためのブレー…

(再読)インテグラル・ヨーガ ― パタンジャリのヨーガ・スートラ スワミ・サッチダーナンダ/伊藤久子 訳

15年ぶりにこの本をじっくり再読しました。 主要な節を参照するために何度も開いたことはあったけど、最初から最後までじっくり読んだのは15年ぶりです。(2008年の感想はこちら) 再読したら、これまでの自分を知ることが多くて驚きました。 え、こんな本だ…

サンダカン八番娼館 山崎朋子原作/映画:熊井啓監督

今年の夏に映画館で『サンダカン八番娼館 望郷』という映画を観ました。1974年の映画です。 帰国後の "からゆきさん" を演じた田中絹代さんは、この作品でベルリン国際映画祭最優秀主演女優賞を受賞されたそうです。 冒頭の取材者(原作著者)との出会いのシ…

くよくよマネジメント 津村記久子 著

なんとなく手にとって読み始めたら自分が過去に考えた問題が序盤にあって、のめり込むように読みました。 著者が20代後半〜30代前半で仕事もプライベートも大変なときに書かれたようで、当時でなければこんな言葉にはならなかったであろう濃さを感じます。 …

やっぱり私は嫌われる ビートたけし 著

『教祖誕生』という映画を観てその原作小説を読んで、そこから著者の死生観や宗教観に興味を持ち、いくつか本を読んできました。 このエッセイには『オレでなきゃ言えない「医療費」』という章があり、若い頃に親の病院付き添い・泊まり込み介助をされた経験…

ブラジャーで天下をとった男 ワコール創業者・塚本幸一/北康利 著

おもしろかった~。この社長の伝記を読むのは二冊目です。 この本は今年の6月に出版されたばかり。キーパーソンとなった女性社員への取材から書かれた話もあり、ただの過去ログの寄せ集めじゃない充実の内容です。ぶ厚い本なのに毎日お昼休みのこの読書が楽…

ポリコレ棒を振り回し、身内の内情を暴露する。芥川龍之介による週刊文春的な「猿蟹合戦」「桃太郎」

あの立場のかたのお気持ち、この立場のかたのお気持ち。 四方八方のお気持ちに配慮したらなにも言うことがなくなる世の中で、最強のお気持ちは無敵の人だけが持っている。 いったいなんてこった。 わたしの立場は、わたしの視点は、わたしの心の味覚はどこに…

江戸の女子旅 ― 旅はみじかし歩けよ乙女 ―   谷釜尋徳 著

めちゃくちゃ面白い本を見つけました。 江戸時代には、好奇心・財力・コネの合わせ技でこんな旅をした女性たちがいた。 その足跡を一般人の旅日記や記録、絵図から解析した結果が綴られています。 わたしは以前、伊勢神宮の駐車場から参道へ向かう地下通路で…

悲観する力 森博嗣 著

わたしの周囲に何人か「長生きしちゃうかもしれないからヨガをしている」という人がいます。 これ、すごくわかるんですよね・・・。とても前向きでいいなと思っています。 こういう前向きな悲観力ってある。 「長く生きるかもしれないから」というのは、なに…

夫婦善哉 織田作之助 著/映画・1955年 豊田四郎監督

名前だけは聞いたことのあった有名な『夫婦善哉』というお話を、映画で観てから原作小説を読み、その内容を知りました。 そもそも夫婦の話ではない(既婚者と愛人の話)ことが序盤でわかり、あれよあれよとその世界に巻き込まれました。男のクズっぷりにムカ…

新しい道徳 北野武 著

古本屋さんで手にとって読みはじめたら止まらなくなりました。 サブタイトルになっている 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか という一行に尽きる内容で、著者には "自分の人生は自分で楽しくするものだ" という考えがあり、他人に安心させてもらい…

神経衰弱ギリギリの妊婦たちへ 生駒芳子 著

ちょっとギョッとするようなタイトルですが、どうぞご心配なく。 この本は少し前に読んだ、横尾忠則さんの本の内容のおもしろさに驚き、どうやったらこんな話を引きだせるの?! と思ってたどり着いた、その本のインタビュアーさんの著作です。 ↑ この本のイン…

小津安二郎に憑かれた男 -美術監督・下河原友雄の生と死- 永井健児 著

少し前に、谷崎潤一郎の小説を映画化した『卍』を観ました。 その中で使われているレターセットや紙製品の美しさに魅せられ、映画の美術や小道具が気になり美術監督の名前でこの本にたどり着きました。 読んでみたらとても興味深い本で、著者は美術監督・下…

タイのひとびと 小林眞理子 著

日常で起こるタイの人とのコミュニケーションのあれこれ、価値観のギャップをなんともおかしく楽しく、そしてリアルに描かれていて、ニヤニヤしたりジーンときたり思わずもらい泣きしながら読みました。 フットマッサージで痛がるとマッサージのおばさんたち…

一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い 篠田桃紅 著

数年前に著者が亡くなられたときに作品を目にする機会が増え、発せられた言葉が気になっていたのですが、まだ本を読んだことがありませんでした。 少し前に映画監督・新藤兼人さんが95歳の時に語った言葉を読み、漠然と共有される「老人」のイメージと現実の…

ぼくは閃きを味方に生きてきた 横尾忠則/映画「新宿泥棒日記」1969年公開・大島渚監督

スピリチュアルにも色々ありますね。ヨガにハマる人=スピリチュアル、あるいは「スピってる」と小バカにする人がいるけれど、たぶんその境界線は社会の中での自分の居場所の作りかたと連動している。具体的に言葉にした途端に、無駄に誰かを傷つける。 いつ…

本「いのちのレッスン」/映画「鬼婆」(1964年)「ふくろう」(2003年) 新藤兼人監督

自分が70代、80代、90代になったときって、いったいどんな精神状態なんだろう。 「こうありたい」と口にする人はいるけれど、そういうんじゃなくて。 わたしは誰にでも言えるようなことを聞きたいわけじゃない。そういうことじゃなくて、今後もこれまでと同…

いらねえけどありがとう 村井理子 著

立て続けにエッセイが出版されていて、つい読んでしまいます。 身近な題材(日常)ばかりなのに、こういうものに出会いずらくなっています。 この本は4つの章があるうちの「Capter3 私たちは、他者との関わりで揺れ動いてしまう存在である」のなかに感情を動…

野菜だより 高山なおみ / おいしい副菜 ほりえさちこ  この二人のレシピをヘビロテしている

冷蔵庫を開けると冷えたおかずが1、2品タッパーに常備されている夏の生活は快適。この春から何品作ってみたことか。 先日、わたしが作り置き自炊生活に突入するきっかけをくれた友人から手紙が届きました。高山なおみさんの本に出会ったことで、材料や工程…

モダンヨーガバイブル クリスティーナ・ブラウン著/加野敬子(翻訳)

先日、書店で右の新しい「モダンヨーガバイブル」(書かれたのは2017年)を見つけて、さっそく手にしました。 続編が出ていたなんて、知りませんでした。 わたしはすでに左の「ヨーガ・バイブル」を持っていて、本の感想をブログに書いたのは17年前のことで…

ふたご母戦記 村井理子 著

子育てを経験していないのに子育てエッセイに夢中です。 著者の村井さんは子育てに介護に仕事に大車輪の日常のなかで、つらい現実のなかに見逃せない要素を見つけ出し、それを記憶していらっしゃる。 読んでいると、ときどき奇跡のような演目(?)に出会い…

東南アジア式 「まあいっか」で楽に生きる本 野本響子 著

わたしは東京に住んでいるけれど、心の中では "インドの人から教わったあのマインドを大切に……" という気持ちで暮らしています。 このマインドは文章にするのがすごくむずかしいです。 言葉にしようとした途端に仮想クレームが脳内で何十個も同時に立ち上が…

タイを知るための72章(エリア・スタディーズ30)

年末年始の旅行のまとめを書く余力がないまま、半年が過ぎてしまいました。 前回タイへ行ったあとに、あれはなんだったのだろう? という光景について、この本をちまちま読みながら、同時進行で5ヶ月がかりで旅行記を書いていました。 今回の旅で気になった…

ゆれる (映画・小説 西川美和監督)

気持ち悪いことを気持ち悪いと表明するのに、かなり技術が必要な世の中になりました。もともと失礼なことではあるのだけど。 気持ち悪いことを気持ち悪いと感じないようになるまでには時間がかかります。慣れと信頼がそれを乗り越えさせてくれます。 気持ち…