うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

崩浪亭主人/清修館挿話/秋果/帯広まで/河沙魚 林芙美子 著

毎晩寒いので、湯船につかりながら林芙美子作品(どれも超短編)を読むのが寝る前の楽しみになっています。 崩浪亭主人 こりゃ面白い。娘がカラッとしていて良い。お父さんがかわいい。30分くらいのドラマで見たい。人生の決断を人に任せていれば、こういう…

チャイルドラインで学んだ 子どもの気持ちを聴くスキル  山口祐二 著

子どもがかけてくる電話「チャイルドライン」の存在を初めて知りました。この本を読みながら、途中で何度か映画『誰も知らない』『万引き家族』のような、なんとか踏ん張っている子どもの姿を想起しました。 これは大人同士のやりとりでも同じだと思うことが…

「勤労青年」の教養文化史  福間良明 著

「教養ブーム」という言葉があることを知り、それをきっかけに読みました。昭和50年代・60年代のことを知りたかったわけではなかったのですが、教養という言葉自体、わたしがどうも使い慣れていません。そこに含まれる内容を認識できていなくて。 わたしはい…

アシュターヴァクラ・ギーター  トーマス・バイロン(英訳) 福間巌(翻訳)

朝の瞑想の前に読んだ『ヨーガ・ヴァーシシュタ』の日本語訳の文章に魅了され、同じ訳者のこの本を読みました。『ヨーガ・ヴァーシシュタ』は、これは वासना (ヴァーサナー)を日本語にしたのだろうと思う箇所の訳が絶妙で。こんなふうに母国語で酔いしれる…

入門 朱子学と陽明学  小倉紀蔵 著

ヨガを始めてからずっと気にして考えてきたことの背景が少しずつ見えてきました。たとえば伝統的な修行の雰囲気をまとったヨガ道場に「梵我一如」や「知行合一」の四文字が掲げられているのを見たとして、どう思うか。どう感じるか。 梵我一如はまあわかる。…

海と毒薬  遠藤周作 著

社会的に失うものがないと感じている人を「無敵の人」と言うネットスラングがあります。電車や多くの人がいる場所でテロのような無差別殺人事件があると、ネットニュースの中でこの言葉を目にします。 「無敵の人」は、 ”失うもの” という定義が曖昧なまま使…

いちばん親切な更年期の教科書 閉経完全マニュアル 高尾美穂 著

ほんとうにいちばん親切な更年期の教科書でした。今年はこれまでに二冊、更年期の本を読んで心の準備をしてきました。そしてこの本「いちばん親切な更年期の教科書」には、自分が該当する兆しが「そうそう、これこれ!」という感じで書いてありました。(→わ…

書けるひとになる! ― 魂の文章術 ナタリー・ゴールドバーグ著/小谷啓子(翻訳)

このブログを毎週読みに来るような人は、この本をヨガと瞑想のエッセイとして読むと、ユニークでちょっと辛口の笑いに触れながら自己を振り返ることができます。『食べて・祈って・恋をして』を読んだ人は、あれよりさらに前の時代(70-80年代)のアメリカの…

濡れた葦/朝夕/就職/多摩川/夜福/淪落  林芙美子 著

ちょっと読み始めたら芋づる式に短編を摂取し続けてしまう林芙美子フェスが、また唐突にはじまりました。ここのところ毎晩開催中です。お風呂に入る前に、ついついダウンロードして読んでしまう。ブログに既読のものを記録していてよかった。フーミンは多作…

プロカウンセラーの聞く技術 東山紘久 著

読んでいるうちに自分の弱さがよくわかる、それを認めることができる、心を開いてくれる本でした。プロのカウンセラーの技術が書かれているのに、個室でカウンセリングを受けたかのような読後感。 自分の弱い面にひとりで向き合って人格を整えるのは、とても…

45歳の教科書 ― モードチェンジのすすめ 藤原和博 著

この本を買った日のことを、ものすごくよく覚えています。翌日に25年ぶりに同級生に会う約束をしていて、その友人の住む県の本屋さんで買いました。急に年齢を意識したのでしょう。たぶん、いろんなことを訊かれるだろうなと。 立ち読みの段階で「大丈夫。頑…

なぜ論語は「善」なのに、儒教は「悪」なのか 石平 著

孔子の『論語』は儒教とも新儒教とも礼教とも朱子学とも関係がないと言い切る、著者の熱量がすごい本でした。わたしは四年前に、ベトナム旅行中に『論語』を読みました。きっかけはそのさらに2年前にあり、初めてベトナムへ行った時に感じたことから、孔子に…

つらい更年期障害をしっかり乗り越える方法 ― 女性ホルモンの攻略による40代からの更年期対策  対馬ルリ子 著

少し前に『閉経のホントがわかる本』を読んだのですが、単著も読んでみたくてこの本も読みました。先に読んだ本よりもエッセイのような講義のような感じの文章で、当時プエラリア・ミリフィカの発見がセンセーショナルだったようで、後半はサプリメントの宣…

秋果 林芙美子 著

この作品の時代の30歳女性は、いまの40歳くらいの感覚じゃないかな。今日は一日なにしてたっけ。それにしても、毎日あれこれやっていながら、なにも成し遂げていない。・・・なんて思う夜に林芙美子の小説を読むと、なんだか気が休まるのです。それが生きて…

幸福の彼方 林芙美子 著

寒くなってきたので、お風呂読書の時間が長くなっています。ここしばらく外国人作家のものを立て続けに読んでいた反動か、この作家がやさしさを炸裂させる文章にノックアウトされちゃいました。 お見合い結婚の話なのだけど、なんとも言えぬせつなさがあって…

嫁をやめる日 垣谷美雨 著

前半は未亡人が主人公のサスペンスドラマ。未亡人という言葉の由来を知らなかったので驚きました。インドのサティーのように、中国の儒教文化の中にも夫が死んだら妻は殉死するべきだという考えがあったんですね。昔はそこに知恵が生まれ、女性が未亡人であ…

疲れない脳をつくる生活習慣 働く人のためのマインドフルネス講座 石川善樹 著

瞑想だけでなく睡眠や食事についても書かれていて、生活を見直すきっかけになりました。特にいまは気温がぐっと下がり、わたしはついついお風呂の設定温度を上げたくなるのですが、熱くすると交感神経が活発になってしまいます。いまは41度にしているのです…

妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ 橋迫瑞穂 著

少し前に『占いをまとう少女たち』を読んで、なんとしっくりくる分析だろう!と感動し、著者に信頼感を抱き、この本も読みました。わたしのように出産をしていなくても、身体の性が産む性で、そことスピリチュアリティが関連づけて語られるときには、その対…

「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる! 対馬ルリ子/吉川千明

わたしはその山道の始まりにいます。 月刊誌だった生理が隔月になって、季刊誌になって、ムックになって……というふうに進んでいって、あら一年経ってたわとなたっときから、さらに数年で抜けていく。いまわたしは、月刊誌じゃなくなってきたくらいのところに…

狂人日記 魯迅 著/井上紅梅(訳)

10年ほど前に、同時期に知人AさんとBさんが、同じことを言い出して驚いたことがあった。AさんとBさんは面識がない。だからなんの関連性もない。二人で食事をしているときに、それぞれが、こんな話をしてきた。 「親が集団ストーカーにあってると言い出して」…

狂人日記 ニコライ・ゴーゴリ著  平井肇(訳)

『狂人日記』という名前の小説を読むのは二冊目です。以前、モーパッサンの『狂人日記』を読んだことがあります。お話は全く違います。ゴーゴリの『狂人日記』はリズムとユーモアが独特。わたしはゴーゴリと笑いのツボが合うのかしら。ページをめくるたびに…

格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉 石井光太 著

選挙運動のシーズンに、様々なメッセージが溢れている頃に読みました。この本は10代後半の人向けに書かれており、社会問題をこれまで失っていた視点で見ることができます。わたしは10代ではないので、自分が社会のなかで必死にあがいている間に何が起き、進…

正しい答えのない世界を生きるための 「死」の文学入門 内藤理恵子 著

なんのきっかけだか忘れてしまったのですが、このnote記事を見てたどり着きました。 夏目漱石の『こころ』に登場する「K」の人格の見かたに頷くところがたくさんあり、本を読みたくなりました。できるだけ同時に参加したい気持ちで、カフカの『変身』、ゴー…

アンソーシャル ディスタンス 金原ひとみ 著

そもそも人は接触を拠り所としてきたはずで、それをおいそれと別のOSをインストールするようにはいかない。若ければ若いほど、なおさらそうだ。そうだそうだ!この本に収められている5つの物語は、精神的にも肉体的にも超濃厚接触ありきな時期を過ごしてい…

占いをまとう少女たち 雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ 橋迫瑞穂 著

そうなのよ! これは、まじないなのよ! と心の中で1000人のわたしがスタンディング・オベーション。こんな切り口を待っていたのだと、どっぷり夢中になって読みながら気がつきました。正直に言いましょう。わたしはヨガを “まじない” としてやっているとこ…

鼻 ニコライ・ゴーゴリ著  平井肇(訳)

二度読むと最初からかなりおかしくて、想像以上の不思議なおもしろさでした。ゴーゴリのギャグセンスが、妙に自分にハマる。最初はどんな始まりだったかな……と読み直してすぐに、「焼きたてのパンの匂いがプーンと鼻に来た」という文字列でニヤニヤしてしま…

さよなら、男社会  尹雄大 著

ラジオで著者がお話をされているのを聞いて、なんだか聞き入ってしまう話だわと思って本を読みました。読んでみたらラジオの柔らかな印象とは少し違っていて、そうじゃないとわかっていても、序盤はなんだか自分を責められているような気分になりました。「…

ジーキル博士とハイド氏 スティーヴンソン著/田中西二郎 (翻訳)

岩波文庫版(翻訳:海保眞夫)で初めて読んで、この物語はこんな内容だったのかと驚き、続けて新潮文庫版も読んでみました。 二重人格の話というよりかは、ミッドライフ・クライシス期のおじさん版「ひみつのアッコちゃん」なんです。なんだそれと思われそう…

チーズはどこへ消えた? スペンサー・ジョンソン著/門田美鈴(翻訳)

1998年にアメリカで出版された世界的ベストセラー・ビジネス書を読んでみました。付箋を貼ろうと思う間もなく読み終えてしまい、反応すべきところがすべてテロップで流れるバラエティ番組を見ているようでした。これが売れたということは、背中を押してほし…

外套 ニコライ・ゴーゴリ著  平井肇(訳)

寒い寒いロシアで、まともな外套なしには身体的にも精神的にも乗り切れない環境で公務員が外套を新調するお話です。序盤から文章の書き方に独特の意地悪さがあって、著者が登場人物を異常にこき下ろしたり、物語を突き放すような文章も入ってくる。途中で、…