うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

棒がいっぽん  高野文子 著

あとになってやっと人に話せるようになることがたくさんある。 先日も古くからの友人に「わたしその話聞いたことあったっけ?」と言われて、「ない。はじめて話した」ということがあった。 この漫画の登場人物たちと同じように、日常のなかでゴリッとぶっこ…

母親になって後悔してる オルナ・ドーナト著/鹿田昌美(訳)

原題は『Regretting Motherhood』で、2008年に開始されたイスラエルでの調査(対象者23名・すべてユダヤ人)をもとに書かれています。なんだn数23の話かと思うかもしれませんが、その対象者の選びかたも重要なコンセプトになっているので、たった23人と思う…

オツベルと象 宮沢賢治 著

えええええ、こんな話だったっけ?! と、ものすごい衝撃を受けました。 この話は子供の頃に読んで「苦しいです。サンタマリア。」というフレーズもしっかり覚えていました。 なのに、ものすごい衝撃。 それはわたしがオツベル側でもおかしくない年齢を越えた…

体調予報 ― 天気予報でわかる翌日のからだ 河合薫 著

かつての仕事仲間が読んでよかったと言っていて、わたしも買って読んでみました。 ハタ・ヨーガのクラス構成を考えるときに、こういう本(このブログで紹介したものでは『整体かれんだー 旬な身体になる』など)を参考にします。 季節と身体に関する本は、こ…

ドミトリーともきんす  高野文子 著

またすばらしい本を読みました。 かしこい・かわいい・やさしい・かっこいい・デッサンすごい。この5つの要素がそれぞれ200%ずつの、もう1000%くらいすてきな本でした。 あまりの暑さにワタクシ計算ができなくなっております。パーセントは足したり掛けた…

イワン・イリッチの死 トルストイ著/米川正夫 (翻訳)

こんなの一回死んでみないと書けないはずなのに、どうしてこんな文章を書けたのだろう。イタコとの共作? なーんてことを思うほど、「死ぬ間際までの意識の実況」が細かくて驚きました。 この小説の主人公は45歳で亡くなります。 自分の幸福への視点を見つけ…

これはただの夏 燃え殻 著

すっかりこの作家の世界にハマっています。高校時代に『キッチン』や『つぐみ』を読んだ時のような、ああいう気持ちになることはもう一生ないものと思っていたけれど、それがおばさん版として再現できてしまう。なにこれ。奇妙な感覚。 屈託の焦点の定まらな…

ボクたちはみんな大人になれなかった 燃え殻 著

わたしは「界隈」という言葉がどうも苦手です。 自分はどのくらいこの話に出てくるネタを知っているとか、ある時代のその土地を懐かしんで事情通であることをほのめかすとか。そういう内輪盛り上がりをやりたい人への撒き餌で惹きつけるマーケティングをする…

仮想から現実へ―コンピュータ時代における良心の確立 本山博 著

先月たまたま通りがかったお寺の無人フリーマーケットに本山博先生の本が二冊あり、お賽銭を入れていただいてきました。この『仮想から現実へ』は講演の内容を収録したもので、約25年前の本です。 著者はチャクラの研究で有名な博士として、そしてここ10年く…

新・堕落論 ―我欲と天罰― 石原慎太郎 著

徳富蘇峰の『将来の日本』を読んで、その感想に「石原慎太郎よりも徳富蘇峰のほうが昔の人物だなんて」と書きながら、印象だけで勝手なことを言っているなぁ自分・・・と思い、石原慎太郎さんの本を読みました。 十数年前に、当時の職場の同僚がボソッと「あ…

夢に迷って、タクシーを呼んだ 燃え殻 著

芸能人ではない人が動画で発信をする時代になって、その振る舞いに戸惑うことがある。このエッセイの中で「タウリン多め」と書かれていたのがそれで、普段は中二病的な無愛想を隠さず周りに気を使わせている人が「はい! どーもー」みたいな喋りかたで動画を…

断片的回顧録  燃え殻 著

こういう個人の日記のような文章を読むと、人間に対して興味津々になる。すべての人の頭の中にこういうものがあるかと思うと、人間に対して興味津々になる。だけどすべての人がほんの一瞬の思考を言葉で捕まえられるわけではないし、それを文章としてアウト…

働くあなたの快眠地図  角谷リョウ 著

今年の6月に急にやってきた最初の猛暑の時期にとっても寝苦しい数日間があって(今現在の7月下旬をわたしは二度目の夏と感じています)、ちょうどその頃に書店で見つけて即買いしました。これはちょこちょこ、思い出すために手元に置いておきたいと思いまし…

るきさん  高野文子 著

みなさーん。しあわせですかー。今日はわたくし、いい仕事をします。もう冒頭で言い切っちゃう。 とってもいい本を見つけてしまいました。『るきさん』は、カラーの14コマ〜28コマの漫画で、読むとしあわせな気持ちになります。るきさんのお友だちの「えっち…

人魚のひいさま/幸福のうわおいぐつ ハンス・クリスティアン・アンデルセン著 楠山正雄(訳)

またアンデルセンです。今現在のように価値観の変化の波が世界中でぶわっと沸き上がっている時に読むと、自分がこれまで人生の川を渡りながら軸足を移してきた踏み石を対岸から振り返ってひとつひとつ眺めるような、そういう発見があります。 『人魚のひいさ…

生者と死者 ― 酩探偵ヨギガンジーの透視術 泡坂妻夫 著

この本が出たのは平成六年とあるから、1994年。 ヨギガンジーが活躍するオカルト・トリック・推理コメディ。猛暑の中エアコンをつけずに「リシケシの暑さに比べれば大したことない」とか言ってる。 このシリーズの三作目を、やっと読みました。 約10年前に『…

すべて忘れてしまうから 燃え殻 著

わたしはどうして今、こういう生活をしているのだろう。いつの間にこんなに草色の生活を送る人間になったのだ。どうした。この本を読んだら、これは年齢のせいではないことがわかった。わたしは「エモ」を退けたのだった。著者は同世代なのに、ぜんぜん草色…

弟を葬る 徳富蘇峰(弔辞の書き起こし)

徳富蘇峰の弔辞がなんと青空文庫にありました。「日本の将来」は文語体でしたがこちらは昭和二年の弔辞の書き起こしなので、お話を聞いているように読めます。著名度でいえば、石原裕次郎と石原慎太郎のような感じだったのかな。この喩えも、もうヤングはわ…

春 島崎藤村 著

精神のコンディションの安定した日を選んで、約一年半かけて読みました。『春』というタイトルなので昨年2021年の冬に読み始めたのですが、これは春に読んだらメンタルやられるやつだ……と序盤の2割くらいのところで気づき、季節をずらして晩夏と秋に読み進め…

思考の整理学  外山滋比古 著

大きな古本屋ならだいたいどこでもあるメジャーなこの本を、やっと読みました。電車に乗る機会が減ってから、こういう細切れで読みやすいエッセイを読まなくなっていました。移動中って、読書ができていいんですよね。 内容は記憶と思考について経験から編み…

全員悪人  村井理子 著

正直に言う。「シニアヨガ」という言葉に、漠然とひっかりを感じてきた。「中年ヨガ」と言われて、自分がそこへ行きたいとは思わないから。その延長で、「シニアヨガ」という文字列に対しても同じことを思う。 そういう思いのあれこれをぎゅっと10倍濃くした…

将来の日本 徳富蘇峰 著

明治19年(1886年)のベストセラー本を読みました。一ヶ月くらいかけて、夜にお風呂でちまちま読み続けました。さっぱりわからないまま無理やり読み続けて、少しずつ文体に慣れていきました。昔の文語体を無理やり読んで、読書の醍醐味を久しぶりに味わいま…

ある男  平野啓一郎 著

戸籍ロンダリングを紐解いていく人探しの話で、先が知りたいからどんどん読み進むのだけど、盛り込まれた社会問題の要素が幅広く、ときどき気になるテーマが降ってきます。 「過去も含めてその人を愛せるか」「何度でも愛し直すチューニングを続けるには」と…

のうだま1・2 上大岡トメ&池谷裕二

『老いる自分をゆるしてあげる。』の上大岡トメさんのイラスト解説がものすごくわかりやすくて良かったので、続けて『のうだま 1 やる気の秘密』『のうだま2 記憶力が年齢とともに衰えるなんてウソ!』を読みました。 1に書かれていたことは自分でも実感済…

老いる自分をゆるしてあげる。 上大岡トメ 著

なにかのウェブメディアで見た、すらりとした著者が楽しそうにバレエのポーズをされている写真が素敵で、この本を読みました。 読んでみたら体内の仕組みの説明の絵がすごくわかりやすくて、知らなかったことはないのに、「いまの自分」でゼロ・リセットして…

小夜啼鳥/もみの木 ハンス・クリスティアン・アンデルセン著 楠山正雄(訳)

まさかのアンデルセン・ブームがわたしのなかにやって来て、寝る前にお風呂で読んでは涙しております。 小夜啼鳥(さよなきどり) 中国が舞台の話。子供向けなのだけど、大人が読むとしみます。 個人的な大きな傷ではなく、社会経験のなかでこなしてきた、小…

小説『本心』を読んで考えた、唯物論的スピリチュアルのこと

先日、『本心』という小説を読んだ感想を書きました。 さまざまな社会テーマが含まれる長い小説だったので、思ったことを全部書くと止まらない感じでした。人によって、気になるところが全然違うのだろうなと思うくらい、要素の多い物語。 その中でも、わた…

記憶する体  伊藤亜紗 著

ヨガで身体を動かす練習を続けていくうちにわかることに、「混乱そのものを理解する」というのがあります。ヨーガの教典を読むと「知覚」と「記憶」への言及が多く、それが苦しみの原因であることがわかります。 練習中に意識が散漫になっているときは記憶が…

観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか 佐渡島庸平 著

「COTEN RADIO」に著者がゲストで登場されていて、そのときのお話が興味深く、この本を読みました。前半はわりとよくある自己啓発本のような印象で読んでいたのですが、後半からぐっと引き込まれる展開になって、クリシュナムルティの言葉が引用されていまし…

絵のない絵本 アンデルセン著/矢崎源九郎 (翻訳)

古本屋で装丁イラストに惹かれ、立ち読みをしたら「月が話をする」という設定の出だしがとてもおもしろく、続きを読みたくなって買いました。とても薄い本で、ポンとその辺に置いておきやすく、いまもちょこちょこ開いています。この本のページを開くと、な…