このタイトルで本が出ていることを知りませんでした。
プレジデントオンラインの記事で知りました。
「すべてのジャンルはマニアが潰す」は、わたしにとって座右の銘のような言葉のひとつ。自分の思考が極端になっているな、と感じたときに思い出すものです。
わたしは著者の木谷高明さんのことを、新日本プロレスの低迷期をV字回復させた会社の社長として知っていたのですが、株式会社ブロッコリーの創始者だったの?! と、この本を読んで驚きました。
すべてのジャンルはマニアが潰す。
サービスを作るときも変更するときも、これで仕様が複雑になります。
わたしはヨガをはじめた頃、仕事でこのことに苦しんでいて、先生が「ヨガはまじめな顔をしてやるものじゃないネ♪」と話すのが救いになっていました。
そのあとでこの「すべてのジャンルはマニアが潰す」という言葉を知って、先生が言ってたことと同じだ! と思ったのに、気がつくとそのパターンに陥るのです。
この本はその発言の根拠を深掘りするものと思って読んでみたのですが、内容はサブタイトルにある会社作りと経営哲学でした。
読んでみると、ゲーム会社を立ち上げた人がプロレス団体を回復させた、その流れに至極納得です。「停滞」に対する考え方にポリシーを感じます。
異動に関する考え方の章に、このように書かれていました。
特に同じ部署に5年以上在籍している人はピックアップして異動してもらうようにしています。
「5年間、同じことをやっているからもっと面白くしたいな」という発想にはなかなかならないものです。それを変えられる人であればいいですが、自ら今やっていることを、そこからさらに面白くできる人間は少数です。なので、ある程度こちらから環境を変化させてあげたほうが本人のためにもいいのです。
(会社を活性化させる一番いい方法 より)
少し前に友人から聞いた職場の悩みを思い出しました。
ジョブローテーションを定期的にやれるほど人数の多い会社ではないため、その職種のヌシみたいになってしまう人がいて、仕事を引き受けるときにネガティブな言葉をデフォルトで口にしているのだそう。
そのことに本人が気づいておらず、伝えようがなく困っているそうです。
ワンマンだパワハラだと言われる世の中になったけれど、こういう状況に対して、トップダウンでやるしかない規模の組織ってありますよね。
次の引用の箇所も、メモしておきたいと思いました。
センスよりもパッションのほうが持って生まれた才能なので、採用ではそこを重視するそうです。
センスが上がって、パッションが低いままの人はどうなるかというと、せっかく溜め込んだセンスと知識をクリエイティブに活かせず、評論家になっていく。これが一番よくない。頭でっかちで、新しいことを常に否定する面倒な存在になってしまいがちです。
(多くの経営者が間違える 採用で最も大事なポイント より)
これはわたしもずっと、ヨガをしながら見てきた場面です。
なんか書いたことあったよな・・・と思ったら、5年半前に書いていました。
「新しいことを常に否定する面倒な存在」って、中年ど真ん中くらいになると本当に、これまでになく刺さる指摘です。
わたしは年始に「スマホ時代の旅をする」をやってみて、それをつくづく実感してきたところ。気がついたら自分の中に面倒な存在を育てていました。
「すべてのジャンルはマニアが潰す」って、「マニア」でも「ジャンル」でもなく、「すべて」ってとこが、うまいんですよね。なんか日本語としても面白い。
名言です。