うしろでんぐり返しが苦手な人たちにアドバイスをするときに、「ヨゴれたオトナのチャクラーサナ」という説明をするのが定番化してきてしまいました(いいのか)。
「三点倒立はできるけど、これはできない」という人が意外と多い、隠れ難易度の高いアーサナです。
そしていま、これが周囲で静かなブーム。ブームのきっかけは、こんなできごと。バカーサナも三点倒立もがんばってできるようになったのに、これがどうにも苦手なヨガ仲間がおりまして。
ヨガ友:わたし、なんでこれができないんだろう。
うちこ:とかいいながら、倒立も壁なしでできるようになったじゃん。あせらず、床を押してふっと吐くタイミングをつかめばいいよ。
ヨガ友:まあ、倒立もビビりだったんだけど……。小心者なのは、認めてる! でもこれはそれとはまた別で、度胸のなさというより、できる気がしない。首が痛いの。
うちこ:首かぁ。大人になって、ヨゴれちゃったんじゃないかね? 子どものころは、できたでしょ。
大人になると頭が硬くなる。そしてそれは厳密には頭ではなくて、首の後ろが硬くなる。
彼女はアトピー持ちだから首の後ろが硬直しやすく、さらにむずかしいのはたしか。(参考)
わたしも、前に転がるでんぐりだと肩甲骨の内側と背骨の間に反応があって、たまに寝違いみたいな痛みがあります(翌日には治る程度)。
コツはあります。こんなかんじです。
- 逆転して混乱したときのために、手と肘と肩の関係をシミュレーションしておく。
- 手が床についた瞬間から元気に押す。そこでぐっと息を吐く。
- 少し勢いをつける。手首に近い手のひらで積極的に押す。
- 脚を開くとやりやすい。慣れたらだんだん脚を閉じていき、手で床を押すタイミングとの連携精度をあげていく。
できたときはみなさん、かなり嬉しそう。
大人になってからこんな達成感を得ることがあるなんて! くらいに喜ぶ人もいる。
そして・・・
できないときはできないときで、みなさんおしなべて楽しげに
「ほら、あたし、ヨゴれちゃってるから!」
と、開き直るのはなぜ。
一度できるようになって狂喜乱舞していたのに、またしばらくしてできなくなったとき
「うわ〜。またヨゴれちゃった!」
と、嬉しそうなのはなぜ。
初チャレンジした人ができなかったとき
「ぎゃー! わたし、ヨゴれてるの?!」
といって練習に励む。すごい勢いで励む。
そのあと、いろんな人に「ちょっとやってみ」という人が増えるので、ものすごい勢いで「でんぐりオトナ」が、量産されるのはなぜ。
なぜの嵐であります。
なぜの答えはやはり、
オトナだからさ
ということなのでありましょう。
いまわたしの周りではにわかに、チャクラーサナの練習を「その日のヨゴレ度のバロメーター」にしている人が急増中であります。
これは、とてもよい傾向だと思っています。