うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ヨーガ・セラピー スワミ・クヴァラヤーナンダ/S.L.ヴィネーカル 著 山田久仁子 訳

図書館で借りました。今年の4月に増補版が発売されています。価格も初版よりも手ごろに改定されています。すばらしい。
関心のレベルにマッチすれば、良書だと思います。ひとことでいうと、「ヨーガ・スートラ」を現代行われているヨーガとして解説しなおしている本。アーサナだけでなく、調気やムドラー、瞑想についても書かれています。
インドのカイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所付属のヨーガ大学でテキストと知れ用いられている内容です。冒頭で中村元氏、木村慧心氏が推薦を寄せています。
非常にバランスの良い内容なので、もともとヨガに対して「なんだか宗教臭い」という偏見のある人が瞑想についての解説に触れても、誤解を持たずに読めそうです。ま、ヨガはうちこに言わせるとごく当たり前に「宗教」ですけどね。日本人は過剰に「宗教」という言葉に偏見反応するだけと思います。

今回もいくつか厳選して「心にメモしたいと思った箇所」をご紹介します。

<13ページ 「現代医学とヨーガ」より>
ヨーガという言葉には、「鎧をまとった」「じゅうぶん心がまえができた」という意味があります。このように、ヨーガは個々の病因を攻撃したり根絶するよりも、生まれつき身体にそなわる防衛本能を強化することを大いに強調しているのです。病気の治療においても、恒常的なバランスがとれるよう、心身に内在する力を発揮させることに主眼が置かれています。

「さまざまな動物の形を真似ることで人間以前の生命から学ぶ」というアーサナの解釈があるように、複雑な社会をつくってストレスを発し、さらに複雑な病気を生み出した結果とつきあう技術は、「バランス」以外にないと、うちこも思います。

<134ページ 「腸の浄化法」ヴァータサーラ より>
この行法では、口を空気でいっぱいにして、それをできるだけ大量に飲み込みます。普通は二十回から三十回飲み込めばじゅうぶんです。その後そのままにしておけば、空気は腸を通っていくらか組織に吸収されますが、後日排泄されるでしょう。

蕎麦すするのも、ヨガのうち。です。

<155ページ以降 「アーサナ」より>
アーサナの組み合わせによる相乗効果のメモ)
 ・コブラのポーズ、バッタのポーズまたは半バッタのポーズは、鋤のポーズと組み合わせて行うと、鋤のポーズの効果が高まります。
 ・弓のポーズは、鋤のポーズと組み合わせて行うと、鋤のポーズの効果をいっそう高めます。
 ・鋤のポーズの直後にコブラのポーズを行うと、効果が最大限引き出されます。
 ・背中を伸ばすポーズは霊的にも重要です。これによってある霊的な修行者はアナハータ・チャクラ(心臓部にあるチャクラ)から出る微細な音を聞いた、という報告があります。また、クンダリニーを覚醒させるともいわれています。このような霊的な目的のためには、各人の能力に応じて毎日一時間以上行じなければなりません。
 ・マツヤとはサンスクリット語「魚」を意味します。人はこのポーズで魚のように水上を漂うことができるのでこの名前がついています。
 ・肩立ちのポーズの後に魚のポーズを行うと、肩立ちのポーズの甲状腺への効果を高めます。肩立ちのポーズに費やした時間の三分の一だけこのポーズを練習しましょう。

反転の組み合わせは、まるでお料理のようにプログラムの組み方によってレシピもさまざま。料理法のひとつとして参考になりました。「魚」のポーズの由来は、こんなものもあったのですね。「今にもエラ呼吸しそうでしょ」という理由よりも納得しやすいです(笑)。
「背中を伸ばすポーズ」を一時間したら、その間に何回オナラがでるかしら…。もよおすかしら…。と余計な心配をしてしまいました。


この本の最後のほうに、「簡易コース」「ショート・コース」「フル・コース」のメニューが紹介されていて、まるでマラソンのエントリー基準のよう。この配分例はとっても参考になります。

ヨーガ・セラピー 増補版
ヨーガ・セラピー 増補版山田 久仁子

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