うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

わたしが幸せになるまで 豊かな人生の見つけ方  吉川ひなの 著

自己管理について自分の考えを話すときの強い調子が意外で、いつのまにか母親業&心身健康維持のプロになっていて頼もしい。
この本を読んでから Youtube にある自宅出産の映像を見て泣き、マタニティ・ダイアリーの最終回では本にも書かれていたパートナーシップの様子を見て泣き、家庭をよくするために頑張ってきた様子が泣ける。

 

自らの過去を「扱いづらくてイヤなやつだよね」と振り返りながら、妊娠・出産とともにヨガをしたり、自然な生活に変えたり。

そんなさまざまな経験から、このように話されています。

 まず昔のそれとの一番の違いは、
「これは生理前によるホルモンバランスの崩れからくる思考回路である」ということがその最中もわかるようになったということ。
 これはとっても大きなこと。
(ホルモンバランス より)

思考のことを、仕組みを認識して対処されています。
10代から売れっ子で神経やホルモンについて勉強する余裕なんてもちろんなかったであろう著者が、30代になってから自分で考え、社会のシステムの問題も振り返りつつ、家庭をよくするために夫婦で考え方を変えた。その過程とご夫婦対談(←これおもしろいです!)が収録されています。

 


ママになってもずっと変わらないと思われたいという考え方を持っていたけれど、そうも言っていられないのだ、夫にも考えを変えてもらわなければいけないのだと語り、「家族サービス」という言葉が嫌いだと、そういう言葉が存在する日本式の仕事スタイルにちゃんと文句を言っています。
マタニティ・ダイアリーの初期の動画(痩せちゃってノーメイクでほうれい線も気にせずそのまま)を見ると妊娠初期の大変さがよくわかります。動画の説明テキストに「あらゆる介入は最小限に、できる限り自然なあるがままのマタニティ期間」とあり、動画がエッセイの実写版みたいに連動しています。

 

 

「自己肯定感という幸せホルモン」という章では、子どもに実体のない恐怖を植え付けないように気をつけているという話があって、その前後で語られていることも含めて、この連鎖は自分の代で絶対に止めるのだという信念が見えます。
喋り方も姿もかわいいままなのに、内容がめちゃくちゃ強くなっている。
あの見た目と声で、ひなのちゃんの口から「シジュウにもなって」なんてフレーズが出てくると記憶が歪みます(笑)。

 

 

動画で話している様子を見ると、これは日本の価値観では賛否両論のやつだなとか、芸能記事ではこう切り取る前提だなとか、ネットでは炎上するやつだなとか、本人が全部わかったうえで喋ることにしたのだという判断が伝わってきます。 ”自然派で暴走している” みたいな演出をされるのなんて、わかってるよというスタンス。


2000年代初期のヨガブームの空気を思い出すような、アメリカナイズされたオーガニック・スタイルを素敵に発信されていて、子育てや愛をがっつり語るけれど「赤ちゃんはお母さんを選んできた」みたいな話はなく、自己肯定感や感情、健康、環境のことは掘り下げるけれど、因縁くさいスピリチュアルな話はしない。
ヨガや瞑想の話は出てくるけれど、チャクラ、プラーナなどの単語は出てきません。

 

 

批判も嫉妬も人間不信も10代20代でバッチリ経験済みの、キャリアの底力を感じます。
「強くなる=オバハンになる」ではない最高のパターン。つらい話や苦労話も書いてあるのに粘りっけがなく、ふわふわでサラサラなトーンを貫けるあたりは、さすがとしか言いようがありません。
太陽の下で大きな声で強く主張するように話すひなのちゃんを見てなんだか涙が出てくる40代は、きっとわたしだけではないでしょう。