うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

だいたい更年期(6人の専門家が解説) 三省堂書店/創英社

どんだけだよ!と思われそうですが、また更年期の本を読みました。
この本は過去に読んだ三冊と比べると、少し年上の友人の話を聞くような、日常の雑談に近い感覚。


なかでも終盤で医療ジャーナリストの増田美加さんが伝えてくださっているメッセージはわたしを前向きにさせてくれて、いまは経験値を上げるときなのだと、やるべきことを教えてくれるような言葉として響きました。


わたしはこれまで15年以上ヨガをし、そのための勉強もいろいろやってきましたが、自分の身体を通して現在進行形で「ホルモンの力」を感じています。
沖正弘先生の『ヨガによる病気をなおす知恵』にある以下の部分を、強い実感を伴いながら読み返しています。

 こころとからだを結ぶルート、それは神経とホルモンである。生きるからくりは、刺激に対して大脳がそれを知覚し、その指令で脳幹部が感動し、その感動で神経とホルモンがはたらき出して全身に影響する。このことを心的エネルギーの立場から説明してみると、刺激によってエネルギーが発動し、こころのエネルギーが外向したときには行動となり、内向したときには生理的動きやこころの動きとなるのである。
(心身医学とヨガ哲学の比較 より)

わたしはこれまで多くのアーサナの神経回路のマッチングを観察し、ヨガクラスではその再現性を動きの構成によって伝えることで、一緒に練習する人の様々な回路が活性化されるようにと考えてきました。
「神経」は緊張と弛緩のコントロールを身体の動きから導き・整えていくことができます。


が!
「ホルモン」についてはこれまであまり大きな変化を感じてこなかったため、自分のなかに開発のための観察材料を持っていませんでした。
それが、ここ一年ほどで観察材料(寝起き時の発汗などなど)がどーんとやってきて、呼吸法と瞑想の価値をいまさらながら感じています。

 


この本『だいたい更年期』のパート1にある動悸・息切れの簡単な対処法にも腹式呼吸が紹介されていますが、わたしは毎朝、その日に使う頭の機能を整えるために瞑想と呼吸法を行なっています。
関節痛については以前本を読んだ高尾先生が回答されていて、痛みがあるからといって動かさないでいると、血流が悪くなって関節自体が固くなってしまうと。これもほんとうにその通りだなと思います。

 


このブログはご自身もヨガをされる方に多く読まれているので、わざわざここでヨガの効用をいう必要はないとして、それよりもわたしは、ヨガをしていても「あるものはある」という更年期症状の物理的な現実と、その仕組みと自我の距離の取りかた・その時期の過ごしかたの目標を考えたほうがよさそうだと、そんなふうに考えています。

 

ホルモンバランスに振り回されることのない人生を送りたい、なんていったら大げさに聞こえるかもしれないけれど、ホルモンの力はそのくらい大きなもの。
わたしがいちばん避けたいことは、対外的にも対内的にも、悪魔的な状態に人格を乗っ取られること。
ヨーガの心理学の授業で先生が話していた「ビヘイビア」って、ホルモンの作用が大きいんじゃないの? と思うのです。

 

 

寝起きに背中が火のように燃えていてびっくりするような瞬間もあるけれど、「いまは経験値を上げるとき」と思って、人生の旅のこのステージに向き合おう。この本は、そんな気持ちにさせてくれます。スーパーマリオでいう4-4面の終わりかけくらいなんですね、いま。
先の面もいろいろな人と一緒に楽しんでいけるように。そういう気持ちを忘れずに、なんとか乗り越えたいと思っています。