「蜘蛛の糸」を読んで、自分の記憶の薄さに驚いたので羅生門を読んでみました。
こちらは驚くほど10代の頃と記憶が変わらない。ほぼ同じ脳内映像が展開されていたんじゃないかな。羅生門のほうが、その空間のサイズや階段の段数などが具体的に書かれていて、情景が思い浮かびやすい。
わたしはこの物語で「追剥(おいはぎ)」という言葉を知ったと記憶していたのですが本文中にその単語は出てこず、出てきた単語は「引剥(ひはぎ)」でした。どちらもその後の実生活で使うことがなかったので、記憶は微妙に書き換えているものだというのがよくわかりました。
読後の印象と感覚は、昔のままでした。ものごとの捉え方、善悪の判断を問われるかのような場面での自己意識のありようは、10代のうちに定まっているのかもしれません。
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