うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

だから日本はズレている 古市憲寿 著

かつての仕事仲間であったヤング(20代の人)が読書SNSに感想を載せているのを見て、どんなことが書いてあるのか気になり読みました。ヤングが ”本当に酷い” と書いていた「心のノート」という道徳教育強化の副読本(小中学校向け)の存在に驚きました。ネットで見ることもできます(心のノート 文部科学省 で検索)。

ノマドについて触れた章では、これまで「脱サラ」という言葉が流行した時代(わたしが生まれた頃)のことを考えたこともなかったので、その時代を要約して伝える文章を興味深く読みました。

 

「だから日本は」だなんて、ずいぶん大きな対象を語るものだと思って読み始めたのですが、政府の行なっている施策を知ることができました。政府でも企業でも、いかに効率や正しさより「もっともらしさ」が重視されているか。わたしは自分で方針を決められる活動については「もっともらしさ」と闘っている部分が多々あるため、終盤へ進むほど励まされました。

『闘わなくても「革命」は起せる』という最終章がとてもよいです。この書き方はとても親切。実際のところ政府の「働き方改革」を待っていたらあっという間に10年20年は経ってしまうことを知っている人たちは動いている。

 

タイトルは煽り気味だけど、ずっと変わらないものについて「だからダメ」ではなく「ずっと変わってないんです。このように」 と確認しなおすことで話が進んでいきます。家電メーカーの大いなるズレについては、けっこうみんなが思っていることでは…と思っていたら、そこはとことんつっこまれていました。
もっと斬って欲しいと思わせながら読み手に負担をかけない生活者視点をキープしているあたりに、いまどきのスター性を感じます。だからひっぱりだこなんだろうな。 

著者の本を読むのははじめてだったのですが、ウェブのニュースで知るよりもよい印象を受けました。若者らしい嫌味なフレーズをわかりやすく入れてくるところも、役割を演じる律儀な人に見えてくる。

おじさんの強みに抗うのはわたしも無駄だと思っているので、『闘わなくても「革命」は起せる』に大賛成。

だから日本はズレている (新潮新書 566)

だから日本はズレている (新潮新書 566)