うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

考え方 〜 人生・仕事の結果が変わる  稲盛和夫 著

ヨガのお仲間がこの本を貸してくださいました。ヨガ教室で知り合って少しずつ雑談をするようになって、30回くらい会った頃でしょうか。ある日、映画と本の話になりました。

「この頃は小説が読めなくなってきて、自己啓発本ばかり読んでいる」とおっしゃるので、それはどういう本ですか? とお尋ねしたら、かつて読んでいた稲盛和夫さんの本を読んでいると。

 

稲盛和夫さんは中村天風さんの影響を受けた人として知っていたのと、ビジネス誌の記事では今も直近の社会に合わせたコメントをされていて、ずっと気になっていました。
そんなこんなで、貸していただいた本を読みました。

 


どうやらわたしはこれまで、自己啓発本のカテゴリーをわかっていなかったようです。
わたしが30代前半にたくさん読んだ本は自己啓発本でした。ヨガの本と思っていたけれど、あれは自己啓発本だったのだと、この本を読んでわかりました。

 


稲盛和夫さんは臨済宗妙心寺派の僧として得度されているそうで、仏教のお話も出てきます。前半で積極性を説くところには中村天風さんの教えの影響が色濃くあって、稲盛和夫中村天風とでもいうようなフレーズがいっぱい。ご自身の経験でさらにブラッシュアップされています。

「これはちょっと難しい」と思っただけで、もうできません。「いや、少し実現が難しいと思っただけです。何とかできると思っています」というような曖昧な気持ちが少しでもあればもう駄目です。少しでも疑問に思い、不安が頭をよぎってしまえば、その後でいくら「努力をすればできるはずだ」と自分に言い聞かせても後の祭りです。
一瞬の逡巡、ためらい、疑問が、無限の可能性を萎えさせてしまうのです。
<進歩/人間の無限の可能性を追求する より>

絶☆対☆積☆極☆ の勢い。

 

 人間は、自ら燃えていく自然性(じねんせい)の人と、火を近づけると燃える可燃性の人、火を近づけても燃えない不燃性の人の三つに大きく分けられます。
「明朗」の章で、「未来に対して限りないロマンティストであってほしい」ということを言いましたが、可燃性ならまだしも、不燃性の人はロマンティストの対極の存在です。ロマンティストは自ら燃え上がる自然性の人でなければなりません。
 何かをやり遂げるためにはたいへんなエネルギーが必要です。そしてそのエネルギーは、自分自身を励まし、燃え上がらせることで起こってきます。人から言われたから、命令されたから仕事をするのではなく、言われる前からやろうという積極的な人が、「自ら燃える人」です。
<自然(じねん)/心に火をつけるのは自分自身 より>

ここは仏教やヨガに共通するインドの教えに通じるところで、”じねん” はサンスクリットで “sva” と発音する要素かな……と思いながら読みました。稲盛和夫さんはそれを「ロマンティスト」と表現する。
わたしの世代にその言葉のチョイスは少し奇妙に感じるけれど、それでもやっぱり響きます。
この本を貸してくれた人が纏っている、自ら燃えていく自然性の源泉を見た気がしました。こういう本をアツい気持ちで貸してくれるって、なんかいいわ。

 

久しぶりにストレートな自己啓発本を読んで、気持ちが明るくなりました。
わたしはずっと “火を近づけると燃える可燃性の人” になることをおそれていて、それは火を近づけないと燃えない人になったら終わりだという気持ちがあるから。

それで、ここ数年は自己啓発本をやんわりと避けていました。

 


稲盛和夫さんの話法には先のように「人間は大きく三つに分けられる」と説く、まるでバガヴァッド・ギーターの17章のようなところがあって、アクセルに天風節・ブレーキに仏教、みたいなバランス。

ぜんぶ仏教だと陰気くさくなるところが、そうならない明るさがあります。

 

 

「進歩」の章にあった言葉は、自分の手帳に書き写しました。
ここ数年のわたしの瞑想時のサンカルパと重なるもので、ほかの人の言葉でもそれをインストールしたくて。


この本を貸してくださった方が「以前組織で管理職だった時も、この本が支えだった」とおっしゃっていました。
人生経験を経てから知り合うヨガ仲間との交流って、いいもんですね。