うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

(再読)正直  松浦弥太郎 著

先週のブログに書きましたが、自分の意識と生活を変えるために転職をしました。その過程ではけっこう凹むこともあって、この本を再読しました。ずっと本棚にあって、ときどき開いてみる本です。この本を当事者意識で読むタイミグは、やっぱり仕事を変えたとき。手元に置いておいてよかった。
再読してみたら以前と同じ個所に付箋を貼ったのは二か所だけで、自分の状況が変わったことによる価値観のゆれが確認できました。

この世界で起きていること、または存在することで、自分に関係ないことはひとつもない
(はじめに より)

仕事を探したり契約を進めているタイミングがコロナウイルス騒動と重なっていたこともあり、ここしばらくは誰のせいでもないことの影響を大きく受ける状況に疲弊していました。心がすり減ったり疑心暗鬼になったり、逆に信頼関係が太くなったと感じたり、そういうコミュニケーションがいくつかありました。
そんなあれこれの後に読んだので、この本のなかで語られる保守的な面にうなずくことが多くありました。


そして以下は初めて読んだ時も付箋を貼っていたのだけど、今回のほうが著者の執筆時の年齢に近づいたこともあり、身に沁みました。

 スキルをつけたり、かしこさという経験値を上げたりすることも大切だ。
 運動し、体調を管理し、つねにコンディションを整えることも欠かせない。
 だが、それだけでは足りない、これからの時代は体を鍛えるのと同じように、心も強く鍛えないと生き抜けない。自分らしく生きるという、「自由」であることが、とてもむつかしい時代になってくるだろう。暮らしや仕事において、安心という環境を手に入れることが、さらに過酷になるに違いないからだ。
 さもなくば、社会の流れや環境の変化に負けてしまい、押し潰されていくだろう。
(いつか自分を見つめる時があってもいい より)

わたしは今回の転職ではじめて、世間のムードや近頃多用されるようになった言葉(在宅、テレワーク、オンライン)に呑まれて自分を捨てるような対応をしていたかも…、と思うような経験をし、胸の奥でサンカルパを唱える瞑想の練習をしていてよかったと心底感じました。
もともと外出したくて、社会性を育てたくて家でできない仕事を探していたのに、逆の方向にいきそうな場面が一度ありました。安心という環境を手に入れるために天秤にかける思考の要件が以前よりも複雑になっている。常に自分の中での優先順位を見直しておかないと、あっさりムードに呑まれてしまいます。


わたしにはもうひとつ、すでに何度も読んでいるのにこういうタイミングで読み直したくなる本があります。いまは毎晩その本を読みながら自己を振り返ってます。心を強くするトレーニングの機会と思って読み進めています。

 

▼前回読んだ時のこと


▼この本はここでも紹介しています

 

 

正直 (河出文庫)

正直 (河出文庫)