「幻冬舎plus」というウェブサイトの連載をまとめたもの。なんとなく通勤で読みやすそうなので買ってみたのですが、人選がバラバラすぎておもしろいです。購入時の目当てはタイトルのカッコに入れた清水ミチコ、会田誠、辛酸なめ子といった著者でしたが、読んでみたらほかのおもしろい人を発見することができ、なんとなく時代の波に乗った気分。
とはいえ執筆が2016年なので、ネタは2015年の話。いまごろ五郎丸さんを知ってどうする…という感じですが、わたしは偏った情報ばかり摂取しがちなので、遅い情報かもしれないけれど新鮮でした。
トピックの中では小野美由紀さんが書かれているシェアハウスのことが興味深く、國分功一郎さんの文章にはたくさんハイライトを引きました。
今野晴貴さんのトピックでは『奨学金返済の問題が、いよいよ「日本の大問題」として顕在化してくるのではないか』と書かれていて、わたしもほんの数年前まで返済があり、それが済んでからやっと自分で収入形態や暮らしをデザインしていく気になれたのを思い出しました。
それでもわたしはまだ、返済期間中の仕事自体は不自由せずに逃げ切れた世代。もう少し若い人はさらに気持ち的に背負うものが大きいだろうと思い、この問題がすごくリアルなものに感じました。
なんとか、さまざまな人がいろんな工夫で余裕と楽しみを作り出せたらいいな…、と、世の中のことに思いをよせてみたり。
自分のことばかりになりがちな頭の中に、風を入れる。そんな気分で読めるテキストでした。
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