『老いる自分をゆるしてあげる。』の上大岡トメさんのイラスト解説がものすごくわかりやすくて良かったので、続けて『のうだま 1 やる気の秘密』『のうだま2 記憶力が年齢とともに衰えるなんてウソ!』を読みました。
1に書かれていたことは自分でも実感済みのことばかりで、やる気は身体を動き始めてから湧いてくるもの。
わたしは2のほうが刺さり、「生きることに慣れて飽きてくる年齢」と「記憶の衰え」を紐付けることの愚かさを思い知らされる内容でした。
ひとつ、自分の経験と重ねておもしろいというか、考え方の違いを感じるエピソードがあって、上大岡トメさんは35歳の時に柔道でブラックアウトを経験されています。
その時に、ものすごく不安に感じて記憶を財産と思ったと語られています。
わたしは10代の終わりにスキーでそれを経験したことがあるのですが、わたしの場合はまだ若く、不安よりも多幸感を感じました。記憶がなくなることで警戒がほどけて、親切を素直にじゃぶじゃぶ受け容れて他人に気持ちを委ねることができ、それまで自分を窮屈にしていたのは自分の警戒心(予想する気持ち)であることを知りました。
トメさんのブラックアウトの経験の年齢を超えたいまのわたしがあれを経験したら……。想像するだけでゾッとすることではあるのだけど、「記憶に対する態度」についての経験談を聞くことは、いまのわたしにとてもためになるものでした。
2を読みながら、さてはこのエピソードが書かれた頃にトメさんがやっていたヨガはアシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガかな、なんて想像するのも、個人的にちょっと楽しいことでした。