うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

たたかえ! ブス魂〜コンプレックスとかエロとか三十路とか〜 ペヤンヌマキ 著


これもブクブク交換でのいただきもの。30代後半の独身女性が、周囲と自分を比べて落ち込んだりコンプレックスと向き合いながら、同じ境遇の女性と共感していこうという内容です。
この著者さんはAV監督で、前半はあまりにもかけ離れた業界の話なので「へー、そーなんだー」という感じで読みすすめていたのだけど、ヨガの世界もその「へー、そーなんだー」感は同じ。その世界にはその世界のあたりまえがあって、おもしろい。


後半に「他人から幸せに見られたい」という欲を捨てられない苦しみについて書かれていて、このあたりがこの本の本筋かと思います。個人的には「男の好みが変わった事件」「私の心のデスノート 通称 "ブスノート" に刻印された男たち」に、男性に対して幻想を抱けなくなった女心が描かれていておもしろかったです。


著者さんはとても仕事熱心な人で、自分は監督だけど品定めされる側にも回ってみようということでデリヘルの面接を受けます。
そこで

 面接を受ける立場になって気づいたのが、自分がものすごく女の子モードになっているということでした。

と綴る。かわいい。




前半は主に思春期までのコンプレックスが語られているのですが、そこにあった内容は共感するものがあり、少し胸がチクリとしました。
なかでも、親子関係で

「誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ!」と、自分で稼ぐことのできない子供の身としては何も言えなくなる禁じ手を使って封じ込める。

という場面。
お子さんがいるひとは、これはほんとうに生涯の禁句くらいに思っておいたほうがいい。
これは後を引くというか、人に寄りかかることのできない思考をつくる。それがエネルギーにもなったりしているのだろうけど、ときに極端なことを考えたりする理由にもなる。



 母と一緒になって父の悪口を言っているだけの時はまだよかったのですが、散々否定してきた父の性質が自分にもあると気づいたときに、私は愕然としました。自己嫌悪の始まりです。

一番共感したのは、ここでした。



本来は痛快な「お悩みぶっ飛ばし本」として読む内容だったのだろうけど、違うところに反応してしまいました。
あと自分のことブスっていうひとって、やっぱりあんまりブスに見えない。なんでだろ。生命力のかがやきかな。