うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

半径5メートルの野望 はあちゅう 著


わたしはブスじゃないのにブスと言われる人が発生する仕組みに興味があります。「殺された美人OL」と反対の現象として興味があります。
はあちゅうさんは、ネットの中で前から有名な人でしたが、「ブスじゃないのにブスと言われやすい人」として気になっており、おもしろそうな本が出ていたので読んでみました。



(結論)
やっぱりこの人、すごく頭がいい!



(想像したこと)
見た目は一般的なOL風の佇まいでありながら、言葉とお金のパワーを動かす力がある。なので「覚えてろよ!」と言って去っていく時代劇の悪者のように、「ブス」と言って後ろ足で砂をかけるようなことをしたくなる人が出てきちゃうんじゃないかしら……


なんてことを思いつつ、、、
こういうマインドは、なんというか、抱きしめたくなる(笑)。

恋愛の実績は、何年もかかってつくってきたものが、一瞬で崩れ去ることがあります。お弁当をつくるという努力は「重い」と言われ、果敢にアタックする努力は「キモイ」と言われる。そんなふうに、努力が必ずしも実るわけではない世の中で、仕事は唯一フェアで、結果になって返ってきてくれるものではないかと思います。
(仕事は一生の実績 より)

実例の出し方が、たいへんお上手。センスがいい。




そして、まだ20代なのにここをちゃんと悟っているのがすばらしい。

「会いたい」と言ってくれる人に気軽に会わないのと同じように、私も会いたい人にこそ、気軽には会わないようにしています。私が会いたい人は、みんな私よりも忙しく、世の中に大きな価値を生み出している人たちです。だから、彼らの忙しい日常から時間を捻出してもらうなら、向こうが「会いたい」と思ってくれない限りは、次はその人に会うレベルの人間ではない、そちらのレベルにまだいっていないのです。
 誰かのおまけで会ったり、コネを借りたりして、会いたい人にただ会うだけなら、できないこともありません。でも、それはあまり嬉しくない。本当に「会うだけ」で、相手の心の中には入れないからです。
(憧れの人に「会いたいと思われる自分」になる より)

きのう書いた「ずうずうしいかどうかは、受け手次第」は、ずっと前に下書きしていたのだけど、末尾が決まらなくてそのままにしていました。このはあちゅうさんの本を読んで、「そうだ! わたしがよいと思うのは、この人のようなやり方だ」と思って最後まで書くことができました。



若いときに嫌な思いをたくさんしているのは、圧倒的なアドバンテージ。わたしは彼女の言葉を読みながら、過去に受けた年上の人々からのさまざまなマウント案件(「うちこにアドバイスしたのはわたし」「わたしが声をかければ、うちこがやってくれるわ」みたいなのとか)が成仏していきました。
自分が年寄りサイドになると、発言によるコントロール欲がうっかり発動しそうになるのをおさえていくのが課題になってくるので、戒めにもなりました。初心忘れるべからず、とは少し意味のちがう、大切なこと。はあちゅうさんも、この本の中で「見えないカースト」のことを書いている。
「やればできるんだろうけど、やってないだけ」というスタンスで周りと自分を比較している状態の人にはキツい内容かもしれませんが、そういう人こそ読んだらきっと励まされます。とてもストレートな語調で、かわいらしいです。


▼紙の本


Kindle