今日は最近よく参照している本を紹介します。
過去にも解剖学の本を何冊か紹介したことがありますが、わたしにとっては解剖学も身体論の一部という位置づけです。
脳からの指令、コントロールできない脳(こころや潜在意識)に引っ張られる動作、神経・血液などの体液・呼吸との連動がアムロだとすると、骨や筋肉やそれらとあわせて動かす身体がガンダムです。その間に、機能を持つ内臓がある。そういう地図でとらえています。
この本はガンダム部分の参考書なのですが、数ある身体の本のなかでもここがよい。
わたしが普段オリジナル単語で表現している「地味なパート」がしっかりとりあげられている
▼たとえばこんな部分▼
- わたしが便宜上「セバスチャン」と言っている、足の長母趾屈筋と、手のセバスチャンにあたる母指対立筋。
ダウンドッグでとても重要な部分。母指対立筋はカカ・アーサナやバカ・アーサナでも重要。
- 「尖ったあごを首の皺に挟もうとするくらい、ぐうっ〜と引く」というときの頭・頸板状筋。
ここは頸なのであぶないから文章だけで書くのはやめておくけど、ここをコントロールできない人が多い。
ウサギのポーズが苦手な人の要・意識ポイントの8割はだいたいここ。そして、耳で聞いても脳に近すぎてかえってコントロールできないらしいおもしろい部分でもある。ヨガでは、女性の体癖1種の特徴が出やすい部分ではないかというのが自論。(男性は広背筋がダイナミックに動かせるので、このポーズで「1種度」は見ないことにしています。細かい話だけど)
- 骨盤周り深層の腹筋が足りない人がナバーサナをやると飛び出る「前・中斜角筋」。
これが出るとゾンビみたいだからゾンビ筋と呼んでいるのだけど、タモさんがここをギューっと出す昆虫のモノマネに名前があれば、それをつけたい。
そのときどきの人の傾向にもよるけど、蛇のポーズのときは、ここの外側をあまり使わないように「ヘディングのボールタッチの瞬間のように頸を伸ばして」と言ったりする。
- 正座から寝るポーズのときに「普段ヒールをはく人は、ここに意識を向けて」というときに指しているの長母趾伸筋。
立位のときはコントロールしにくくて勝手な動きをするので「いちばんおバカさんなところ」と言ったりしている部分。
- お尻の画鋲を床に刺す話をするときの恥骨筋、それに連動する長内転筋。
などなど。
この本には同じ筋肉を使う動きが関連付けて見やすく書いてあるので重宝しますよ。
わたしはヨガを始めた頃、肩甲骨を「健康な骨」と思い込んでいたくらい解剖学用語を知らなかったので、以後いろいろ学んではいるけど、人に説明をするときや先導ガイドをするときには、いくつもある奥層の筋肉のことでも「自分なりに語るとこういう感じなココ」という言い方をしている。
肩甲骨の動きは「ウンジャラゲの、このときと同じ感じ」と言ったほうが、アライメントが超速で整ったりする。はじめての人には面食らった顔をされるけど(笑)。
この本にあるストレッチの定義での「スタティック・ストレッチング」がもろにヨガ。
あまり構えて勉強せずに「ほら、このときの、あそこ」というのを確認するのにおすすめです。