うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

綺麗になるヨガ ― 心とからだを波動から美しく 内藤景代 著

著者さんは沖先生のお弟子さんです。
「瞑想」ではなく「冥想」と表記されるところなど、沖イズムが感じられます。出だしから、「うまい表現だなぁ」と思うフレーズがコンスタントに登場していて、まとめかたも秀逸。「やればわかるさ」の実践回答を惜しげなく体系立ててまとめられているのですが、そのまとめかたの構造もよく練られています。
『あなたのからだを「聖なる魂」を宿す、光輝く「移動神殿」にする方法と哲学が、ヨガです。』という出だしの表現は、簡潔ながらうまいこと言うもんだ! と思いました。
前半ではヨーガ哲学とマインドのこと、後半では気とアーサナのことが書かれています。アーサナの章のはじめに『ヨガのポーズと体操のちがいは、「意識」と「気」の流れを感じ、「イメージ」をみることで、よりポーズの効果を高められることです。』とあります。これもシンプルだけど、簡潔かつドンズバな説明だなぁ。

何箇所か、メモしたところをご紹介します。

<30ページ ヨガのポーズ より>
 ポーズをする時は、ほとんど、手は「生きている」状態にします。武道では手首が下向きにだらんとなるのを「死んでいる」、手首が上向きにしなうのを「生きている」といいます。たとえば、ねじりのポーズで、後ろにまわした手は、上向きに、手の甲側にそらします。
 頭が疲れていると、普段から「指先が曲がったまま」の癖がついています。筋肉や神経も縮んだままで、緊張し通しということを指があらわしています。ムドラなどで、手や指を伸ばすようにすると、神経の緊張もほぐれ、頭脳疲労もとれていきます。

たしかに、指をピーンと伸ばすと、気持ちいいですね。


<45ページ 夢見る力 より>
 仏教には、ヨガ宗とよばれる宗派が二つあり、どれも「心の力やイメージの力」を重要視します。一つは一二〇〇年前の奈良時代に、日本に伝わった「ヨガ行・唯識派法相宗」です。
 「唯識」とは、ヨガの冥想の行法により、この世の現実はすべて「心(=識)のイメージ」が生み出しているという立場です。『西遊記』のモデルの玄奘法相宗創始者です。
 もう一つは、「身・口・意の三密ヨガ」を行じる密教真言宗です。からだ=<身>に手印=ムドラ、<口>に真言マントラの波動を唱え、<意>識はイメージをありありとみることで、心とからだと波動の三つ(三密)が一つに結ばれ、驚異的な力を生み出します。

こういう説明もしれっと登場するんです。たまらんす。


<57ページ 気 より>
 もし、あなたが、「わけの分からない不安感」や「孤立感」に悩まされているとしたら、自分自身の心とからだを別々のものと考えていたり、人間は、宇宙と切り離された、単なる物質の固まりとイメージしているからかもしれません。

「身体がいうことを聞かない」などという身体と魂の関係は、本来あり得ないものですが、職場でよく耳にするなぁ。


<73ページ チャクラ より>
 身体感覚が鋭敏になり、「からだの冥想」が上達すると、自分のからだに、波動の次元で、頭脳以外の中心点が「ある」のを感じるようになります。それが、チャクラです。(中略)
 あるチャクラばかりが片寄って働くと、体質や気質や性格が、そのチャクラ的になります。

バランスよく実践で動かなきゃ。


<110ページ やせる哲学 より>
 「やせる」ためには、「何キログラムやせる」という「肉の固まり」ばかりを考えないで、そういう「肉の固まり」を生み出した、「考え方」や「生き方」を、見つめ、そこから変革することが「近道」です。
 あなたの「考え方」に基づく、「今までの生き方」の結果が「肥満」であり、「自然に、どこからか、お肉が降って来て、余分な肉がついてしまった」わけでは、「ない」からです。
 今までの、無自覚になっている「考え方」や「生き方」の《傾向》に気づき、【方向性】を変えない限り、一時的に、やせたとしても、また、肥満になっていくでしょう。

ちょっと気持ちのいい説明です。前半はまろやかだったのですが、後半に沖イズムが漏れ出てきたような。


はじめは、「実践なき精神改革」な人たちにテキストを与えすぎでは?! と思って読みすすめていたのですが、やせない言い訳についての斬りかたなどは、読んでいるほうがスッキリするくらいの示唆も。
オブラートって、こうやって使うんだ(笑)、と勉強になりました。かなり鋭い文章です。


★内藤景代さんの他の本への感想ログは「本棚」に置いてあります。


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内藤 景代
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