うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

自力整体の真髄―なぜ、自力整体は効くのか? 矢上裕 著

自力整体脱力法」がなかなか面白かったので、これも図書館で借りてみました。77分のDVD付です。ヨガマット敷いて見ましょう。そのまま教室状態になります。これ、2400円なのですが、かなりお買い得な本です。「ヨガ教室って、女性ばっかりなんでしょ? なんかなぁ」と尻込みしている男性に、特におすすめです。
この、矢上氏のキャラクターがかなりいいです。「わたしコレ苦手なんですよねぇ、アイタタタ…」って言いながら教えてたり、水野晴朗ばりに「いやぁ、ほんっとにこれは気持ちいい。あー、気持ちいいですねぇ」と(笑)。「若いころは左右すぐにいけたんですけどね、トシとってくると、真ん中でいっかいお休みするのがよくなってくる。ああ気持ちいい」と、人生の先輩的な未来指導です。ヨガも、こんな気持ちで取り組んだらいいんですよ、という模範生徒のような取り組み方です。「無理シナイデネェ、気持チイイトコロデヤッテネ。怖イ顔シナイデ」といううちの師匠の教えのとおりで。
DVDの実践は、うちこは普段いろいろなアーサナをやっているなかで同じところに働きかけるものが多く、それ以外のところでは特に手指を組み合わせた体の動かし方が参考になりました。ヨガ前のゴロゴロ待ち時間に取り入れようと思います。この「自力整体」は、ヨガと違って「伸ばすのではなく、ゆする」というところも、運動に抵抗がある人に親しみやすいポイントです。

本のほうも、メモしたいところがいっぱい。長年のご経験から導き出されたお話で、強い言い切りのところには「勇気あるなぁ」という表現も。いくつか、ご紹介します。特に最後の「経路に異常があるとやりにくい動き」は、稽古時にみなさんの前後左右の姿を見ているうちこにとって、とっても参考になるものでした。

<53ページ いろいろな気 「衛気は人に伝わる」より>
「なんとなく生気がない人と一緒で疲れた」「活気がある人と一緒で元気になった」「人の邪気を受けて疲れた」「あの人の毒気にやられた」などの言葉がありますが、これらは受けた側の衛気が弱いため相手の思いを経穴に取り込んでいるのです。
 だから人の影響を受けずに、自分の信念を貫きたいなら衛気を強くすることです。

うちこはよく自分の毒が回るのですが(笑)、というのはさておき、最近すこしこういうことを感じるようになりました。「邪気」なんかは、その背景やその人がとりつかれている優先順位を知るきっかけになったりします。ほかの優先順位の考え方を提案することで解決することもあったり。

<81ページ 健康を奪う8つの恐怖概念 「健康になる人、絶望死する人」より>
恐怖の反対の感情である安全や安心、安定といった心の状態になると、脳からベータエンドルフィンが分泌されます。これは疲れず、病まず、老化を防ぐホルモンだといわれています。ヨガの行者や禅僧が若々しくて長寿なのは「悟り」による安定した心でベータエンドルフィンに満たされ、抗老化エネルギーがからだを老化させないからです。

テレビを見ていると、恐怖をあおるような表現ばかりで「そこまでやるか」と思ったりするのですが、恐怖という関心の引き方が視聴率を高めてしまうのだから、しょうがないということなのかしら。「ほぉら、こんなにかわいそうな人たちがいっぱいいますよ」ってあおられてもなぁ。テレビ絶ちするだけでかなりベータエンドルフィンが増えそう。

<89ページ 健康を奪う8つの恐怖概念 「姿勢を正す筋肉を強化する」より>
血流の流れが悪くなりにくい筋肉があります。それは姿勢を正す筋肉です。これを支持筋肉といいますが、このようにずっと同じ状態を保とうとする筋肉は、凝りが発生しにくいのです。
また、支持筋肉は大きな筋肉が多いため、血液の流れる量も多く、その結果、高体温になり、老廃物がたくさん排泄されます。

みんな華やかなポーズやパワフルなポーズで使う筋肉ばかり鍛えたがるのだけど、一番大切なのはやはり「姿勢を正す筋肉」というのに激しく賛同。うちこが道場でよく「おへその下の奥にある筋肉を〜」と表現するアレです。

<163ページ からだからの10のメッセージ「自力整体教室での波動の高め方」より>
人間の波動が高くなればなるほど、その人の周りにある肺の衛気は広がり強くなります。
自力整体ではこのことを利用しています。
自力整体教室では、いろいろな動きを通じて誰もが波動を上げるために励んでいるのですが、実技を行っていると参加者全員の波動がだんだんと高まってくるのです。すると、それぞれの衛気が広がって交流し、集団の衛気を形成します。これが教室全体に広がって、教室の空気そのものが自然治癒のヒーリングパワーの渦を作ります。このときのパワーは、相乗効果を誘い、参加者全員のエネルギーをアップします。
だからこそ、自力整体はひとりでやるよりも、同じ目的を持った波動の高い人々と一緒にやるほうが波動が高まるのです。

年末最終日クラスの渋谷道場がそうでしたが、本当にこれはありますね。終わった後、なんともいえないいつもと違った充実感。よく「今日はすいていてラッキー」なんていう人がいるけれど、志の高い人の構成比が高い「混んだクラス」はかなりお得ですよ。

<210ページ 5つの気質から性格を知ろう「肺の気質エネルギーの特徴」より>
肺のエネルギーの弱い人は本当は甘えん坊です。強くたくましい人のそばでいつも見守られながら、存在したいのです。自立していないので自然治癒力は弱く、しょっちゅう風邪を引いたり、どこかに不調を訴えます。
また不調を訴えることで関心を持ってほしいのでしょう。「私は弱いのよ、大変なのよ、だからわかって! かわいそうでしょう」と病気を使って、弱々しいので守らなければいけない存在として表現するのです。また孤独に弱くつねに誰かが関心を寄せてくれないとエネルギーが枯れます。

ちょっと沖先生ばりのアレですね(笑)。

<251ページ 経路とツボについて学ぼう「経路に異常があるとやりにくい動き」より>
五臓の経路に異常があると、やりにくい動きが出てきます。それぞれ説明してみましょう。

【腎の気】
腎の気が消耗していると、足の内股の筋肉が硬くなり縮んで開脚して座ることができなくなります。同時に足をそろえての前屈も硬くなります。また恥骨が前に出て、老人のような体型になります。逆に開脚や前屈の刺激によって腎経を刺激し腎の気を充実させることもできます。

【肝の気】
肝の気が消耗していると、股関節が開かなくなります。側筋が縮むので肋骨が下がり、呼吸が浅く、腕をまっすぐ上に伸ばすのがつらくなります。また左右のアンバランスがひどくなるため、ねじる動作をするとき痛みを感じます。

【脾の気】
脾の気が消耗しているとからだを後ろに反らせることができなくなり、ひざが曲がらなくなります。

【心の気】
心の気が消耗していると、胸を張り出したままで反り過ぎになります。わきが縮んでバンザイができなくなり、いつもふんぞり返ったようになります。

【肺の気】
肺の気が消耗していると、猫背でまるでしょげているような姿勢になります。胸が縮み呼吸が圧迫され浅い息になります。

この「心の気」のところが、思わずひざを打つような、思い当たる光景満載。「わきの下に空間!」と声をかけないと、思わずわきが縮んでいる人が本当に多いので。シンプルだけど、この記述はかなり参考になりました。


道場でみなさんの動きを見せていただいたり、自分の中で起きていることを観察しながら「こうなんだろうな」と感じていたことに通じるものがいっぱいありました。親にヨガをすすめたい、と思っている親孝行な娘さん、息子さんには、まずこんなところからすすめてあげてはいかがかと思いました。この先生、ロマンスグレーでいい声で、親御さんのハートをがっつり掴んじゃうのではないかと。

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